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北都掌握

 北都に向かったトーラスは、順調に襲われ、順調に返り討ち。王都や西都で昴がした様に世直し。ただ昴と違ったのは、手に入れた娼館を廃業、遊女たちを解放した。他の売れるモノは全て手放し、娼館をもう1軒買って、同じ様に廃業、遊女を解放した。

「軍資金が尽きたから、また街道で稼ごう!」

根こそぎ倒してしまっていたので、田舎から地方都市を目指して稼ぎに来た、ショボい盗賊しか掛からず、戦利品は大した額にはならず、組織的な物でも無く、バックに誰か居ると言うことでも無かった。


 宿に戻ると、王弟宮から招待状が届いていた。世直しのご褒美でお食事会との事。早速ポーチから出したドレスに着替え迎えを待った。

「このポーチもドレスも、アイツに買ってもらったと思うと悔しいわね。」

 王弟宮で謁見室に通されると、待っていたのは、ドレス姿の貴婦人が4人、1人は王の姉、ここの主。(姉が着任しても、王弟宮の呼び名は変わらない)

「「「お久しぶりです!」」」

後の3人が、にこやかに挨拶した。

「何処かでお会いしましたでしょうか?」

「南の港町から王都まで護衛して頂いた者です、昴様と一緒に。」

「えっ?あ、あの、いえ、何でもないです。」

 棟梁から聞いた話では、王都に送った4人の内、1人は亡くなっていて、3人は娼館に売られた筈。貴族の若奥様風の3人は間違い無くあの時の3人だった。娼館の話がガセネタ?圭織の思考はリミットを越え処理不能になった。

「北の三将ってご存知ですか?」

「そりゃ勿論!王姉殿下の側近ですよね?」

「私達、身請けしてもらって、貴族夫人になっちゃいました。」

「そんな事、話しちゃって大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ、身請けするなら妻として迎える様に勧めたのは妾ですから。」

 4人の驚きが冷めぬうちにお食事会を終え、気が付けば宿に戻っていた。

「殿下に、残りの娼館を潰して貰うようお願いするの忘れてた!」

「でもさ、その気ならあたし達がどうこう言わなくても潰せるよね?」

納得出来ないまま、灯りを消した。


 西都では、歓楽街を昴が掌握、裏社会の資金源を潰し、治安は改善。裏社会や悪徳貴族に流れていた金が、市中を巡る事になり、景気も上昇、仕事を引き継ぐ人も確保出来たので、昴は王都に帰った。


 トーラスはしばらく、北都を拠点に活動を続けていた。大打撃を受け、虫の息だった裏社会は、徐々に息を吹き返していた。王都や西都が住みづらくなって流れて来た連中が、治安の悪化に拍車を掛けていた。

 更に問題なのは、道端や物陰で客をとる娼婦が激増、飢えや病気で亡くなっても片付ける人はおらず、客の男達も病気で苦しんでいた。

 三将の力で、何とか持ちこたえていたが、ついに王姉は、王に助けを求めた。


 当然の流れだろう、昴に白羽の矢が立つ。王命でトーラスが所有する廃業した娼館2軒を王家が買い取り、昴に与えた。王都の再現の様にリニューアル。街で客を取っているのは、ここを解放された遊女達。彼女達にとって、解放であり、解雇でもあった。生きている人をヒールして復帰させた。

 高級志向の娼館が軌道に乗ると、歓楽街のカネの流れは変わり、王都と西都で作った商業ギルド、運送ギルド等を同じ様に作り、裏社会の資金源を断った。


 昴は、現地の人に仕事を、任せると、王都を通過して南の港町に飛んだ。街の規模で第4の街なので、裏社会の連中が流れてくる事を予測していた。

 北都での軍資金は王家からの支給、片づいたので返金しようとしたが、返金不要との事で、それをそのまま港町で使う予定。

「盗賊の返り討ちが効率良いんだけどなぁ。」

 トーラスの協力は得られないので、歓楽街の掌握に挑むが、中々思うようには行かなかった。


 娼館を一軒買う金はあるが、その大金が、裏社会に流れるという事なので、それは選びたくない。代案も一長一短、手詰まり状態だった。


「娼館を売りたいと言う方がいらっしゃいます、お会いしますか?」

時々立ち寄っていた不動産屋が訪ねて来た。

「高いんでしょうね?」

「いえ、それがですね、冗談だとは思うんですが、小銅貨1枚だって仰るんですよ。」

「もしかして、4人組の女性冒険者じゃありませんか?」

「はい、その通りです、お知り合いですか?」

「えぇ、多分。なるべく早く会わせて下さい!」

翌日の11時半で調整して貰った。


 時間通りに不動産屋に行くと、トーラスの4人は既に到着していた。

「久しぶりだね、黒尽くめはユニフォームかな?」

明らかに喪服だった。圭織がなにか言いかけたが、

「娼館の事だけどさ、君たちがオーナーでどうだい?ノウハウは教えるし、ヒールは僕がするから。」

「できれば冒険者に専念したいわ、余計な事をして、とりかえしのつかない失敗をしたから。」

「それなら、僕が先に失敗したのに、黙っていたせいだね。最初に護衛に付いてもらった時の菖蒲さん覚えてる?彼女ね、騙されて一文無しになってさ、道端で客を取って暮らしていたそうなんだけど、また同じ病気に罹ってね、栄養失調もあって亡くなっちゃったんだ。せめて働き口が見つかるまで一緒にいれば良かったかなって。」

 トーラスの4人は、昴や棟梁と同じ様に、現時点でのベター案として、娼館の高級志向化を受け入れ、協力体制を復活させた。


 昴が苦労して集めた裏事情に、トーラスが奪った証拠、王家から支給された軍資金は、歓楽街の掌握に長い時間を必要としなかった。


 その後も、各地を回り、盗賊を返り討ち、裏事情を掴んで世直し。商業、運送、農業、漁業等等、生活に必要な仕事のギルドを立ち上げ、各々の街での活動を統合、全国組織にした。今まで手に入らなかった他の地方の産物を気楽に買える様になったり、街道、橋、港等のインフラが、整っていった。

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