ネックレス
6階層でも、支障無く緑鬼を屠り、手に入れた魔石は、5階層のものより、一回り大きかった。中央が大きく、両サイドに向けてだんだん小さくなるように、少し多めに集め、
「そろそろ揃ったかな?なんとなく魔物じゃ無い気配がした気がするの、それ程危険とは思わないんだけど・・・。」
舞愛は引揚ようと誘うが、
「剣がね、やっと馴染んで来たって言うか、なんか調子良いの!もう少し練習したいわ!」
結花は次の群れを視野に入れていた。美奈と澪もその気らしい。舞愛も戦力の差も、体力もまだまだ充分と判断し、
「じゃあ、あの群れで最後にしようね、ゆとりを持って引揚げましょう。」
3人は自己評価通り、剣の速度、狙い等、格段に上達して、危なげ無く12体を倒した。舞愛は、ツノと魔石を取って、死骸の処理に徹し、
「もう上がろうね!」
「そうね、我儘聞いてくれてありがとね!」
今度は素直に同意、昇りのスロープに向かう。
「気をつけて!強い魔力を感じる!」
舞愛の声に、今までペットモードで気配を消していたバニラとチョコが、ポニー位になって戦闘モード、並みの魔物なら、気配を、察知して近寄らないが、
「帰り道塞がれてるわ、少し迂回して様子見ましょ!」
気になる魔力の源を避け大きな岩の陰を選んだ。
「えっ?アレ多分10階層よりも深層に居るヤツね、どうしてこんな所に?」
原因追求よりも、3人を守りながらどう戦うかシュミレーション。洞穴の様な所があれば、そこに避難し、結界で隠して、バニラとチョコとで自由に戦えば問題無い。辺りを見渡すと、それらしい凹みを発見、近寄ろうとしたが、そこから、更に強力な魔力を発する巨大な緑鬼が現れた。更に深層のヤツだろう。
「不味い!気付かれた!チョコは後ろ、バニラはコッチ!皆んなは大盾を出して三角になって結界を!」
念の為、防御のシュミレーションはしていたので素早く体勢を整えた。舞愛は結界に魔力補強して下層のヤツに立ち向かう。
雑魚がウヨウヨ迫ってくる、魔力刃を飛ばしまくり、近づく前に屍にする。下層のデカいヤツと一緒にいるので雑魚っぽいが、今まで6階層で倒してきたヤツ等よりも格段に強い。速度もあるので撃ち漏らしたヤツを剣で始末する。地面が屍で覆われると、デカいヤツがノシノシと迫る、魔力刃は小蠅を払う感じで、効果なし。バズーカを5パーで放つと、ガクリと膝を着いた。もう一発でダウンしたが、皮膚に薄っすら黒焦げ程度、至近距離から頭を狙ってなんとか吹き飛ばした。
「よし、これで安心?」
と思うかどうかのタイミングで洞穴から更にデカいのが這って出て来た。様子を把握する前に距離を詰め至近距離で顔面を捕らえた。今度は一発KO、また新手が来るかも知れないので洞穴をチェック、
「魔法陣で呼び出しているのか?」
バズーカで地面を抉って魔法陣も崩そうと思ったが、結界で弾かれる。術式を読み解けば解除も出来るが、そんな暇はない、
「コレでどうだ!」
舞愛が振るったのは、獅子の牙。今まさに現れた巨大緑鬼を結界ごと斬り裂いた。魔法陣を魔力弾で抉って消して、独特の魔力を感じなくなったので、やっとひと安心。
先に見つけた10階層位のヤツ等は、結界に隠れた3人に気付いたが、バニラとチョコの牙には敵わなかった。舞愛も加わり、従来の6階層より強そうなヤツ等を一掃、2時間程のバトルがようやく終結した。
魔法陣の洞穴を結界で安全地帯にしてひと休み。
「折角だから、ツノと魔石回収しましょ!」
青褪めたままの3人を残して、死骸処理、ポーチが使えるから良かったがツノだけでもかなりの量になった。魔石は大きな物も沢山取れ、かなりの割合で淡い紫でかなりゴージャスなネックレスになりそうだ。ただ残念なのは、バズーカでも一発で沈まなかったデカいヤツ以降の大きな魔石はそれぞれ別系統の色でネックレスのパーツには使えそうにない。
死骸処理も済んで、地上を目指す。まだ怯えた様子の三姉妹だったが、5階層に昇って直ぐに、一体片付けると、自信を取り戻し、剣の上達を喜んでいた時の表情に戻っていた。
予定よりも時間が掛かってしまい、地上に出た時には既に陽が沈んでいた。
結界を工夫して張って、魔法陣の犯人に襲われる準備。一番外に中が見えなくなる様に視覚偽装を張り、次に極々弱い侵入禁止。その中にテントを3張、両サイドは入ったら出られなくして、真ん中は強力な侵入禁止と視覚偽装、全て整った所で一番外を解除、見かけはテントが2張、強力な緑鬼を呼び寄せる魔法陣を描ける程の魔力があれば、結界は苦も無く通過、舞愛達は見えないテントで、侵入者はからのテントに入って朝まで拘束と計画。準備万端で、
「念の為、交代で見張りしましょ、先に仮眠させて貰うわね。」
交代時間を説明して、舞愛は寝袋に入った。三姉妹は1時間ずつ仮眠出来る筈だが、緊張で目が冴え、舞愛と交代する迄の3時間、3人で起きていた。




