勝つまでやりたい
しばらくはのんびりと遊ぶ話をあげる予定です
腕を組み首をかしげた優希はむむむっと唸る
「早く次の一手を決めてください?」
ふたりは今、真剣勝負の真っ只中である。対局は8割がた進んではいるのだが、優希は半分が終わったあたりから抱いていた疑問を確信へと変えた
「これ、勝ち目がないよね?」
優希は黒。リリーは白で始まった戦いは盤面の殆どを白くすることにより既に逆転する気配はない。それどころか置ける位置を調節されていてどこに置いたとしても、すべて白く塗り替えられてしまいそうだ
「パーフェクトゲーム狙ってるとかないよね?」ぱちり
「まさかぁ!そんなことできるはずないですよ!」ぱちり
「現に黒の存在感はなくなってるよね?」ぱちり
「あっ角貰いますね」ぱちり
挟んで裏返す。単純なゲームではあるが意外と難しい。
優希はあちらの世界のゲームをこちらで再現しようと様々な物を作り出している。これはその中の一つだ
「うまく誘導されて…いつからだ?」
限られた場所にぱちりと駒を置く。
「さて、いつからでしょうね?」
置いた場所から白く塗り替えられていく
「ぐぬぬ…」
ぱちり、と最後のマスが埋められると盤面は白一色となっていた
「も、もう1回!」
長く知っている身としては負けたままではいられないのだ
「三度目の正直ではなかったんですか?」
「でも!でも!」
「ここまでキッチリ負けていてまだ諦めませんか?」
「もっがい!きっと勝つから!」
「勝つためには初手から最終手まで予測しないとですよ?」
「し、初手から誘導は始まっていたのか…」
ハナから勝てる見込みなどなかったのである
「次はこれなんてどうでしょう?」
取り出したのは人生双六豪華版だ
結局このゲームでも優希は負けてしまうのだが、本人は負けるなどとは考えていない
発端は優希の発案で娯楽を普及させる事が目的ではあるのだが、テストプレイという名目で盛り上がっているのだ。
その後、レモンやアズロマといった手の空いたメンバーを加えた麻雀で優希は頭を抱えることとなる
「ロン!大三元!」「スッタンです」「字一色!」「国士無双!」
好配牌を伸ばせば役満に振込み、リーチをかければ役満に振込み、鳴いて安い手に逃げても役満へと振り込む。
何をしても役満に振込むのはおかしいと聞いてみるとイカサマのオンパレードであったのだ
「勝てないじゃん!」
「気付か無ければイカサマではないって本でも言ってましたよ?」
「それはギャンブル漫画だからでしょ?普通にやろうよ!」
「目的のためには手段を選んでいられないのです」
「残念ですが、これは戦争なのです」
「美味しいお菓子をください!」
そう、盛り上がるためにオヤツを賭けてしまったがための結果である
「ハァ、一旦おやつにしようか…」
立ち上がった優希に歓声が上がる。その後も休憩を挟みながらただ延々とゲームをして遊んだのであった




