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模擬戦

 ギルドを出ると、

「今度は、舞愛が選んでね!」

真里の微笑に裏を感じたが、

「じゃあ、ソコで良い?」

「ええ。」

冒険者ギルドとセットである様な、居酒屋兼食堂的な店をチョイス、大体いつもパターン。早速入ると、まだ少し早いせいか、かなり空きが有った、

「6人でお願いします。」

8人掛けの席が一つ開いていたので、舞愛は予測して歩き始めた、が。

「申し訳ございません。只今、個室に空きが有りません、宴会なので、しばらく掛かると思います。」

「えっ?ソコは?」

「えっ?ソコですか?」

他の8人掛けも、4、5人で使っているので、6人なら問題無いだろう。

「ダメですか?」

「あ、いえ、それではどうぞ。」

気乗りのしない態度の店員だったが、慣れて居ない人かもと、気にしない事にして席に着いた。定番メニューをオーダー、ビールで乾杯した。

 ひと口グビリと、飲んだ舞愛は、

「そうだ、この身体になって初めてのアルコールだ、体重が半分位になったから、同じ量を飲んだら2倍摂取した事になるな。」

独り言を呟いて、以前の昴の様に舐めるように飲んでみた。最近、ジョッキ一杯なら美味しく感じられる様になったばかりなので、ちょっと残念。

「お嬢ちゃん、それじゃあ、ジョッキの意味無いでしょ?そのおテテじゃ重いのかな?オジサンが手伝おうか?」

 酔っ払いが絡んできた。何となく視線は感じていたが、このオジサンがファーストペンギンになり、酔っ払いに取り囲まれてしまった。

 ベタベタ触られるのは気持ちが悪く、身を捩って避けたが、

「色っぺぇなぁ、一晩いくらだ?大銀貨2枚でどうだ?」

「俺は3枚出すぞ!」

「なら俺は5だ!!」

勝手にオークションが始まった。他の皆んなは、結界でガード、適当にあしらっている。取り敢えず接触は避けようと、同じような結界を張ると、纏わりついていたオジサン達がドスンと尻餅、

「このアマ、下手に出てりゃいい気になりやがって!オモテに出やがれ!」

鬼の形相で怒鳴り散らした。

「私闘は不味い、食事が済んだら、ギルドで模擬戦をしよう、貴兄が勝ったら、一晩無料でお相手しよう。ついでにここの支払いは負けた方で持とう。」

「なんだお前等、冒険者だったのか、よし乗った、おう、男前の姉ちゃんも相手してくれるんだよな?」

「ああ、6人全員だ。食べ終わるまで三十分程待ってくれ。」


 まぁ落ち着いて、食事を済ませ、ギルドに移動。裏の格技場で、模擬戦と言われる試合を行う。街中で喧嘩して、周りに迷惑を掛けることが日常茶飯事だったので、争い事をギルド内で収めるよう、圭織の提案で出来たルール。ギルド周辺の治安に大きく貢献している。


「夜勤お疲れ様、お世話になります。」

ギルドの当番職員が、審判を務め、

「では、全ての魔具を外してください。」

酔っ払い達は先を争う様に、魔具を外してボディチェックを受け模擬剣の品定め、

「あのぅ、やっぱ、コレも駄目ですよね?」

舞愛は、ネックレスを摘んで見せると職員は、真っ赤になって、

「いいい、色仕掛けしても駄目ですからね!」

魔力を百分の一にする、ネックレスを3連で掛けて、百万分の一にしていた物を外した。

「皆さんも外して下さい!」

「あぁ、ボク等は参加しません、舞愛が蒔いた種ですから。」

「ふふ、早口言葉みたいね、『マイアガマイタ』なんて!」

裕子のツボに嵌まった様で、派手に笑い、揃って懸賞品席に移動した。

「僕一人?一人3分ペースでも1時間かぁ。」

武器を取りに行ったが、目ぼしい物は既に選ばれてしまい、サバイバルナイフを2本チョイス、早速模擬戦がスタートした。


 最初の相手は、店でも最初に来たオジサン。触られた手が気持ち悪かったので、サクッと斬り落とし、ナイフの柄でアッパーカット。1人目を片付けた。

「なんで、模擬剣で切れるんだ?」

2人目の酔っ払いがサバイバルナイフに不正が無いか、審判に抗議。極々普通の刃を潰した模擬剣だった。納得のいかない酔っ払いに、

「じゃあ、その剣を使いましょうか?」

舞愛は、1人目が落とした剣を指差した。

「ふん、そのままで良い。」

自分でも確かめ一先ず納得。


 模擬戦が再開されると、数人を瞬殺、

「面倒なので、皆さんご一緒に如何です?」

残り十数人を一気に相手にしようとの提案は、流石に酔って判断力が鈍っていても、酔っ払い達を躊躇させた。

「スマン、降参だ。俺達はどうすれば良い?」

「じゃあ、ここの費用と、さっきの店のお支払いをお願い、じゃあ僕達はこれで。」

にっこり笑い、

「そうそう、斬り落とした手足は、切り口に簡易ヒールを掛けてあるから、Cランク以上のヒーラーなら元に戻せますよ、ちゃんと自分のモノを、持ち帰って下さいね。」


 すっかり酔いも覚め、模擬戦開催費の精算。基本料金は小銀貨3枚と、リーズナブルな設定で延長料金も大した事無いが、懸賞を賭けると5パーセントをギルドに納付する。現金ならそのまま、物ならば、ギルド職員が査定、人の場合、奴隷なら小銀貨1枚、平民大銀貨1枚、貴族大銀貨5枚、冒険者がランクで変わり、Fで大銀貨5、Eは小金貨1枚、Dなら小金貨2枚と、ランクが上がると倍になる。規定にはここまでしか書いていないが倍々に増えると、Aランクは大金貨1枚と小金貨6枚。ソレが5人分で大金貨8枚になる。想定外の出費で、当分ギルドでタダ働きする羽目になるだろう。

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