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ニセモノ

 食後は、昨日請けた魔物駆除。乗り合いの馬車で郊外迄出て、徒歩2時間程で登山口。その山に出没する熊の魔物がターゲット。

 乗り合い馬車を降りて歩いていると、

「もしかして、熊退治の冒険者様ですか?」

空の荷馬車の男が声を掛けた。

「はい、多分、あの山ですよね?」

「送りましょうか?荷台で良ければ!」

ひとみが割って入り、

「是非、お願いするわ。昴は隣に乗って、この地方の事なんかを教えて頂くといいわ!」

ひとみの勢いは荷馬車の男にも、昴にも反論の余地を、与えなかった。

 登山口に着くと、ひとみはヒラリと荷台から飛び降りた。

「な、何で?オレの結界・・・」

慌てて漏らした言葉を途中で飲み込んだ。

「ありがとうございました!」

昴も御者台から降りると、

「ああ、熊退治、頑張っで下さいね、じゃあ、オレはこれで。」

動揺を隠して荷馬車を走らせた。


「さぁて、熊の前に悪党の駆除ですか。」

そう言いながらホイッスルを出してまた鳥を呼び寄せた。同じ様に旋回すると、さっきの荷馬車の追跡を始めた。


 昴達を降ろした荷馬車は、街道を進んで、山道に入った。草木でカムフラージュし、道には見えない道を登って、山小屋には見えない山小屋に到着、結界を解除して中に入った。

「おい、獲物はどうした?」

「いや、それがな、男と女の二人連れだったんだがよ、女は荷台に乗ってな、男は御者台でオレの話しを、聞きたいって言うんだ。女だけ積めりゃ良いから、そうしたんだがな、荷台の結界なんて無かったみたいにひょいと降りやがったんだ。」

「そりゃヤバいぜ、何か、術を使って、結界を、無効化したんだろ?荷馬車の仕掛けを見抜くとか、アレをどうこうするとか、並みの冒険者じゃあ無いだろ?」

「並みとは言わんがな、女のバッヂはCだったな、男は無かったな。ずっと女が指示していたんで、C以上って事は無いだろ?」

「じゃあ、アレ、試運転させようぜ。」

「何、遊んでんだ?何だ手ぶらか?」

「御頭、実は!」

昴達の事を、御頭に報告すると、

「そうだな、アレをぶつけるしか無いだろう!この時間なら、今日は登山口でキャンプだろう、夜更けに片付けるぞ!」

襲撃の準備を始めた。


 一方の登山口の昴達は、

「サッサと片付けますよ!」

ひとみはまた、ホイッスルを取り出して、大きく息を吸った。

「ボォー!!」

今度は霧笛の様な音が鳴った。

 程なく、猪系の魔物が突進して来た。軽くいなして大木に誘導、突っ込んで動かなくなった所に銃で魔力弾、一発で仕留めた。解体に取り掛かる間もなく、狼系の群れ。結界でガードしつつ、ボスを探して魔力弾。上手く仕留めると、群れは散って行った。

 猿系は群れごと結界で包囲、そのまま絞って圧死、大蛇は氷の魔力弾で冬眠状態にしてからサクッと頭を落とす。その後も色々な魔物を倒してあるうちに、ターゲットの熊系が登場。バズーカを10パーの出力で発射、駆除の確証が頭部なので、念の為足元を狙って小手試しのつもりだったが、残ったのはギリ頭部と仁王立ちで大きく手を広げていた両手の先の方だけだった。

「結果オーライね、ご苦労さま。」

ひとみはまた別のホイッスルを吹いた。

 キャンプスペースが、魔物の死骸で一杯にしておけ無いので、後始末。猪は解体して食用に、角や牙が売れるものは回収、熊は確証の頭部と食用の手が運良く残ったのでそのまま回収。残ったのは纏めて焼却処理。夜更けまで掛かってやっと片付いた。

 やっとテントに入ると、外には人の気配。

「6人ね、ん?3頭と3人?」

昴もテントを少し開けて外を確かめた。

「離れた所に馬車があって、そこに男が3人、結界の周りに女?魔物か人間か微妙なのが3体!」

「魔物で言えばBランク相当ね、普通に倒すのは難しくないけど、操られてるように見えるわ!生捕りにしてあなたのヒール試しましょう。」

 コッソリ、迅速に装備を整えた。昴の結界に苦戦中の女に、ひとみが結界で拘束・・・?しようとしたが、

「どうしたのあなた達?」

結界を破ろうとしているのは、裕子、圭織、真理の3人。昴は結界を解こうと思ったが、

「皆んななら結界スルーだよね?って事はニセモノ?」

「あら、あなたにしては良い判断ね!」

拘束を試みるが、素早く躱された。コッソリ突破しようとしていた結界も、派手な魔力弾を撃ち込んで撃破された、6対2の数的な不利をどうするかを心配したが、男達は高みの見物、3対2ならJ子開発の魔具でなんとかなるだろう。

 ひとみは霧で目眩ましをしながら水流で攻撃、昴は氷の魔力弾を連射。ニセモノ達は、素早くなかなか捕らえられない。反撃のパワーもかなり強力だが、コントロールが悪く、ヒヤリとする様な攻撃は滅多に無かった。

 戦場が水浸しになると、

「そろそろね!」

ひとみは地面に手のひらをあて、目一杯の魔力を注ぐ。地面は凍りつき、ずぶ濡れのニセモノ達はツルリンと尻餅、そのまま地面に貼り付いた。

「奴等を追っ払って!」

「オッケ!」

昴はバズーカを5パーで放ち、馬車の後にクレーターを作った。馬が勝手に走り出すと戦いを見物していた男達は慌てて飛び乗りそのまま逃げて行った。

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