美味しいさのおすそわけ
通して見ると結構な量があった気がしたけど案外食べられるものだね
「ユーキさん。食べないのであればそのお皿をこちらへ渡すのにゃ」
「そうです、残すのはご法度ですよ」
既に大皿には何も残っていない。吸い込み速すぎでしょう
「いや、これはそこで覗いてる子にあげようかと思っていてね」
厨房の隅からこちらを覗いている少年へと視線をながす
「むむむ。また取ってくればいいんじゃないですか?」
「いつになるかわからないものを待たせるなんてできないよ。それに、殆どはふたりが食べたんだよ?そのへんわかってる?」
「ぐぐぐ…それは、そうですけど」
「美味しいものは皆で食べないとね」
手招きをしてお肉が少しづつ乗った皿を手渡す
「「あぁぁ…」」2人が声を揃えて呟く
「良いの?」
「良いんだよ、この2人はまた食べられるんだから」
「ありがとうございます!」
てつくんは元気が良くて素直だね
だから二人とも、目線で圧力かけるのは勘弁してくれよな?
「さて、食後のおやつが食べたくなるよね?」
「そうですね。誰かさんのおかげで物足りないですから」
「果物とリリーの協力があればシャーベットが作れるんだけどね」チラチラとリリーを見る
「むっ!あれ作るんですか!?」
あれ、リリーわかるの?
「しゃーべっとってなんにゃ?」
「甘い食べ物だよ。てっくん。ジュースかジュースにすると美味しい果物は何かある?」
「ジュースですか?キコの実がありますよ!」
お肉を食べ終わって元気が増してるてつくんが答える
「それを人数、かな?リリー、頼める?」
「仕方ないですね、美味しいデザートの為です」
実際ノリノリである
「あとは厨房で作業させて貰えればいいんだけどね」
「おう?厨房使いたいのか?まぁ散らかさんなら良いぞ」
ありがとうございます!さぁ、キコの実のシャーベットを作ろう
洋梨に似た形でりんごのような味がするキコの実を絞り底が平らな入れ物に流し込む。
「リリー、よろしくね」
細かく説明していないのにリリーは魔法を使って容器を冷やしてくれる。これって記憶も受け取ってるってことだよね?やっぱり
塊にならないように黙々と底を掻き混ぜる
隣では女将さんまで一緒になって作業の様子を眺めている
「面白い事をするな?」
「どれのことです?」
「氷を使うデザートはいくつか知ってるが魔法でやる奴は初めてでな。魔法ってーと一帯を氷漬けにするもんだと思ってたからよ」
あぁ、魔法ってそういえば大きな事をするのが一般的だったんだっけか?
「リリーは天才ですからね、細かい制御もできるんですよ」
「にゃんと…」メルティアさんも驚いてるらしい
「一応、他言無用でお願いしますよ?」
「わ、わかってるにゃにゃ」
勧誘と称して連行されたりはしたくないからね
よし、これくらい固まれば完成だね。
「タリノスさん、器あります?」
「ほら、これ使え。で、名乗ってたか?俺」
「さっきメルティアさんから聞きましてね」
「そういうことか」
さ、人数分できたし、溶ける前に食べないとね




