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ポンコツの補強

「あ、あれ?眠っていました?」

一晩熟睡した感覚でスッキリ目を覚ました昴が、状況の把握を試みる、

「あ、そうだ、魔法が使えないのを、治して貰っていたんでしたよね?どの位眠ってたんでしょう?」

「ほんの2、3分よ、気分は如何?」

「とても、スッキリです。」

「では、もう一度診せてね。」

手を翳しながら、脈を取る。少しすると、

「思ったよりは良くなっているわ、繰り返すわよ。」

再度魔力注入、爆睡の後目覚めて診察。それを3回繰り返すと、

「もう少しね、今日はもうムリだから、明日も頑張りましょう。」


 翌日、メイクも白衣も(多分その中も)若返った姿に合わせ、服の上からでもしっかり主張する優雅な曲線と、殆ど隠れていた胸元や手脚を出して、満足した様子の元おばあちゃん治癒師の診察。昨日の工程を繰り返すと2回目で、

「うん、もう大丈夫ですね、あとは貴方の特性と経験です。コツとしては、悪い状況をしっかり把握して、良い状況を具体的にイメージする事です。まずは色々試して見ると良いわ。」

口調が優しいおばあちゃんのまま、見かけが、元の世界で観た医療ドラマの失敗しない天才女医の様になってしまい、好きな漫画がアニメ化した時に、声優さんがイメージに合わなかった様な違和感を覚えた。


 早速試しみたくなり、外出の許可を貰って教会へ向かう。シスターに事情を話して、軽症患者にトライ。

 何かの動物に咬まれた女の子を診察。傷は大したことは無さそうだが、

『ん?毒?』

なぜ解ったのか解らないが、魔物の毒を感じ取り、毒の浄化と、咬み傷の修復をイメージ。どの位の魔力を、込めれば良いのか迷いなから手を翳すと、その時点で毒の反応は消え、傷口も跡も残らず消えていた。

 サクサクと数人治し、男の子の番。同じように状況を、把握しようと試みるが、全く解らない。目で見て触って、発熱しているのは解るが、それ以上の情報は得られない。その前に診たその子の妹が、風邪だったので、同じイメージでヒールしてみたが効果は全く無かった。

 その後、また数人。女性は手を翳すだけで治癒するが、男性は全く効果無し。重症患者も女性はあっさりと治癒、大半を占める女性を昴が引受、男の子達をシスター達が担当。いつも絶えない長蛇の列を解消した。


 王弟宮に戻り、若返った元おばあちゃん治癒師に相談。昴の成果が思った程で無かったこと申し訳なさそうに謝罪した。

「ごめんなさい、貴方の特性なんでしょうね、男性はムリなのかも知はれませんね。心当たりは有りませんが、書庫を調べておきます、朗報はあまり期待せずにお待ち下さいね。」

 勿論、男性の治癒も魅力があるが、プレアデスでの行動を考えると、メンバーを治療するには問題無いので、大幅な戦力アップ。改めてお礼を告げて、与えられている客間に戻った。


 いよいよ最北の地へ向かう。街道の整備は確認済みなので、魔動車に乗る。先頭に騎馬隊、馬車、魔動車、馬車で、王姉のお出掛けとしてはノーマルなレベルの警護。盗賊っぽい怪しい連中も、面倒なナンパも無く、順調に北進し、予定の街の予定の宿に到着した。普通の行程の半分程度の距離。ゆっくりスタート、早目のゴール。しかも市街地を通過する時には、パレードのように徐行する。プレアデスだけなら、ここでランチかな?って程度だが仕方が無い。危なげの無い行程で2泊3日、無事、辺境伯領に到着した。夕方には屋敷に着きそうな距離だが、暗くなってからの来訪は、夜襲を連想させる為縁起が悪いとの事でもう一泊。


 これまで同様、万全の警備の宿に、更にプレアデスが護って夜を過ごす。明日はいよいよ辺境伯の屋敷なので、持っている情報の再確認。想定されるやり取りをおさらいして、

「昴は、相変わらず、攻撃系はからっきしよね?嫌な感じのスキルだけど、使えたら無いよりマシじゃないかしら?」

ひとみはポーチから水晶珠を3つ取り出した。

「皆んなと会った時に襲われた奴らから奪ったスキルよ。」

昴が水晶珠を覗き込むと、老化、腐敗、反転。

「確かに、微妙だね。出来るかどうか解らないけど試してみるよ。」

一応、魔道具の使い方としては知識があったし、魔力は十分なので、老化の珠を手にして、グッと魔力を込めた。

「うわっ、スキルだけじゃなく、珠迄吸収しちゃった!」

「仕方が無いわ、他も吸ってしまって。」

昴があとの2つも吸収すると、

「スキルだけ吸収すれば、珠は繰り返し使えたのにね。」

と不機嫌そうにひとみ。困り顔の昴の他は、ニコニコ。

「ふふっ、お兄ちゃんに、何か攻撃系って、ポーチの中ぜぇ〜ん部調べて、見つけた時は大喜びしてたのにね。」

「あら、そんな、気のせいですわ!そんな事よりも、使えるのかしら?スキル!」

「あ、あぁ、取得出来たのが解る気分だよ、あと、皆んなのスキルも見えるっていうか、感じるっていうかさ、判るようになったよ。珠ごと吸ったせいかな?」

「それは、嬉しい誤算だな、結界オーライと言うべきかな?戦う相手の手の内を知る事はとても有益だからな!」


 翌朝、ほぼパレード状態で、屋敷に向かった。沿道には、王姉をひと目見ようと・・・いや、魔動車を見ようと、人垣が出来ていた。ゆっくりと屋敷に到着、若い(幼い)辺境伯とその祖父、若い義祖母とその妹が出迎えた。

 女性達は、お披露目会の大広間へ、

「警備について打ち合わせが必要ですね、ご担当者様に紹介して頂けますか?」

昴の依頼に、辺境伯自ら、衛兵の詰所に案内した。

「最近はスパイらしき者も見つかっているのですが、何を探っているのかも解らないのです、自白魔法を掛けると死んでしまう術が掛けられていて・・・」

 辺境伯自身は、クーデター計画に一切関わっていない様に思われたので、色々質問、女スパイの尋問をさせて貰う事になった。

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