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城下町からの脱出



激しく打ち鳴らされる警鐘の鐘の音が、外の空間から、暗渠の中まで響いてきた。

ドアンナたちは、光に向かって走った。風に乗って外から新鮮な空気が吹き込み、ドアンナたちは、ようやく肺の底からまともに呼吸することが出来た。

外からは、砲撃の振動だろうか、地響きが地下の通路まで響いてきた。

そうして、ようやく彼女たちは、暗渠の暗がりから脱出した。


【レイセン】「はあっ、はあっ、はあっ。ようやく外に出れたぁー(;´ρ`) 」

【ドアンナ】「ここは、一体どこだろうね……」


(pic 104 1)


そこは、どこかの橋の真下の河原だった。暗渠の出口は、橋の下の暗がりに隠されていたのだ。振り返ると、護岸際に浮浪者の立てたあばら屋がふたつみっつと立っていた。

街は、炎に包まれていた。

街のあちこちから火の手が上がり、黒い煙が立ち上っていた。対岸の川沿いの道を、人々がなにかから逃げ惑っていた。

目を凝らした

黒い甲冑に身を包んだ、ザクセンの兵士たちが、人々に追いすがり殺していた


下流には、いくつかの死体が浮かんでいた。

戦線はすでに外城を越え、城下町に達しているらしい。


その時、再び、地響きが鳴り、地面が揺れた。ドアンナは、足元から体の芯まで振動が通過するのを感じた。それは、砲撃の音は違う、より重低音を響かせるなにかだった。


ドアンナは、橋の下から顔を出し、音の発生源を覗き込んだ。

王城の尖塔よりも遥かに巨大な、二本脚の化け物が、城に跨って覆いかぶさっていた。


(pic 104 2)


その化け物は、体長五百フィートはあるだろうか。王城を囲う三階建ての建物ですら、その化け物の膝小僧よりも遥かに低かった。

あれは、海竜のたぐいなのだろうか?その青い表皮は年老いた竜のうろこのように、岩石のようにひび割れていた。その背中には地竜の脊椎のように棘が並び、はるか上空にある小さな頭部には、紫色の4つの目が並んでいた。

あれは、まさに、怪物だ。

やつは、ゆったりとした動作で、足を一歩踏み出した。ローゼンハイムの専念の歴史を誇る町並みは、無惨にもその巨体に踏み潰されていった。

ドアンナは、怪物の威容に目を奪われ、動けなかった。


【ドアンナ】「一体なんなんだ、あれは……」


ドアンナは、つぶやいた。その時、ドアンナは突然後ろから首根っこを引っつかまれ、強引に体を引き寄せられた。


ドアンナは、レイセンと顔を見合わせた。そして、二人で護岸の奥を覗き込んだ。

 アイル達は、護岸の上に顔をだし、道の先を覗いた。

 道の先では、二つの軍隊が闘っていた。一つは黒い甲冑に身を包んだザクセンの兵だった。もう一つは銀色の甲冑に身を包み、たくさんの騎馬兵とともに闘うローゼンハイムの兵士だった。

 先頭は激しかった。いくつもの空に血しぶきが舞い、あるものは叫びながら倒れ、あるものは首を吹き飛ばされた。そして、何人もの人間が倒れていった。

 アイル達は顔を引っ込めた。


闘いが終わると、兵士たちは、こちらに近づいてきた。


二人は慌てて頭を引っ込めた。


振り返ると、レイセンが口に指を立てて、静かにしろと合図していた。彼女は橋の上を指した。橋の上から、なにやらくぐもった男たちの声が聞こえて来た。男たちは、こう言っていた。


【男の声】「……見つかったか?」

【別の男の声】「いいえ、みつかりません」

【男の声】「もう一度よく探せ。この近くのどこかに、地下道の出口があるはずだ。クラウザーと連絡を取れ」


ドアンナたちは、戦慄した。今ここを離れないと、すぐに見つかってしまう。

ドアンナは逡巡した。今から暗渠に戻るべきか?

