3話
「話し合いはインターネットのチャットで決めてもらう。24人の内、全員がインターネットの環境が整っているはずなので、参加して欲しい」�(
「これね……」�(
部屋に戻り、チャットコンピューターを起動し検索エンジンを働かせると、まもなく目的地は発見された。なるほど、このサイトは全世界どんな言語でも瞬時に翻訳してくれることで有名なところだった。あの声は24人、日本人だけでなく様々な言語スピーカーが選ばれているといっていた。ならば、道理に敵う。�(
サイトに入り、現在使われている部屋が4、5見つかったので、とにかく適当に入室した�(
名前 【セリフ】�(
自分勝手【お前は何者?】�(
名無し【えっと、賢いって言われました】�(
優柔不断【なら、名前に『賢い』ってお願いします】�(
ハンドルネームで個性を判別するルールか。�(
私は納得しつつ、名前を入力する。�(
賢い【わかりました】�(
陽気【ああ、君は誉められていた人か】�(
優柔不断【『賢い人』も加わりましたし、そろそろ本格的に決めませんか】�(
自分勝手【決める? sacrifisdをわざわざ決めるのかい? 誰が立候補する? 精々、『優しいヤツ』くらいだろ。『賢いオマエ』なら解るよな?】�(
優柔不断【すいませn】�(
全員が全員、タイピングに長けているようではないらしい。�(
賢い【まぁ、『自分勝手さん』はそう思うのが当然です。5人しかいませんが、他の人は別の部屋ですか? 大人数だと意見がまとまらないのは分かりますが、定期的に入れ換えるべきかと】�(
陽気【確かに。向こうに伝えておくよ】�(
優柔不断【えっと、もう一人、まだ名前を決めていない方は……】�(
自分勝手【こんな時まで人を避けるんだ、趣味の悪いヤツか性格の悪いヤツだろ。無視だ】�(
24人の、性格が異なる人間を集まれば、こんな理解不能人間が一人いても、何ら不思議ではない。�(
自分勝手【それにしてもよぉ、本当にあの宇宙人がいっていることは正しいのか? 何かのドッキリじゃないのか? 俺の国はそう言うのキッツイから有りうるぞ】�(
賢い【違いますよ、明らかに常軌を逸している】�(
陽気【人間がどうこうできるものじゃないよね】�(
優柔不断【そうですね……それにしても、どうしましょう。人類が終わっちゃったのか……】�(
賢い【もしかしたら、私たちは催眠にかかっているのかもしれませんね】�(
陽気【催眠に? どういうこと?】�(
賢い【異常事態にたいして、あまりに冷静すぎると思いませんか? 】�(
陽気【確かに。しかも今ここチャットサイトにいる人数、23人だって。選ばれたほとんどがやって来てる。【賢い人】だったり好奇心旺盛な人ばかりじゃないはずだ。ほとんどみんなが冷静に行動できるかな?】�(
名無し【他の部屋の【インテリ風つうかオタクなヤツ】が同じこといってたよ。【疑心暗鬼なヤツ】は頭パンク中サ(笑)】�(
自分勝手【オマエ名前くらいつけろよ、陰気ヤロウ】�(
名無し【下品なヤツだ】�(
自分勝手【何だとゴラァ!! ぶっ殺すぞ!!】�(
賢い【止めなよ、とにかく、おかしなことで一杯なんだ。決めるっていうのは満場一致なのかとか、決めたあとのこととか】�(
陽気【じゃあさ、皆は【完璧な人間】の最後のスパイスが、どんなだったらいいと思う?】�(