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1話

おめでとうございます! 


芯に祝う気持ちがあるならば真摯にこういう作品を書き上げるべきかと思いますが、謝罪しかできません。申し訳ない

しかしめでたいですので、おめでとうの気持ちはもちろんあります!

Message body


静かな朝だとは思った。


朝御飯が並ぶ早朝。いつもはエネルギー活発な母が鼻唄でも奏でながら私のお弁当の支度をし、寡黙な父が新聞紙でも読んでいるはずだ。今日もそうなのだろう、と寝ぼけ眼で意識半分な私は朝食をとっていたのだが、しかし半熟目玉焼きがドロリと零れ、パジャマに掛かってはっ、と我に帰った私はどうもおかしい朝だと気づいた。


 というのも、いつも私を囲む父と母が、まるで個性をなくしたマリオネットのように精気を失っているのだ。いや、精気を失うどころではない。真っ黒な影を

見ているようだ。鳥が羽を持つのと同じで、人間にもひとつはある個性と言うものを、この二人には存在せず、そのせいか、内面どころか外観ひとつ読み取れない、意味悲鳴、正体不在の姿をまとっていた。




「お、お父さん?」

日常から外れた姿に反応し、私は父と思わしき存在に自分の父かを問い正す。しかしーーー


「律子、今日も学校へいくの早いのね、うふふ、頑張ってね」


「え、えっ……、あの……お母さん?」


これはいつも、私が朝食を食べ終わる頃に母から口にされる言葉だ。まだ朝食は半分ほど残っているのに、この台詞が生まれるのは、少し不自然だ。そしてお父さんは私の問いに対し、微動だにしない。


「あの、お父さん、お母さん? 何か今日、可笑しくない?」


「いってらっしゃい、律子」


「いってらっしゃい」


「えっ、あれ……」


母が言い、父が続ける。


まだパジャマを着て、朝食すら済ませていない私に対して確かに「いってらっしゃい」と言った。


さらに、母はまだ片付いていない朝食の皿を取り上げ、皿洗いを始めた。父も呆然とする私に目もくれず、仕事の支度を始める。


「な、何、なんなのいったい……」


「個性がなくなったんだぜ、ユニーク☆ピィープル」


突然、TVから透き通るような男性の声が発生した。


ここから、私の獄中にいるような戦いが始まった

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