一時帰宅
「ただいまぁ〜」
1週間程度の旅ではあったがとても懐かしい感覚が訪れる。帰る場所があるというのはいいものだ
「おかえりなさいませ旦那様、奥様」
「ただいま。かわりはない?」
「ギルドマスターの件以外特別な事は起きていません。それと、夕食の用意が出来ております」
「ギルマスの件は話してきたよ。さてさて、今日の夕食はな〜にっかな〜」
優希は軽い足取りで食堂へと向かう
「明日より山へと向かいますのでまたしばらくは留守にします」
優希の後ろを追いかけながらリリーはサンディへと予定を告げる
「何か準備すべきことはございますか?」
「二番隊を連れていきます」
「かしこまりました。実戦訓練という形でよろしいですか?」
「任せます」
「承りました」
こうして、優希の知らないところでしっかりとした準備が行われているのである
「本日は魚のバター焼きをメインにしてみました」
サンディの料理は日々進化している。コース形式に落ち着いた料理は単体でも楽しめるのだが、通して食べることでより様々なものが感じられるように工夫されている。
「ここまで来るとサンディの料理で夜の店ってのを開いても面白いかもね?お酒を提供するようなさ。」
「一言やれと命令すれば計画は動き出しますよ?」
リリーがどうすればできるかを教えてくれる
「それくらい美味しいって話なんだけどね」
「ありがとうございます。デザートは果実のゼリーです」
リリーの皿には少し多めにしてある
「本来なら和菓子に挑戦したかったんだけどね…流石に時間がなさすぎるよ」
それは手紙の配達であまりのんびりはしていられないことを意味していた
「焦る事はありません。ゆっくり順番にこなしていきましょう」
その一言でずいぶんと気が楽になる
「ご馳走様。もうサンディには勝てないかな?」
料理の腕は一流であろう。既に伝えられる事はなくサンディは独自に研究を重ねている
「まだまだ未熟ですし、戦えるほどのものではありませんよ」
元々こだわりの強かったサンディが情熱を燃やしながらに作るものは、時折失敗するものの丁寧に調理していることがよくわかる
「さて、そろそろ部屋でゆっくりとしようかな?」
優希はあすからのことも含めてゆっくりと休むつもりであったが、結局朝まで寝れる事はなかったたのである