3:新生活
祖母の家に引っ越してから数日。
「ハジメ、おはよう」
「おはようクロ。ご飯できてるよ」
起きてきたクロと一緒に朝食をとる。
「ハジメ、裏山に行ってくる」
「うん、気をつけてね」
クロは朝食を終えると裏山へと向かう。裏山を散歩するのがクロの日課だ。
裏山には危険な動物はおらずたまに猪が迷い込む位だと聞いているので心配はしていない。
この周辺は元々野生動物が少なく平和だが管理下にある以上見回りは必要だ。しかし山は広く見て回るのは大変。
なのでクロが毎日山の様子を見てくれているのは有り難かった。
クロが戻ってくるのは大体昼頃。時折山菜など食べられるものを取ってきてくれたりする。
ハジメは家事など雑務を早々に済ませると庭にある納屋へ向かう。
「よし、今日もやりますか」
納屋の中にあったものは古く使えなくなっていたのでほとんど処分した。中の掃除と痛んだ部分の修理は終わったので、今日は棚を運び入れる予定だ。
ハジメは現在休業中だ。
クロのこともあり引っ越しはすぐに済ませたが相続関係のことなどまだまだやることがあり仕事は全て休止している。
仕事内容は在宅ワークなのでいつでも再開できるが落ち着いてから再開する予定だ。
貯金がそれなりにあるので当面の生活は問題ない。
降って沸いた暇な時間。
何をしよう?クロと一緒に山に行ってもいいが、毎日は流石にしんどい。
ふと目に入ったのが庭にあった納屋。ハジメはここを改装することに決めた。せっかくなので以前からやってみたかったことを実行することにしたのだ。
「ハジメ、戻った」
「クロ、おかえり」
ちょうど昼頃。クロが裏山から戻ってくる。
ハジメの作業もひと段落ついたので昼食にする。
「今日のお昼はカレーにしようか」
「カレー好き。毎日カレーでもいい」
人の姿になって以降色々な料理を食べられるになったクロ。今のお気に入りはカレーだ。
最初は猫の食べられないものは避けるようにしていたのだが、なんか大丈夫そうだったので気にしないことにした。
「カレー、カレー、カレーは最強ー」
ご機嫌に鼻歌を歌うクロと一緒に家に帰る。