セイファスという国
「では、彼らの身柄は預からさせていただきます。彼らの根城の物はユーキ様のものとしていただいて大丈夫なのですが…」
2人はセイファスのギルドにて盗賊たちの身柄を引き渡している所だ
「奴隷とされている方々は基本的に物として扱われるのですが、どうされますか?」
「どう、とは?」
「ユーキ様の奴隷として利用されても問題ありませんし、証拠としてギルドへ提出することもできます。この場合盗賊らの判決確定後に経緯に応じて解放または然るべき場所へと移されます」
「拾得物としてもいいし権利を放棄してもいいということですね?」
「はい。どうされるかは自由です」
「拾得物として利用します」
答えたのはリリーだ
「いいの?それで」
「解放するならできますし、ギルドへ届けるのは後でも出来るはずですから」
「そうですね、もし後日ギルドへ届けられる場合はなるべく乱暴に扱わないようにお願いします。ご利用ありがとうございました」
ギルドを離れた一行は本来の目的地へと進んでゆく。
「結局、あの洞窟には何人くらいいたの?」
それは受け入れた奴隷の事である
「合わせて11人です」
「で、その子達はどうする予定?」
「屋敷の使用人として教育をしようかと…臨時のスタッフとして使えるように一定の教養は与えるつもりです」
「全員?」
「です。何かございますか?」
「いや、そもそも奴隷について知識が無いからそんなものなのかなーって」
「そうですね…まず奴隷の定義ですが…」
要約すると首に付ける魔道具によって行動を制限されたものが奴隷であり、活かすも殺すも持ち主の自由である。
解放には施設で魔道具を外すのだそうだ
「この世界ではそれが普通ですし、国ごとに奴隷の扱いに関する法があったりもします」
「あぁいや、別に制度に文句があるわけじゃないから」
「この国は最も奴隷が普及していると言えます。っと、少し話は変わりますが、この街でこのように」
箱を抱えた白っぽい衣装の4人の男女。彼らが優希たちの前に現れるとリリーはその箱へ銅貨を投げ込む
「募金を集める者には逆らわない方が余計な揉め事を起こしません」
「…覚えておくよ」
「他にもこの国が宗教的に熱心なのは勇者のおかげなのですが…」
進行方向の先の方に人だかりが出来ている
「今は今代の勇者が誕生したという事で一層盛り上がっているみたいです」
この時ちょうど勇者とされる赤子を神輿に載せた集団が国内を凱旋している所だったのだが
「ああして祭り上げられてしまったら、降りることは出来ないでしょうね…」
勇者として担がれた少年には、役目をまっとうするまで穏やかな日常は訪れることが無いのである