しかし、暗渠に身を隠したとして、奴らは秘密の地下道を探しているのだから、遅かれ早かれ暗渠を見つけ、中に入ってくるだろう。そうすれば、戦闘は避けられない。

いや、奴らはすでに地下道の存在を知っているのだから、挟み撃ちにされるかもしれない。そうすれば、王女は捉えられ、残りの人間には死しか待っていないだろう。

それならば、いまからここで闘うべきなのか?ドアンナは、どうすべきかと、レイセンに視線を送った。

レイセンは、護岸の方向を指さしていた。

ドアンナが指の方向に視線を向けると、護岸際のあばら屋から、浮浪者が顔を出し、小声で彼女たちに呼びかけていた。


【浮浪者】「王女様!こちらへ!急いでください」


男はそう言った。ドアンナたちは、あばら屋に向かって走った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



あばら屋の帳をくぐると、そこにはもうひとり、浮浪者がいた。彼は、アマンダたちを見ると、会釈をした。


あばら屋の中に入ると、そこは意外なほど清潔であった。家の壁は外見と違い、密に並んだ直線の羽目板で覆われていた。部屋の壁は部屋の真ん中に鎮座する机は、真新しくニスで磨かれていた。この家には、浮浪者特有のすえた匂いはしなかった。

アマンダが口を開いた。


【アマンダ】「あなたたちは、一体何者なのですか?……」


しかし、彼女の質問は中断された。

外を覗いていた浮浪者が、慌てて顔を引っ込めると、ドアンナたちに強い口調で命じた。


【浮浪者】「兵が来ます!奥へ隠れて!」


浮浪者は奥の壁に掛けられたカーテンを動かした。するとそこには、ちいさな扉があった。アマンダたちには、選択はなかった。彼女たちは、いわれるがまま扉を開けて、奥の空間へと入った。そこには、あばら屋とはまるで場違いの、磨かれた長剣と盾が壁に立てかけられていた。

アマンダには、それがなにかひと目でわかった。これは、近衛兵のみが帯剣を許された、白銀の剣と盾だ。

浮浪者が扉を閉じると、あたりは暗闇に包まれた。


アマンダたちは、息を潜め待った。そのうちに、扉の向こう側で物音がした。兵士たちが、家に入ってきたのだ。甲冑同士がこすれる、金属のカチャカチャした音が聞こえてきた。

直後金属の擦れる長い擦過音が聞こえたあれは剣を引き抜く時の音だ。平氏が浮浪者たちを皆殺しにしようとしているのだ

ドアの奥でバタバタと何か何かもみ合うことが聞こえたそして2つの男の大きなおやつが燃えると扉の奥はやがて静まり返った



しばらく時間が経った後、扉の奥から、もう出てきていいですよと声がかかった。しかしドアンナたちはここから動けずビラを開けるべきなのか迷った

扉が向こう側から開かれた

そこに立っていたのは兵士ではなく浮浪者だった

部屋には2つの死体があったそれは黒い甲冑に身を包んだ作戦の兵士たちだった テーブルの上には赤い位置に染まった包丁が横に置かれていた。

驚くことに、この浮浪者は、あの小さな包丁で、甲冑を貫いたのだ。


【アマンダ】「あなたたちは、一体何者なのですか」


浮浪者たちは答えた。


【浮浪者】「我々は、元近衛兵です。戦士としてはもう引退する年齢になったため、ここで秘密の地下道を監視する役割を負っているのです」

【アマンダ】「そうだったのですか……ということは、いつもこのあばら家の中から、出口を見張っているのですか?」

【兵士】「その通りですよ。王族の方がいつこの道を使うことになるか、誰にもわかりませぬ故」


兵士はそう言うと笑顔を見せた。彼らの肌は薄く汚れていたが、歯は白く磨かれており、全て生え揃っていた。アマンダは、その笑顔に見覚えがあった。


(pic 104 13)


【アマンダ】「あなた……もしや、ラインハルト様では?」

【兵士】「左様。覚えておられましたか。あなたが四歳のころには、もはや引退した身でしたが……」

【アマンダ】「もちろん覚えていますとも。奥様はお元気でいらっしゃいますか」

【ラインハルト】「ええ、健在ですよ。妻とは三日前に、共に戴冠式に行きました。立派になられたあなたのお姿を見て、妻は感激して泣いていましたよ」

【アマンダ】「そうでしたか……わたし、ラインハルト様の髪がなくなっているものですから、そうと気づかず」

【ラインハルト】「ははは。まあ、年を取るのは辛いものです」


二人が笑っていると、姿を消していた 兵士の片割れが戻って来た。


【兵士】「上は安全なようです。すぐにここを脱出なさってください」

【アマンダ】「あなたたちは、これからどうなさるのですか?」

【兵士】「我々は最後までここに残ります。王族の方全ての身の安全がはっきりするその時までは」


アマンダは立ち上がり、フードを脱ぐと、兵士たちに自らの顔をはっきりと見せた。黄色い光輪が、彼女の頭上にうすぼんやりと現れた、

【アマンダ】「ありがとう。王族として、心から感謝いたします。おふた方に、神のご加護がありますよう」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ドアンナたちはあばら屋から出ると、護岸の上へよじ登った。

