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終戦後

 復興の道筋を敷いて羅峰寺へ。

 ここでも同じ様に盗賊を始末、街が破壊されているわけじゃないので、復興と言うより再開発。王国との関になっている渡し船の所に橋を架ける。国境と言っても、川幅は然程無く、鉄道を敷いた時の大橋と比べると、長さで2割程、川は水路として使っていないので、高さも要らない。街道の整備でいくつもの橋を架けてきたので、職人さんはスキルアップしているので、ひと月足らずで開通した。


 橋が架かると、王国から商人と冒険者が流れ込む。毛皮等、北国ならではの物が売れ、開店休業だった宿屋や食堂が活気付くと、徐々に歓楽街にも火が灯った。

 街が賑やかになると、裏路地で客をとる娼婦が現れ、ドンドン数を増した。治安の維持と、病気の蔓延防止に、娼館にスカウト。王国の他の街と同様に高級志向で安心して働く環境を作った。歓楽街のカネの流れを掴み、治安も安定したところで、西都から応援に来ている商業ギルドに任せた。


 経済が回りだし、インフラ整備も順調に進む目処が立つと。昴はその指揮を西の王弟宮の嫡男、王子の従弟に任せた。羅峰寺の城をそのまま流用して本居地とし、地方を3分割して、西部の有力貴族の次男坊を招集、それぞれ爵位が与えられるよう王家に進言、4つの領が王国に加わった。

 復興の費用の多くを負担していた射手家は、自分の領地になると思っていたので、不満を言いたい所だが、獅子ケ谷主導であっても、家臣がクーデター計画に加担していたので、取り潰されなかっただけで儲けもの、ペナルティの一環としてグッと堪えた。


 また旧紫峰義に向かう。

 今度は直接、紫・羅国境だった所を越える。戦で寸断されていた道は復旧、更に拡幅工事が着々と進んでいる。

 ほぼ壊滅状態だった街もなんとか商売を再開する店も現れていた。ひときわ復興が進んでいる地域は、魔物の装具等を作る職人達が集まっている所で、

「おお、冒険者のお兄さん!おかげさまで、この辺が一番繁盛してるぜ!」

 バニラとチョコの首輪を頼んだ時、瓦礫から作業場を掘り出した事で、復興の拠点になったそうだ。戦車を作っていた職人がブルドーザーを作ったり、戦闘に向かない魔物でも土木作業で活躍させる魔具を工夫して、復興に大きく貢献している様だ。

「コレ、今度会ったら渡そうと思ってたんだ!」

 自慢げに登場したのは犬用のハーネス、青に銀の六連星と、赤に金。サイズの変化は勿論、馬のサイズになったら、鞍になって乗ったり、馬車を繋いだり出来る。馬車を引く時は大きくなって、魔動車や列車の時はペットモードになれば、移動の効率が随分良くなるだろう。


 さて、全体としては、こちらも主に大熊家の負担での復興だが、旧羅峰寺での様子を知って、資金を出し渋る様になっていた、

「そんなに紫峰義の土地が欲しいのか?」

北都将軍は、ひとみの筋書き通りに、

「復興に目処がたったら、賠償として奪った農業地帯を大熊領としよう!」

と約束。事実上トップの大奥様は、大喜びで、復興費用と労働力を提供した。

 復興は再び軌道に乗り、北都将軍に後を任せ、プレアデスは現場を離れた。


 1年後、旧紫峰義は3分割、王国の他の伯爵領と同程度の経済力になる様な領を2つと、大熊家と約束した農業地帯。

 2つの領地には北都将軍の次男と三男が新たな伯爵として入り、大熊家は、農業地帯に国替え。辺境伯領は北都将軍の長男の物とした。


 新しい大熊領には、元々そこを管理していた男爵邸と、農家の集落がいくつかあるのみ。爵位は伯爵のままだが、実質男爵に降格。戦力はほぼゼロ、戦闘要員は居ないし、武器は鎌とか鍬程度。例え幾らか戦えたとしても、北都三兄弟の領に囲まれ、それぞれには北の三将がついているので、手も足も出ない。

 不平を漏らしていた西の射手家もそれを知って、スッカリ大人しくなったそうだ。


 北部を発ったプレアデスは、西回りで旧羅峰寺から西部に入り、西都で馬を売って、馬車は携帯ガレージに収めて、列車で牡牛領に帰った。途中、各地でクーデター未遂犯が炙り出されたニュースで持ち切りだった。一般には、獅子ケ谷の工作員が捕まったとしか知らされていないが、立ち寄った騎士団からの正確な情報では、半数位が姿を眩ませてしまったらしい。


 久々に自宅に帰ると、黒塗りの馬車。金の獅子のエンブレム、王家の馬車だった。

「留守中に失礼、お待ちしておりました。」

馬車から降りて来たのは、所謂『パシリ』ではなく、国の重鎮クラスのお爺さん。面識は無いが、確か王様の相談役だったはず。

「この様子ですと、獅子ケ谷の討伐命令ですね?」

「あ、いえ、討伐依頼(・・)ですよ。」

お爺さんはニコリと笑った。

 形式上はギルドに指名依頼。条件や報酬等が書かれた依頼書を渡されたが、昴は表彰状を受け取るような格好で、

「喜んで請けさせていただきます。」

すんなり受け取った。


 封を切って、日程を確認、自宅では一泊のみ、すぐに王都に向かう事になっていた。すぐに列車の予約をしたが、使者のお爺さんは、

「あんな鉄の塊が馬よりも速く走るのが恐ろしくてねぇ。」

帰りも馬車との事。


 特に改めて旅支度は必要ないので、ひと晩だけゆっくり過ごすことにした。

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