山登り開始
運転業務中に冒険をしていたら野生のポリスメンに遭遇しました。職質goで切符をゲットしたわけですが、みなさんも携帯ゲームをする時は安全第一を心掛けてくださいね!
というわけでたいへんお待たせいたしました。本日より優希の物語はひとまずの終わりを目指して行きます。ひとまずの完結後は後日談的な方向で短いものを追加していく予定ではありますが最後までよろしくお願い致します。
予定では5話以内には終わるかと思われます
「じゃあまたしばらく留守にするけど、お店をよろしくね!」
翌日、扉の前で優希は従業員達に挨拶をしてからヘイブンへと旅立っていった
「しっかし、この扉はいつ見ても反則だよなぁ」
優希が降り立ったのはヘイブンの北、高台にある草原の中央にある樹木の足元だ
屋敷の扉は王都から離れた位置にも移動することが出来るのである
優希とリリー、ぽちが扉を出るとあとからぞろぞろと少年少女が現れる
「ん?」
事情を知らない優希は後ろをついてきた初めて見る者達を不思議そうな目で眺める
「はじめまして!近衛兵団二番隊隊長、ツヴィーです!出発の準備整っております!」
くわっと目を見開いた優希はその顔のままリリーを振り返る
「ここから先強い魔物が生息しています。十分に警戒をするように。では、状況開始」
「はっ!」
4人の2列、その手前にツヴィーで9人の少年少女だ。彼らはポンチョのようなシンプルな構造の服を着ていて袖は肘まで、裾は膝が隠れるほどの長さだ。靴はサンダルのような革靴を履いている
揃った動きで敬礼をすると周囲に三人一組で散開した
「これですこれ!こういうのがやりたかったんですよ!!」
リリーは飛び跳ねながら喜んでいる
「…」
そんなリリーを優希は説明求めてじっと見つめている
「あっ!一言激励したかったですよねすみません気が回らなくて!」
「そうじゃなくて」
「全員に自己紹介させるべきでしたか?」
「気にはなるけどそうでもなくて」
「一番隊の子達の方が良かったですか?」
「それでもない」
「じゃあ何が不満なんですか?」
「近衛兵団って何!?いつの間に作った?!」
「一番隊は妖精になれなかった精霊達ですよ。彼女達の発案で組織されまして。実質彼らが最初の実働部隊です」
リリーは周囲の二番隊の者達を見渡す
「今どこまで広がってるの?どうやって人員確保した?」
「まずは見てもらった方が早いですかね?ツヴィー!」
リリーが声をかけると結構な速さで二番隊隊長がやってくる
「変身を」
リリーが手短に命令するとツヴィーの手足が細くなり少しだけ長くなる。髪や体毛が伸びチーターのような模様の黒い毛が身体を包むように広がっていく
「彼らは元々帝国の地下で死にかけていた者達です。意識的に変身し意識を保てるように安定化と精神の訓練を施しました」
「えっ?でもあの時生存者無しって」
「見える範囲には、いませんでしたよ?」
「壁の向こうにはいたって事だよね?それ」
「はい。ずいぶんと悪い状態でしたので思い切って綺麗にしました」
「そ、そう…」
優希は目頭に指を置いて深呼吸をしだした
「あの、僕はもう戻ってもよろしいですか?」
「えぇ。ありがとう」
人の姿へと戻った後、ツヴィーはもといた位置へと戻っていった
「一応は身元引受人として身柄を預かる代わりに働いて貰う形になっています。親元へ戻ったとしても生活に期待ができる状態ではありませんでしたから…」
「なるほど…で、今何番隊まであるの?」
「3番隊が今のお店の従業員で4番隊がセイファスに向かった時の奴隷達ですね。5番隊になる可能性があるのはエルフの村のウルフ達です」
「えっと…明らかに過剰戦力じゃあないかな?全員が必要なほどの敵っていないよね?」
「敵がいるかどうかではないのです。それぞれがやりたいと思っていたのが形になっただけですから」
「つまり…自由意志で集まったと?」
「そういうことになります。旅が楽になる程度に考えていたらいいんですよ。いて困る事はないですから」
「まぁ、警戒しなくて良くなるのであれば確かに楽だけれども」
視界の端ではツヴィーたちが連携して魔物を屠るところだ
「この先何が待ち受けているかはわかりませんから、体力を温存するのも大事なことですよ」
「うん…リリーに任せるよ」
優希は深く考えることをやめた
「では、そろそろ出発しましょう!」
山頂へと向かう道中、優希は狩られた魔物達をかわいそうに思うのであった