治療のために
爆発の一瞬と変わらない感覚が持続する。激しい鼓動も荒い呼吸も気にしていたのは始めの数十秒くらい、何も考えず本能的に腰を振り、いつの間にか失神していたようだ。
意識を取り戻すと、助手の二人は虚ろな表情で自身を指で攻め、魔力注入の余韻に浸っていた。
「残念ですが、やはり師匠に診て貰って下さい。不都合な所はある程度掴めたので、詳しく纏めます。用意が出来たらお知らせしますので、宿を教えて下さい。」
「王城の離れに泊まってます、門番に言えば、呼び出して貰えます。」
「あっ、城はちょっと・・・」
昴は訳を聞こうかと思ったが、話したくなさそうなので、
「ギルドに届けて下さい、受付嬢に頼んで置きますね。」
「あ、有難うございます。じつは、王城の専属になるよう誘われていて、断ってるのですが、なかなかあきらめてくれなくって。それから、スキルのコピーが出来るんですよね?」
「ええ、コピー人の同意が必要ですが。」
「それなら問題ありませんね、私から【身体加工】をコピーしておいて下さい、役に立つ筈です。」
コピーして実験。自分の爪を伸ばす事は出来なかったが、さゆみの爪では成功、やはり女性限定らしい。
スキルのコツを習って、明日の午前中には届けて貰う約束をして、治癒所を後にした。
今回は治らなかったガッカリと、治療の内容を聞かれる憂鬱が脳の殆どを占め、思い足取りで、離れに戻った。
「その様子じゃ、ダメだったようね?」
ひとみが即喰い付いた。
「うん、でもね北の王弟宮で魔法を診て貰った先生が治せるかもって。」
「じゃあ、早速発とうか?」
「気が早いわね、圭織。夜明け迄待てないの?」
「ふふふ、もう真夜中過ぎなんだから、真里だって五十歩百歩よ。」
「そういう裕子の意見は?因みに、魔動車の魔石はチャージ済みだよ!」
「先ずは、今夜の報告じゃないかしら?」
結局、ひとみの案が通り、治癒所での事を報告する事になった。
言葉を選びながら話そうとするが、どう話しても、お医者さんごっこのフーゾク店で、思いっきりヌイて来たのと変わりは無い。女医さんのオーバーヒールは治療に必要だったとしても、セクシーナース風の助手達にもしたのは、内緒にしておこう。なんて考えながら、話し始めた。
「ふーん、良く解らないから確認ね!」
美貴が仕切って、治癒所を再現した。
「女医さんと、看護師さんが二人?看護師さんは、やっぱナース服よね?」
「うん、フツーにそうだったよ。」
「今、普通って言った?ホントに普通?」
「えっと、スカート短めだったかな?」
「ふーん、どのくらい?」
誤魔化す自信が無くなったので、事実をそのまま話す事にした。
根掘り葉掘り聞かれ、全て正直に説明、後でバレるより良さそうなのでセクシーナースのオーバーヒールも話した。美貴は満足そうに、
「じゃあ、再現するから、お兄ちゃんは廊下で待っててね!」
廊下で待つこと10分弱。
「「お待たせ致しました!」」
扉が開いて現れたのは、看護師風の裕子と真里。治癒所のセクシーナースと同じ衣装だった。
「「診察室へどうぞ。」」
肉塊の圧迫付きも再現して、診察の椅子に案内された。
「失礼します。」
真里が正面に跪くと、ベルトとファスナーを器用に攻略して、トランクスも一緒にスルリと降ろす。
「お掛け下さい。」
だらしないままの昴を手の平で何となく隠して椅子に掛ける。
「背中、倒しますね。」
裕子が背もたれを倒した。
「ねぇ、この椅子、あそこに有ったのとそっくりなんだけど?」
「ああ、ソレはね、以前ボクが作った物だからね!さゆみ先生のリクエストで。」
女医風の衣装の美貴が解説。
「え?美貴は面識有ったの?」
「うん、なんの治療してるか知らなかったけどね。てっきり歯医者さんだと思ってたよ。」
「じゃあ、ナース服って美貴の差し金でしょ?」
「へへへ、バレた?こっちじゃ看護師さん自体が居ないもんね、こっち風なら修道服かな?あれミニにしたら、やっぱお兄ちゃんツボでしょ?」
一先ず、これで解放?じゃ無さそうだ。
「穿いてる意味が無さそうな、ヒモみたいなぱんつって、こんな感じかな?」
やはりナース服の圭織が尋ねる。
「うん、多分。」
「多分って?」
「穿いてるのと、そうやって手で広げてるのとイメージ違うからさ・・・」
「では、穿いてみよう。」
圭織だけでは無く、女医役の美貴を除いて、ヒモ状のモノを穿いた。
「なるべく見ないようにしてたけど、そんな感じだったと思うよ。」
「それじゃあ、治療の再現ね!」
美貴は、無防備な昴を握って、少し気取った口調で
「ヒールしてみましょう。」
ふんわりと、心地良さが広がったが、昴に変化は無い。
「こんな感じ?」
「うん、なんか、僕の説明より完コピかも。」
「ふふふ、実わね!」
少し遡って、治癒師への紹介状を手にした時。
「あ、この先生、美貴、知ってるよ!」
「昴はしばらく、お城から出られ無さそうな感じよね、あたし達で下調べしておこうよ!」
「そうだね、下半身の事だから、オモテに出ない情報とかも有りそうだ、ボクも行くよ。」
「大勢で押し掛けるのも、ご迷惑よね、わたしはお留守番しておくわ。」
「では、私も残るわ。必要な準備とか、私達に出来る事有れば教わって来てね。」
美貴、裕子、圭織が偵察メンバーに決定した。




