表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/122

南の港町へ

 ひと通り試験が終わり、寮に帰って3人は追試に向けて、算数の猛特訓。自己採点で赤点スレスレ、文章問題で惜しい解答がいくつかあったので、途中点で何点か貰えれたらクリア間違いない。追試だけなら夏休みに影響しないので、最悪でもそこで食い止める作戦だ。


 翌日、答案が戻って来る。1時間目・国語、3人とも80台で余裕の笑顔。2時間目・社会、同じく落ち着いた笑み。3時間目・算数、恐る恐る受け取ったが、予想以上で赤点は余裕で回避、この日1番の笑顔が咲いた。文章問題の途中点が思ったより甘めだった様だ。4時間目は実技の発表。試験が終わった時点でほぼほぼ解ってはいるが、正式に告げられる。魔法で6人、剣術で13人が追試の宣告を受け、舞愛とルームメイト達は無事、夏休みを迎える事が出来た。


 更に翌日は終業式。舞愛は離れに帰って旅支度。手慣れた事だが、昴の時と比べ、着替えが増えたので、多少手間が増えた。量も増えてはいるが、ポーチに収納するので、そこは気にならない。夜はひとみと過ごし、やはり一方通行で、欲求が解消されることなく朝を迎えた。


 夏休み初日。魔動車で寮に迎えに行く。舞愛はプレアデスメンバー全員で行くものと思っていたが、同行するのはバニラとチョコだけ。

「お姉ちゃん、これプレゼント。絶対に独りの時に開けてね!」

美貴のプレゼントを受取り、少し寂しいが、夜の攻守交代が無いので、個室なら自分で楽しもうと、そちらを楽しみにする事に方針転換。


 街道は更に整備が進み、快適なドライブ。一泊二日で王都に到着、テント泊だったので、夜のお楽しみはお預けだった。

 王都の宿は大部屋しか取れず、またまたお預け、その次も、そのまま次も大部屋だった。


 翌日、この旅初めてのチャンス。受付でそれぞれの個室が取れそうだった。手続きしていると、嫌な視線が纏わりつく。聴力をブーストしてヒソヒソ話を盗聴、夜這いの為に何号室かチェックしているらしい。

「やっぱり、一緒の部屋にしようか?夜中までお喋りするのも楽しいでしょ、明日は早起きしなくても良いし!」

「舞愛が良いなら、大歓迎よ!なんか、個室にしたがってた気がするから。」

「では、こちらで。」

301号の鍵を受取り階段を昇った。


 部屋は、シングルベッドが4台、やっと歩ける程度の間隔でぎっしり詰め込んだ感じで泊まるだけのスペース。

「こんな部屋で良かったの?美奈は気にならないけど。」

「実はさ、ロビーに冒険者風の男が7、8人居たでしょ?良からぬ事を企てていたので、一緒の部屋が安全だと思って。」

舞愛はそう説明しつつ、ポーチから水晶珠を出して、部屋の壁際とドアの所にセット、窓には呪符を貼り、ネックレスを外して、呪文を唱えた。

「今夜は、浄化魔法で済ませてね!浴場も安全じゃなさそうだから。」

「了解!なんか、冒険みたいでワクワクするわね。」

呑気にはしゃぐ美奈達を咎めることも無く、結界の強度を確かめた。

「ねぇ、水晶の配置って何か意味があるんでしょ?」

澪は興味津々。

「ええ、このスペースはね、侵入者が溜まる所よ。」

「えっ?部屋に入れなくするんじゃないの?」

「ドアでシャットアウトするのは簡単なんだけど、ああいう奴等はそうすると外で襲って来るの、ま、明日の朝を楽しみにしていてね!」


 早目に明かりを消してお喋り。寮でもずっと一緒だし、旅の間も毎晩お喋りしているので、特に新鮮ではなく、疲労には勝てずあっという間に爆睡だった。


 朝、立ったまま眠りしかも悪夢にうなされる男達の呻き声で舞愛たちは目を覚ました。

「中に入れてから拘束するとね、逃がさないし、すでに不法侵入だから、ギルドか騎士隊に突き出すのに都合が良いでしょ?自白魔法の対象になるしね!」

「なるほど!でも、どうしてこんなに辛そうなの?」

「そうね、確かに辛そうね!夢を、見てるんだけどね、キツい拷問の挙げ句に死んでしまう夢を繰り返してるの。多分、3回目に死んだ頃じゃないかな?コレに着替えてくれる?」

 舞愛は、喪服の様な黒いワンピースを配り、死神が持つ様な大きな鎌も渡した。勿論自分も黒尽くめになって、結界を一部緩めた。後ろ手に縛って正座した状態で意識を戻す。悪夢だったとホッとした瞬間、目の前には夢の中で残虐な拷問を繰り返していた死神が立っていて、何度も首を刎ねられた大鎌を見ると全員また意識を無くしていた。

 再び、目を覚ました男達に更に魔法(ごうもん)を味わうかどうかを尋ねると、競う様に余罪を吐いた。

「「「え?たったの5年?」」」

集団強姦の常習犯の刑期を聞いた3人は、盛大に不満を漏らした。

「舞愛もそう思うの、塀の外に戻っても、同じ罪を犯さない様にね・・・」

と言いながら、股間を瞬間冷凍。自然解凍すると、排尿のみは使用可能になる。これで被害者達が救われる事は無いが、ほんの少しでも溜飲を下げる事になればと願った。

「あ、コレ貰っておきましよう!」

ボスらしい男が鑑定偽装のスキルを持っていた。Eランクに見えていたが、スキルを切り取るとCランク。行き掛けの駄賃としては、なかなかのモノ、少し良い気分で宿の主に騎士隊への通報を頼み、朝食に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