再びギルドへ
時間的には太陽が傾き、もうじき暗くなってくる頃だ。ギルドに入ると昼間とは違い長い列がいくつもできている
「あらら、この時間は忙しそうだね」
「割り込むわけにもいきませんし、並んで待ちましょう」
列に並び順番待ちをしている間も続々と武器を携えた方々がギルドへと入って来ている。
することもなくキョロキョロと見回していると実に様々な人がいるのがわかる。そして隣の列の方が速いのも目についた
「隣の方が速かったか」
「今からでも移動しますか?」
「その方が早そうだね」
「ではあちらの後ろへ行きましょう」
少し後ろへ下がったもののはける速度から見れば十分追い越せそうな速度だ
先頭が近付くともといた列の先頭では代わる代わる冒険者がアピールをしてはやんわりと断られていた
「みんな受付嬢目当てなんだね、あっちは」
まったく、混雑する時間にはしないでほしいところだ
長くかかったがようやく先頭についた。
「ご用件はなんでしょう?」
「昼に依頼した解体分の受け取りです」
ギルドカードを取り出し渡す。
「ユーキさんですね…はい。買い取りが八千コルで半額の四千コル、大銀八枚ですご確認ください」
リリーが受け取り確認する。
「裏庭で残りの物を渡すことになりますのであちらの通路からどうぞ。ありがとうございました」
残り?あぁお肉があったんだっけか
「どうも」
とお礼を言うと列から抜け裏へとまわる
「おう、そこにあるぞ」
裏手には筋肉質のおっちゃんがいた。そして庭半分ほどまで積み上がった獲物達が並んでいる
「ありがとうございます」
ウッドボアっていったっけ?このお肉って美味しいの?
「駆け出しにとっては高級品ですよ?」出口へと向かう間にリリーに聞いておく
そうなのか~美味しく調理しないとね
ちなみに、リリーは懐にしまわずに抱えて歩いている
それ、そんなに楽しみなんだね…
表情はとてもにやにやと微笑んでいる
だからこそ目の前にその男が出てくるまで気付けなかったのだろう
「なんだこりゃぁ?んー?ウッドボアの肉か。お嬢ちゃんにはもったいねぇしろもんだな!ありがたくもらってやるよ!」
リリーを突き飛ばし大事に抱えていたお肉を奪い、ガハハっと男は笑った
「おい、バルドだぞ、あれ」「かわいそうにな。ありゃ返ってこないぞ」「最近勝てるやつが居ないからってでかくなったもんだよな」周囲ではざわざわとあの男の事がささやかれだしている
突飛ばされたリリーを見るとぷるぷると震えているのがわかる
「嬢ちゃん震えてんぞ」「辛いんだろ」「つってもバルドに文句言えるやつこんなかにいねえだろ?」「だよなぁ」
周りの声は哀れむような声が多くなっている。リリー。頼むから、ね?殺さないように頼むよ?穏便に、ね?
ゆらりと立ち上がったリリーがゆっくりとした口調で口を開いた
「今返すなら殺さないよ?」ガチで切れてるやつだ!!
「あぁん?なんだってぇ?こいつはもう俺んだよ。お嬢ちゃんはさっさと帰ってママに慰めてもらいなってぇの!」
バルドというらしい男が拳を振り上げリリーへとふりおろす。周りでは息を飲むおとがする…
が、その拳は振り抜かれることはなかった。リリーに触れることなく、空中で止まっているのだ
「あぁん?」バルドは理解が出来ないらしく、拳とリリーを交互に眺めている
「そうか…ならしかたがない」リリーがゆっくりと顔をあげ男を睨み付ける。するとバルドは危機を感じたのか若干後ずさったのだが、リリーの方が速かった
1歩踏み出したリリーが懐へ潜り込み拳を叩きつける。腕ごと肉を蹴りあげるとバルドの手から肉が飛び僕の方へ飛んでくる。おっと!
なんとか落とさずに取ることが出来た。その間にもリリーはバルドを蹂躙していて、バルドはなすすべもなく暴行を受けている
バルドを軽く突飛ばして数メートルの距離を取ったリリーが、トドメの一撃を入れるために構えた瞬間を狙って背後から抱き寄せる。
「お肉は戻ったんだ、それくらいにしておいてあげよう?」
優しく諭すとリリーから力が抜けもたれ掛かってくる。
「リリー、ありがとう」止まってくれて、ね




