プレアデス
「「「おはようございます!」」」
挨拶する3人は、頬を赤らめていた。
「おはようございます。よく眠れました?」
「え、えぇ、そうですね、ハイ。」
微妙な反応に戸惑う昴。
「あ!遮音結界!」
テントの中でひとみが叫んだ。ゴソゴソと出て来たひとみは、耳まで赤くしていた、
「おはようございます、ごめんなさい、そ、その、遮音結界を張り間違えて、お聞き苦しい音を。」
「い、いえ、若い御夫婦でしたら当たり前のコトですから、気になさらないで下さいね。」
昴は遅れて赤面、慌てふためいて、
「ゴハンニシマショウネ、スグヨウイシマス!」
カタコトになって竈に火を入れた。
気まずい朝食を終えた頃、1羽の鳥が上空を旋回、スウッと降りて昴の肩に止まった。キューキューと鳴くと飛び立って少し離れた所で旋回する。
「さぁ、お出掛けですわ!」
昴が竈の火を消しているうちに、サクッとテントを片付けて、鳥の後を追う。
小一時間で見覚えのある荷馬車を発見。その奥にもう1台の馬車と小屋が見えた。小屋を覗くと3人の男が雑魚寝、うち1人が色白小太りのM字だった。眠ったまま簡単に拘束、1人だけマットレスに寝ていた男だけ起こして、尋問タイム。御頭と呼ばれていた男で、ひとみがいくつか魔法を披露すると、呆気なく喋り出した。
黒幕は、船で得た情報のクーデター計画の貴族だった。トーラスのニセモノに悪事を働かせ、王家の信頼を切り崩す作戦だった。他の悪だくみも出来ないように、怪しい魔石や薬品らしき物、それを調合する道具類を全て取り上げた。小屋には、元ニセモノ達の荷物もあり、昴の視線を彷徨わせていたタオルは、ショーパンに変わってくれた。
外にあった荷馬車に男達を積んで、もう1台に元ニセモノ達を乗せて街に戻った。ギルドに突き出して、荷馬車と売れる物を売却、3人でパーティーを組む事にしたので、残りの馬車と売却益は彼女達の物にして、そこからは別行動。乗り合いの馬車で北都を目指した。
夕方には到着、何処かで食事して時間を潰してから宿を探すのがルーティーンの筈が、
「えっと、ココね!」
停留所から直ぐの4階建ての宿を指差した。
中に入ると、フロントで
「プレアデスの方ですね?お待ちしておりました、401号室です。コチラを。」
鍵を渡された。
鍵を開けようとしたが、中には人の気配。昴は不審に思い警戒するが、ひとみは躊躇う事なくノックして、返事も待たずにドアを開けた。
「お疲れ様!早速、報告会にしましょ!」
昴は状況を把握出来ずにいたが、、お構い無しで、報告会が開かれた。
「私、遂に夢が叶いました!」
「「「「おめでとう!!」」」」
歓喜が沸き起こった。
裕子はひとみの手をとり大袈裟な程の握手、
「これで、あたし達も解禁ね!ありがとね、ひとみ!」
昴は居心地が悪く、
「僕、ちょっと、外の空気吸って来るね。」
「ご飯迄には戻るのよ!」
ひとみが鍵を渡した。
遠征中の成果を話すひとみは若干赤面、船室での出来事、宿やテントでの事を時間を追って話した。
「昴の延命の為、魔力を込めたらしく、その時、オーバーヒールの時の指の様に、あっさり挿って来たの。最初は凄く痛かったけど、ナカからふんわりヒールの心地よさが広がると、あとは気持ち良さだけになったわ、指とか舌とかも悪くないけど、別格ね。それでね、今夜まで私のローテーションだけど、皆んなでシェアしません?私の初体験は日を跨いでからだったから、今夜だったら、皆んな同じ日に体験出来る事になるでしょ?」
「いいの?あたしは嬉しいけど。」
「今夜の分、明日もう一晩私で良いでしょ?それなら公平じゃないかしら?」
「オッケー、ボクからもお願いするよ!」
「わたしも!」
「美貴も!」
「じゃ、全員賛成ね!あ、それと、昼のミッションはこんな感じね。」
調査結果を纏めた紙を広げ、少し補足して終了、ひとみは窓を開けて音の出ないホイッスルを吹いた。
商店街をブラついていた昴の肩に鳥が止まる。キューと鳴いて再び舞い上がった。少しすると、皆んなを案内しながらまた鳥が現れた。
「少し早いけど、ご飯にするわよ。」
「あ、うん、そう言えば新パーティーメンバー揃うのって初めてだね!」
「そうだね、それも含めてお祝いだね!そこの居酒屋はどうだい?」
圭織が選んだ店に即決、開店早々でまだ客がいなかったのですんなり入れた。
海の幸満載の料理に舌鼓、米酒も悪酔いしない程度に嗜んだ。
「ねぇ、フロントでプレアデスって言ってたけど・・・」
「トーラスはボク達のイメージだから、新パーティーは新しい名前にしようと思うんだ。勿論、正式に登録していないけど、どうかな?」
「うん、良いと思うけど、プレアデスってスバルの事だよね?ちょっとプレッシャーかな?」
「本人了承と言う事で決定ね、お兄ちゃん!成美が参加しなかったのは残念だけど、スバルって六連星とも言うでしょ?6人で丁度良かったかも!」
「ホントはね、散開星団って言って、めちゃ沢山の星の集まりだけどね。」
「あら、私達5人で不足と言う事かしら?」
「そんな事無いよ、充分過ぎる位!」
「充分過ぎって事は、減らせって事?」
「あ、いや、その・・・」
「冗談よ。それより、今夜は4連戦頑張って下さいね。」
意味の解らない昴は、取り敢えず、笑って誤魔化しておいた。