彼女たちは、通りの左右を見渡した。道の先には、いくつもの死体が倒れていた。街のガラス窓は片端から割られ、通りに人影はなかった。五人は道を走って横切ると、一旦路地裏に入った。


(pic 104 14)


路地裏から西の方角を見ると、そこからおよそ500ヤードほど先に、ローゼンハイムの高い外城壁が見えた。

城は、すでに炎に包まれていた。

都市を彩る橙色に統一されたの屋根瓦の間から、たくさんの黒い煙が立ち上っていた。

その毒々しい黒煙は、城の状況がすでに芳しくないことを示していた。


【ドアンナ】「私達は今、城の東南東にいる思う。これからどうする?」

【レイセン】「とりあえず東に向かいましょう。とにかく、城から距離を取らないと」

【ドアンナ】「私は賛成ね。アマンダは?」

【アマンダ】「私も賛成します」

【ドアンナ】「アンナは?」

【アンナ】「私も、それでいいと思う」

【ドアンナ】「決まりね。東へ向かいましょう」


五人は、暗い路地裏を駆け出した。

通りには、すでに人の気配はなかった。薄暗い貧民窟の路地裏に、石畳を叩く靴の音が響いた。主人のいなくなった家で、残された番犬が鎖を鳴らしながら、なにかに向かって吠え続けていた。

道の先に、ひとりの浮浪者が座り込んでいた。泥だらけの汚い前髪の奥で、彼のぎらついた三白眼が光った。男は、彼女たちに流し目を送ってきた。


アマンダ「あなたも、ここからはやく逃げてください!」


アマンダは、男に声をかけた。しかし、浮浪者は彼女に胡乱げな視線を向けただけで、立ち上がろうとはしなかった。ドアンナはアマンダの横に並ぶと、小声で言った。


【ドアンナ】「お前は、あまり声を出すな」


彼女たちは、そのまま男の横を通りすぎた。

ちょうどそのとき、道の先の曲がり角から、軍靴の足音が聞こえてきた。


【ドアンナ】「隠れましょう」


彼らはそばにあった家の扉を開き、中に入った。

家は、もぬけの殻だった。中の住人は慌てて脱出したのだろうか、まだ食べかけの食事がテーブルの上に並べられていた。

食器のうち、ニつは大きく、ニつは小さかった。おそらく、家族の内二人はまだ小さい子供なのだろう。


ドアンナたちはニ階へ上がった。そして、扉を開き、奥の部屋へと入った。

そこは、夫婦の寝室のようだった。乱れたベッドの脇の窓から、埃っぽい部屋に日が差していた。

通りから甲冑の足音が聞こえてきた。彼女たちは、窓の下に身をかがめた。そのうちに、足音は通り過ぎていった。

彼女たちは、その場にかがんだまま、耳を澄ませた。彼らの殆どは、そのままそこを通り過ぎた、しかし、兵士のひとりが、誰かに話しかけた。それは、おそらく先程の三白眼の浮浪者だろう。


【兵士】「おい貴様、若い、学生ほどの女五人組が、この辺りを通るのを見なかったか?」

【三白眼の浮浪者】「ああ、みたぜ。そいつらなら、向こうに行った」


ドアンナたちは、戦慄した。彼女たちは慌てて窓から離れると、やおら立ち上がった。

各々が、魔法を放つ準備をした。レイセンは皆の前に立ち、剣を抜いて、扉の前で構えた。


そうして、彼女たちは待った。

しかし、しばらく時間が過ぎたが、兵士たちがそばに来る様子はなかった。

ドアンナは再び窓ににじり寄り、慎重に通りを覗き込んだ。兵士たちの姿は、すでにそこにはなかった。


ドアンナたちは、階段を降りた。彼女は音を立てないよう、壁に手をかけ、慎重に歩みを進めた。

そして、彼女たちが一階の床を踏んだ時、突然家の扉が開いた。


彼女たちは、文字通り飛び上がった。しかし、入ってきたのは、例の三白眼の浮浪者だった。


浮浪者は、ドアンナを一瞥すると、テーブルに向かった。そして、テーブルに並べられたパンをひょいひょいと掴むと、スープの皿を取り、それをずずずとすすった。そして、彼女たちに向かってに言った。


