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治安維持

 ツケの支払いに付き合ったり、両替のお礼と言って如何にも高級そうなお菓子を貰ったりしながら、何故か質問攻め、部屋に戻れずに夕食の時間、今度は寮の食堂で食べられる。

 同室の3人が来たので、やっと解放された。食事が始まると、どの娘もステキな所作で、もっと頬張りたい欲求を抑えつつ、ナイフとフォークの扱いを注視した。一応それなりに済ませ、部屋に帰って一息ついた。

 大浴場に誘われたが、浄化魔法で済ませると断り、プレアデスメンバーに念話を送った。

『どうしたの舞愛、もうホームシック?』

『あぁ、真里!実はね・・・』

大金貨しか持って無くて、ランチの支払いに困った話をして、

『女子校生は金持ちってイメージ浸透したら、危険だと思うんだ、何か良い手はないかなぁ。』

『舞愛、私よ、ひとみ。いい考えが有るから任せない。少し準備が要るので、今週末迄は外出控えなさい。』

『うん、ありがとう。僕は何か手伝う?』

『いえ、5人で済ませるわ!』

『あ、ボク、圭織。ひとみがズルい顔しているから、凄い良い案思い付いた筈だ、期待してくれ。』

『わたし、裕子よ、ご飯ちゃんと食べてる?』

『うん、大丈夫、まだ初日だし!』

『お姉ちゃん、美貴だよ!お部屋は個室?』

『4人部屋だよ。』

『そう、じゃあ、○ナニーは余り大きな声で楽しんじゃ駄目だよ。』

『いや、しないから!』

防犯対策は取り敢えず依頼出来て、お喋りを楽しんでいたが、段々盛り上ると、5人一度に送話したりで、舞愛の頭の中は混乱してしまった。

『じゃあ、明日からは消灯時間に交代で繋がるわ、ローテーションで裕子からスタートしましょう。』

ひとみが仕切ってまた新しいルールがスタートした。


 舞愛の勉強が始まった頃、ランチタイムの街ではあちこちで女子校生が出没。会計の時、1人が大金貨で払おうとし、もう1人が、

「小銭じゃなきゃダメじゃない!」

と小金貨で払う、通常『小銭』は銅貨を指す。

 金銭感覚のブッ飛んだお嬢様を演じ、襲って来る輩を返り討ち。

 夕暮れ時、女性が避けるべき人通りの少ない道でも、制服姿の女子校生が襲われて、やっぱり返り討ち。

 日に数件も罠に掛かると

「女子校生には恐ろしく腕の立つ奴が居る!」

と、街中に浸透した。


 金曜の消灯後、

『街の安全はもう大丈夫だと思うわ』

ひとみは、なりすまし・返り討ち作戦を報告、

『へぇー、明日は帰るから、制服姿見せてよね。』

『考えておくわ。』

 土日のランチは外食が殆どの筈なので、一安心。財布の中も普段は金貨は入れず、大銀貨も2、3程度にするよう寮母から指導しているので、更に安心して城の離れに帰省?出来る?


 土曜の朝、朝食後に寮を出る。入学式の時は馬車で送られたが、実はすぐ近く。乗り合い馬車なら停留所2つなので徒歩で帰れる。


 裏門から入って離れ。寮から10分程度で到着、中に入ると、まだ皆んなパジャマだった。

「起きたばかり?」

「ううん、舞愛がすぐベッドがいいって言うかと思って!」

美貴の様なセリフは裕子。ちょっと意外。

「週末楽しみ過ぎたら平日辛く成りそうだから、夜だけにしておくよ!それよりさ、制服姿見せてよ!」

「あれば任務の時だけなんだ、あきらめて欲しい。」

圭織はそう言い視線を逸らす。

「今日も任務なら着るんだけどな。」

独り言を呟いた。

「今日は実際に、ランチに出る娘が大勢いるからさ、返り討ち作戦今日もやろうよ!ね、圭織!」

「そうだね、その話乗ってみようか。皆んなも行くだろう?では、早速。」

圭織が着替えに部屋に戻るとひとみは、

「彼女、普段可愛い服着ないでしょ?結構気に入ってるみたいなの、治安維持の為って事でこれからもランダムで続けるわ。」

と、それぞれ部屋に戻っていった。


 着替えて出てくると、皆んなとても似合っていて、そのまま登校しても全く違和感は無い。最後にオーバーヒールしてからそんなに経っていないので、年齢的にも問題ない。

 ひとみは繁華化の地図を広げ、

「この辺りね、行ってないの。」

「ソコならハンバーガーね!」

「あ、出発前にお姉ちゃんもコレ!」

美貴が、渡したのは、視覚偽装のアイテムで首に掛けておくと、微妙に誰か解らなくなる。誰か解らなければ、どの娘が、危ないのか解らないので、誰にも手出し出来ない。

「特に変わって見えないけど?」

「魔力同期していると、お互いはフツーに見えるんだよ!」

確かめられないのは不安だか美貴の魔具なので心配は要らないだろうと、目的地に向った。


 道中、ナンパが絶えない。無視し続けて進むと、

「あと2人呼んで6対6にするからさぁ!」

ひとみの肩に手を回すと、電撃が走った。

「てめぇ、下手に出てりゃ調子に乗りやがって!」

揃って短剣を抜いた。少しは魔法の心得がある様で、短剣に炎の魔力を纏わせている。

「おや?魔力不足のようだね、手伝おう!」

圭織は1人の剣を炎で包み魔力を上げていくと、トロリと溶けてしまった。

「火遊びはいけませんよ!」

裕子は剣を凍らせ、肘辺りまで凍りついている。

「そんなの振り上げたら、危険ですわ、雷が落ちますよ!」

ひとみの雷土魔法が剣を捕らえ、感電して失神。

「最近やっと結界意外の魔法を覚えたの!見て!」

真里は楽しそうに、構えた剣に重力操作、ドンドン重くなっていく、耐えきれずに落としてしまった。足の甲を直撃、柄から落ちたので骨折だろうが、刃の方だったら貫通していただろう。

「ねぇオジサン、あと2人呼ぶんでしょ?出遅れちゃって、美・・・ミーの相手が居ないの!」

美貴のお強請りは叶わず、火傷と凍傷が失神を担いで、骨折は足を引きずって逃げて行った。

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