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2話

「なに……TVが勝手に……」�(


「いまこの私の宣告をお聞きの24名の少年少女諸君、驚かせてすまないね」�(


 高らかな声は、休むことなく続く�(


「私は、この地球を侵略し終えた宇宙人だ�(


 はぁ? と咄嗟に口が開く。�(


「驚かせてすまないね。しかし、事実的に、君たちの周囲の人間は個性を失い、まるでなんの意味があるのか不明瞭な、泥人形になっているだろう�(


それが、私がこの星を侵略したと言う証明だ」�(


その男が言うことは、何一つ間違っていないと言う事実と、他にもこのような状況が23パターンあるという推測の可能性を持っていた。�(


「もう、君たちにこの星で生きる意味はないと言えるだろう。ああ、当然だが、もう愛する地球人が復活し、もとの姿に戻ると言う希望的観測は捨てたまえ。それだけは、なにがあってもあり得ない�(


おっと、24名の内、『優しき者』が激昂し、TVを叩き壊しかねないな。�(


そして24名の内、『疑心暗鬼な者』は他一倍に妄想的暴走的憶測に走っているが、ひとまず落ち着くのだ」�(


「それぞれに……個性がある?」�(


「おおっ!! 感動だ。23名のみんな、聞いただろうか? 『賢い者』が早速、その本領を発揮したぞ。その通りだ。私がこの24名を選んだ理由はただひとつ。それぞれが『個性』をもっていること……つまり『個性的人間』の点なのだよ。�(


うむうむ、周囲の人間の状況とそれに対する私の形容から導いたのだな? 君を選んで正解のようだ。ハッハッ」�(


数秒ほど、愉快な声が部屋を響かせる。食卓から父はすでに抜けていて、母も掃除をしていた。もちろん、二人はこの声に気づかない。しかし私は驚くほどに冷静で、発狂も、それどころか取り乱したりもしなかった。�(


「さて、その『個性的人間』に、私が望むことーーそれは『完璧な人間』の製作の一助だよ」�(


「完璧な……人間?」�(


「「はぁ……」「意味わかんないこと言ってんじゃねーよ」「完璧な人間?」「……」多種多様な言語で、各々が各々にいろいろな感受をもたらしたと思う。そこで、私が計画する『完璧な人間』を説明しよう�(


私がこの星に現れたとき、人間というものの脆弱さに呆れ返った。寿命も、知能も、体力も、地球のなかではそこそこであれ、私の知識のなかでは最下を決めるほどだ。元々、この地球は高次元生命体の組織からも、魅力を感じられないと言わせたほどなのだ。�(


そこで私は、この地球に転がる70億を合成し、高次元生命体のお目にかかる程度には能力を底上げしようとしたのである。�(


その結果、9割以上の人類を拐い必要な部分や不必要を見極め、あと一歩まで完成し、君たちが残った。�(


あと一人……あと一人で『完璧な人間』が完成する」�(


「だから君たちが話し合い、最後の一人を決めて欲しい」�(





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