浮浪者「兵士には、あんたらは海の方に向かったと言った。やつらはまだこの辺をうろついてる。しばらくここを動くなよ」


浮浪者はそう言い終わると、あたかも彼女たちがそこにいないかのように、戸棚の中を探り始めた。そして、引き出しの中から金のブレスレットを見つけると、それをポケットに中に放り込んだ。


【アマンダ】「盗むのですか?」

【三白眼の浮浪者】「どうせザクセンのやつらに全部かっぱられるだろう。なら、俺が盗んでも変わらないな」

【アマンダ】「私の前では、盗まないでください」

【三白眼の浮浪者】「なぜ?」


(pic 104 3)


浮浪者はそう言うと、振り返り、アマンダを見つめた。二人の視線はそのまましばらく絡み合ったまま、ほどけなかった。

やがて浮浪者は、ポケットの中身を放り捨てると、家から出ていった。


彼女たちは、しばらくその場に立ちすくんでいた。


レーセンが、最初に動き出した。彼女は、テーブルの前まで行くと、お盆を取り上げ、その上に残り物のパンをひょいひょいと重ねた。

ドアンナも動き出し、スープの皿を両手に持った。アンナは部屋の奥の水瓶を持った。ペトラも、食べかけのスープの皿を持った。

アマンダも、結局は、テーブルの真中の野菜のボウルを両手で持った。

彼女たちは再び2階へ上がって行った。そして彼女たちは遅い食事を始めた。


レイセンは、おぼんから、皆にパンを手渡した。彼女は、皆にはかじりかけのパンを渡し、自分には噛み跡のないきれいなパンを残して、それにパクリと噛み付いた。


【アンナ】「ちょっとレイセン、あなた、自分だけ綺麗なパン食べるの?」

【ペトラ】「私も同じことを思いました。普通は一番キレイなものを王女様に渡すべきです、常識的に考えて」

【レイセンー】「えー……」


レイセンはそう言い、口からかじりかけのパンを取り出すと、それをしばらく見つめた後、アマンダに差し出した。パンには、歯型と唾液がねっちょりとついていた。


【アマンダ】「それは、レイセンが食べて(^^;」

【レイセン】「だってさ。悪ぃねー♪(^-^)」


レイセンはそういうと、口元をほころばせながらパンを口の中に放り込んだ。


【ペトラ】「……」

【レイセン】「どうしの?君、なにか言いたそうだネ」

【ペトラ】「別に、なんでもありません」

【アマンダ】「レイセン、怪我は大丈夫?」

【レイセン】「そりゃもうばっちし。すげえよ、天使の力っていうのは」

【ペトラ】「気をつけてください。悪魔は、天使の力を感じ取ることができるそうです。今回は地下道だったので見つからなかったでしょうが、あまり外でこの力を使わせないようにしてください」

【レイセン】「わかった。気をつけるよ。ところでアマンダ、あなた、盗んだ食い物食っべてるわね」

【アマンダ】「あはは(;´∀`)まあ、放っとくと腐っちゃうし……」

【レイセン】「みなさん聞きましたぁ?今の言い訳を?(●`□´●)これが王族ですよ。自分さえ良ければ後もうはどうでもいいというね」


みな、苦笑いしながら、パンを食べた。ようやく、この五人に、いつもの明るさが戻ってきた。そうして、皆は食事を終えた。


【レイセン】「さて、これからどうしますか。夜まで待つというのも、一つの手ですが」

【ドアンナ】「私は反対。家を一軒一軒虱潰しに調べられたら、いずれはみつかるわ。戦闘が続いている間に、はやく脱出した方がいい」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


