ポンコツ卒業?
食後は、治癒室へ直行。
「あら?昴ちゃん?きっと可愛いと思ってたけど、予想以上かも!でも、珍しいわね、女性に転換した方って、ほとんどがバランスが悪い程の巨乳でセクシーな姿になるのよ、欲望が反映するのかしら?」
「実はですね・・・」
変身の経緯を話すと、美貴達と同じ反応だった。
「快感のルートは私は何もすることないわね。カタチだけじゃなく機能もなんて見たことも聞いたこともないわ!想定外ですけど、折角なので楽しんで下さいね。魔法の方もどんど使って、魔力のルートを安定させて下さい、月一くらいで診せて下さいね。それから、男性にもヒールが出来るか試してみると良いわね。」
「解りました、機会が有れば試してみますね、有難うござ・・・??》」
「大変です、演習帰りの新人騎士が魔物に襲われました、こちらに搬送中です!」
伝令が飛び込んで来た。
「機会が有ったようね。演習なら20人位は覚悟してね!」
里沙は助手に、昴の作業服(?)エプロンドレスを用意させた。
「ちょっと短いかしら?」
他の助手達は大体ふくらはぎ辺りだが、昴は膝が見えていた。
どんどん運び込まれる患者を、片っ端からヒール。魔物の毒を確かめて、浄化しながら回復、止血は傷口に手を翳して魔力を込める。薄っすら光ると、ジワリと傷口が塞がった。よし、男性もOKと心の中でガッツポーズの昴だったが、
「ん?まさか、今度は男性しか治せないって訳じゃないよね?」
念の為、紅一点の女性騎士をヒール、意識はなく、呼吸も脈もいつ止まっても可笑しくない。助からないと判断したようで、最後の方に運ばれて来た。
昴は躊躇う事無く、ショーパンとその中を下ろしてパーフェクトヒール。いつもの様に数十秒で治療完了。女性もOK。
意識を取り戻した女性騎士は、
「援軍を送って下さい!女の子5人の冒険者が助けてくれたんです!まだ市街地への侵入を防いでいるんだと思いますそんなに永くは戦え無いハズです!!」
やや軽傷の騎士は、
「いや、それは大丈夫、もう心配無いよ、あの娘達、滅茶苦茶強くてさ、俺達が20人掛かりで1頭も仕留められなかったのに、一人1頭サクッと倒しちゃったんだ!」
得意そうに報告した。
「すみません、その5人ってブルー系のチェックのミニで白いブラウスでは?」
「ええ、そうですけど?」
「なら大丈夫ですよ、今頃は解体して、素材を吟味してるんじゃないかな?皆さんの傷の具合いとかから判断しますと、Cランク程度が10頭程ですよね?」
騎士達は、昴の言葉では安心できず、狼狽えていたが、
「お姉ちゃん、突き指しちゃった、ヒールお願い!」
ほぼ無傷の5人が帰って来ると歓声が上がった。
強い魔物を倒した時は、どう戦ったかを話したいのが一般的だが、
「良い毛皮が手に入ったの、コートに仕立てましょ、北都の職人さん、防寒着は得意らしいから!」
Fランクの雑魚魔物を狩った時の様だった。
回復した騎士達は、呆気にとられ、ポカン。貧血や、経過観察が必要な人を里沙とホンモノの助手達に任せ、立ち去ろうとすると、
「あの、お姉さん、ちょっと。」
復活した女性騎士が昴に耳打ち。
「治癒師さんなのに、そのスカートだから皆んな逆上せてるんだと思いますよ、あと、しゃがんだ時、多分丸見えだったんじゃないかしら?」
そう言われて見ると、具合いが悪くて項垂れていると思っていた負傷者では無く、スカートを気にして姿勢を悪くしていると見た方が正解のようだった。忠告にお礼を言っていると、
「早く行くわよ!サッサとしないと私が選んじゃうわよ。」
ひとみのチョイスには若干の悪意を感じたので慌てて買い物に出かけた。
先ずは散髪。理容美容の区別は無く、平民の殆どが自分で切ったり、家族やパーティーメンバーで済ませているので大き目の街にしか無い。変身前の昴は裕子に切って貰っていた。どうオーダーして良いのか不安だったが、
「前髪は・・・」
ひとみがサクッとオーダー、長いまま、毛先を揃える程度だった。
切って貰っている間、手分けして試着のいらない物を物色、武具店、魔道具店、洋品店。バタバタと買い漁り冒険でも街でも困らない様に揃えた。
「コレ、どこだったかしら?」
真里は制服風のチェックのプリーツを摘んで首を傾げた。
「ボクもこの辺りだと思うんだが・・・」
皆んなが記憶していた場所は飲食店だったが、入って聞いてみると、最近開業して、その前は洋品店で、廃業したのか移転したのか分からないそうだ。
「じゃあ、アッチだね!」
下見している別の洋品店に向かった。
「コレなら可愛いし、6人分揃うわ!」
選んだのはセーラー服。基本、全員賛成。
「でも、もう少し長い方が良いよ、こんなに短いとバランス悪いんじゃないかな?」
反対するのは昴だけ。
「じゃあね、美貴達、昴の言う丈にするからさ、昴はコレね!それでどう?」
少し悩むフリをした昴。自分は治療が終われば穿くことは無いので、条件としては悪く無い。ブレザータイプなら、うんと短くても然程気にならないが、セーラーの場合、ある程度短くなると途端にエロだけになってしまうので、膝が隠れるのがベスト、膝上5センチがリミット(昴の主観)。
「うん、その案で。」
「じゃあ決まりね!」
美貴は満面の笑みで振り返り、
「お会計の後で試着室お借りしてもいい?着て行きたいの!」
店員がにっこり頷くと、サクサクと支払いを済ませ試着室に並んだ。




