一人目 近森守男の場合
なんだか色々な突っ込みはとりあえずおいておきましょう ねっ!ねーーーーーーー!
いや、グロじゃないです、すかちょろぉむぁにあーーな感じでもないので、ご安心を。
かといって剣も魔法も出てきません、挙句わたくしの周りでは絶滅危惧種に認定されている『女性』はほとんど出てきませんので、どうぞ不安を抱えてください。
まず登場するのは4人のおっさん。
そろいもそろって不治の病『モテない』を相当こじらせた4人である。現在は3人が最高級居酒屋ワタミにて数杯目のビールや熱燗など思い思いのアルコールを胃に流し込みながら、とろけるチーズの様にテーブルに突っ伏している。吸いさしのタバコが灰皿でもくもく煙をあげているのにも関わらず、新たに火をつけるくらいには酔っているが、かろうじで上半身を地面に対して60度くらいに保っていられるくらいの酩酊っぷりである。
とりあえず、酩酊しているおっさんをいつまでも描写していても建設的ではないので、それぞれ紹介していきたいと思う。
4人とも一癖も二癖もある人間なので、冗長ぎみではあるがそれぞれの過去のエピソードを含めて紹介していきたい。
近森守男の紹介
わたくしともっとも古くからの付き合いである。あだ名はデカ森、もしくはモリワキ。
ただし本人はモリワキというあだ名を嫌っている。何故かと言うとその由来にある。
近森守男
↓
ちかもりもりお
↓
もりもり
↓
夢がMORIMORI
↓
森脇健二
という30代後半しか、もはや記憶にないSMAPが登場する番組が由来なのである。名付け親の俺としては非常に難解なアナグラムであると気に入っていたのだが、当の本人は森脇健二が嫌いなようで未だにモリワキ!と呼ぶとぶん殴られる。
モリワキとの付き合いは遡ると小学生時分に通った塾での思い出に行き着く。
モリワキは小さい頃から非常にでかく、30を過ぎた今では身長190、体重0.13tという巨漢である。デブよりも、でかいと言う言葉がよく似合う。運動神経は抜群でデカいので運動部からの誘いをよく受けていたが、走るのが嫌いという理由で運動部に所属していたことはなかった。
で、話を戻して塾での出来事である。
我々が通っていた塾は、近所でも有名な進学塾で元旦ともなれば、合格するぞーーと鉢巻をして掛け声をあげちゃうような塾だった。どれだけスパルタかというと俺が、塾通いが嫌になって塾通い回避方法としてない知恵を振り絞った結果、授業中に嘔吐した際、そこにいたK先生、通称『大魔神』が一言
吐こうと思うから吐くんだ!吐かないと思え
もはや根性論を超えて軟禁に近い状態で毎日授業という名の刑罰を受けていた。ちなみにこの糞大魔神(何か挟まりましたが気になさらず)聞くとボクシングの大学チャンピオンでもって、オリンピック候補というつわもので、漢字の書き取りテスト中、暇をもてあますと教卓の後ろでシャドーボクシングをするという非常にありがたいプレッシャーのかけ方をする方でした。
もちろん、一定の点数に満たないと、左のほっぺたに(本人曰く)軽めのフックという素敵なプレゼントを賜ることは言うまでもありません。
そんな大魔神の授業中。モリワキが隣の席でうつらうつらし始めた。もちろん常時怒り顔の大魔神、つかつかとモリワキの両のもみ上げをむんずと掴み、そのまま....持ち上げた。ネックハンギングツリーというプロレス技があるが、これはもみあげハンギングツリーである。
大魔神の「目が覚めたか?」と言う質問に
ハイ×100の返事で返答をして何とか着陸したモリワキ、いつもの光景ではあるがその日はそれでは終わらなかった。
目が覚めたが退屈なのか、盛大に鼻くそをほじり始めたモリワキ。彼の辞書には反省と言う文字は無さそうだな、と思いながら横目で見ていると、先ほどの「うつらうつら」と「鼻くそほじり」二つのスキルを同時に発動しはじめた。さすがにこれ以上大魔神の逆鱗に触れるとこちらにも被害が及ぶ。
揺り動かして何とか起こそうと試みる。
ぉぃ!
ぉぃ!ぉぃっ!!
おい!!
半ばあきらめて、前を見ると黒板に書き込んでいる大魔神の背中が明らかに怒っている。うわっちゃーーーえらいこっちゃーーー。
と突然、モリワキ覚醒。
ゴブッ!
という、不思議な悲鳴と共に第二間接まで指を鼻にねじ込む。そして、流血。すると今度はくしゃみがしたいのか、大口を開け始めた。
大魔神がちーーーかーーーもーーーりーーーと振り返ると同時にモリワキ
ばっくじょょーーー!!
と小学生にもかかわらずおっさんの様なくしゃみを噴射。振り返った大魔神の顔面に赤い鼻水直撃。
今風に言えば『ぱっじぇろ!ぱっじぇろ!』状態。ど真ん中にヒット。それを見てモリワキ
ストロベリージャム!!と言いながら、大爆笑
その後の惨劇は皆さんの想像にお任せします。
近森の場合 残念ながら続きます。