はじめまして異世界
藤堂優希は大学生、と言ってもこの春から通うことになる新入生だ
親に負担をかけまいと二年間を代償にいくつかのアルバイトと勉強を同時にこなしようやく自力で大学生になれたのだ。
そんな彼の心は苦労しててにした学園生活がとても楽しみで、期待感に埋め尽くされていた。
そんな彼の人生は心臓発作という望まぬ結末で幕を閉じたはずだった
「もう一度、言ってもらって良いですか?」
ぼんやりと白い場所に優希は立っていた。その正面には女神を名乗る白いワンピースの似合う可愛らしい女性がいる
「ですから、異世界にいってみませんか?」
「どうして僕が?」
「おなくなりになられたときに行き場を失ったやる気が大きすぎてめんど、いえ、生まれかわった先で悪い影響を与える可能性がありまして」
今面倒って…
「貴方も1度は剣士になったり魔法を使ったりしたいと思った事がありますよね?夢が叶いますよ?」
確かに言われるとそうだが
「断れば?」どうなんの?
「私が困る以上に、生後一月程でおなくなりになられますね」
それは大変だ
「ちなみに転生するとなるとどんな感じになるんです?」
「転生して頂いて溜まったやる気を発散していただければ一月程の寿命が発散されたぶんだけ延びることになります」
罪落としみたいなものかね?
「とりあえず長生きすればいいんです?」
「その通りです!」
これはなんとも都合のいい
「その世界で新しい仕組みを作るのにテストプレイヤーを探してまして、ちょうど良かったんですよ」
そんなおいしい話乗るしかない
「そう言っていただけると思っていました!早速行きましょう!」
「えっ今口に出してないよね?」
「気のせいです!ではまたどこかで~」
いうやいなや体が自由落下を始め意識がぼんやりとしていく
露骨に説明不足だよね!?
「説明書って叫べばなんとかなりますよ~」
そして、優希の記憶は途切れて消えた
次に優希が目を覚ますとそこには何もなく、石で出来たドーム状の部屋だった。ひとつだけ問題があるとするならばそこが空気穴すらない完全な密室であるという現実だけである
「もしかしなくても、選択を間違えたのかもしれない」
呟いた言葉は闇に溶けるように消えていった