Q&Aで深掘り!人類進化の夜明けを告げる初期ヒト科たち
Q1: 人類進化の初期段階、約700万年〜440万年前の重要なヒト科の候補にはどのような種がいますか?
A1: この時期の主要なヒト科の候補として、以下の3種が挙げられます。いずれも二足歩行の可能性を示唆する特徴を持っていました。
* サヘラントロプス・チャデンシス(約700万年〜600万年前)
* オロリン・トゥゲネンシス(約600万年前)
* アルディピテクス属(約580万年〜440万年前)
Q2: サヘラントロプス・チャデンシスとはどのようなヒト科ですか?特に二足歩行の根拠は何ですか?
A2:
* 年代と発見地: 約700万年〜600万年前。アフリカ中部のチャド共和国で発見されました。
* 主な化石: 「トゥーマイ」と命名された頭蓋骨が有名です。
* 二足歩行の根拠: 頭蓋骨の底部にある脊髄が通る穴(大後頭孔)が、類人猿よりも頭蓋骨の底面の中央寄りに位置している点です。これは、体が直立し、二足歩行をしていた可能性を強く示唆しています。
* その他の特徴: ヒトに近い小さな犬歯を持っていたことも特徴です。
* 意義: 東アフリカ以外からの発見であり、初期人類が広範囲に分布していた可能性を示しました。
Q3: オロリン・トゥゲネンシスとはどのようなヒト科ですか?二足歩行の最も有力な根拠は何ですか?
A3:
* 年代と発見地: 約600万年前。アフリカ東部のケニアで発見されました。
* 主な化石: 特に大腿骨(太ももの骨)の断片が重要です。
* 二足歩行の根拠: 大腿骨の形状が、二足歩行をする動物に特徴的な荷重ストレスを受けていたことを示唆しています。これは、効率的な二足歩行を行っていた可能性が高い証拠とされています。
* その他の特徴: 木登りも可能であったことを示唆する上腕骨の形態も持つため、森と開けた場所の両方を利用していたと考えられます。
Q4: アルディピテクス属とはどのようなヒト科ですか?特に「アルディ」と呼ばれる種は何が画期的でしたか?
A4: アルディピテクス属には、約580万〜520万年前のアルディピテクス・カダッバと、約440万年前のアルディピテクス・ラミドゥスの2種がいます。
* 年代と発見地: 約580万年〜440万年前。アフリカ東部のエチオピアで発見されました。
* 主な化石: 特にアルディピテクス・ラミドゥスでは、「アルディ」と命名されたほぼ全身の骨格が発見されました。
* 二足歩行の根拠:
* アルディピテクス・カダッバ: 足の指の骨の形態が、地面を蹴り出す二足歩行に適応していた可能性を示唆します。
* アルディピテクス・ラミドゥス(アルディ): 骨盤と足の骨は二足歩行に適していた一方で、手足の指が長く、親指が横に開くなど、木登りにも非常に適していたことを示しています。これは、森の中で生活しながら、地上でも二足歩行をしていたという「選択的二足歩行」の可能性を示唆します。
* 意義: アルディの発見は、初期のヒト科が必ずしもサバンナに出たことで二足歩行を始めたわけではなく、森林環境の中で二足歩行が始まった可能性を示した点で、非常に画期的でした。