彼女たちは、しばらく時間を置いた後、家を出た。

通りはひんやりと暗く、人の気配はなかった。彼女たちは、再び東へ向かって走り始めた。

そうして彼女たちはしばらくの間走り続けた。やがて路地は終わりにさしかかり、道の先は、大通りに合流しようとしていた。

ドアンナは、奥に見える通りが、エリーゼ通りであることに気づいた。エリーゼ通りは、ここはこのローゼンハイムの中でも、特に美麗で名高い通りだった。

港湾都市であるローゼンハイムには、世界中から珍しい金銀財宝や宝飾品などが集められ、それらは高度な加工を受け店先に並べられていた。この宝飾品だけを目当てに、遠くからやってくる貴族の人間もいるほどだった。魔法と物流の拠点であるローゼンハイムは、比類なき富を築くとともに、貴族階級の流行の最先端でもあった。

そんな大通りの向こう側から、なにやら、大きな音が聞こえてきた。

その大きな物音は、繰り返し繰り返し響いた。そしてその音が響くたびに、まるで地鳴りのように、地面が揺れた。

それは、巨大な怪物が、地面を踏みしめる足音だった。


【ドアンナ】「みんな 隠れて」


彼女たちは、近くの建物の暗がりに隠れた。わずかな狭いくぼみに、5人はぎゅうぎゅう詰めになって体を隠した。彼女たちがそのまま息をひそめて待った。

巨大な足跡は、だんだんと大きくなり近づいてきた。そして日に照らされた大通りの明るみの中に怪物がその正体を表した


(pic 104 4)


それは体調100ftはある、巨大な地竜だった。黄色く乾燥した肌は象皮を思わせるように分厚く、その頭部には、博物館の化石でしか見ることのない、古龍のような巨大な顎を持っていた。

龍の背中には、騎兵のように、黒い甲冑を着たザクセンの兵がまたがり、道の先


を睥睨していた。


やがて、そこを地竜は通り過ぎた。彼女たちは、しばらく時間を置いた後、建物の影から顔を出し、大通りを覗いた。

エリーゼ大通りは、血まみれの死体で埋め尽くされていた。

本来、ガラス張りの大きな窓に彩られた美しい繁華街は、今やめちゃくちゃに破壊されていた。粉々にされたガラスは通りに砕け散り、店には火が点けられ、炎に包まれていた。

交差する色違いのレンガによって彩られた、華麗な石畳の道路も、今や巨龍に踏みつけられ破壊され、その下の土くれがむき出しにされていた。

今、兵士の一人が、通りの向かいにある店から、山ほどの宝石を抱えて出てきた。そこはローゼンハイムでも著名な、ダミアン夫人の服飾店だった。

タミヤン夫人は若くして夫に先立たれた当時、女の仕立て屋はいない

ギルドに阻まれた

男の仕事だと

しかし彼女は頑張った


しかし女で一つで店を盛り上げた

そしてついには王族をこきゃくにもつようになった

そして不幸老人ホーム1の流行の最先端としたのだった彼女の顧客には世界中から高速の女性がやってきたのだった


タミヤン夫人はギルドの妨害にも屈する女性として名をあげた


彼女もどあんなも今の学校に進学する際に三角棒をこの店で仕立ててもらったのだった

今街は思い出ごと完全に破壊されていた


どあんなは通りの先を見た通りの先には黄色い一流の巨大な背中があったその治療の周りを黒い甲冑に身を包んだ作戦の兵士たちおよそ32ほどが取り囲んでいた

この道は通ることができない 



  その時 通りを挟んだ向かい側の暗がりの中から声がかけられた


 「おい、お前たち!」


 ドアンナは顔を上げてみたそこには  さっき家にいた三白眼の浮浪者が声をかけた


(pic 104 14)


「おいお前ら!ここは危険だ 

スラム街を抜ける道があるおれに着いて来い」

 

 ドアンナたちは互いに見つめ合った。そして互いに頷きあった

 彼女たちは、三白眼の浮浪者についていくことに決めた


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


こうして五人の娘は、この浮浪者の後ろをついていった。

 道は今いた路地よりもさらに狭く人が1人やっと通れるぐらいの狭さだった彼女たちはそこ一列に並んで走って行った


その狭い道を抜けると 注意を木造りのあばら家に囲まれた多少は広い道に出た道は舗装されておらず土くれがむき出しになっていた


スラムの人間たちもすでに逃げて出しているのだろう人気は全くなかった

やで彼らが走る道の先に煙が立ち上っていた このスライム街に誰かが火を放ったらしい

 もし火消しの人間が動けないならばここのスラムは。ごと燃えて灰になってしまう

そうして道を走っているうちに浮浪者は年老いたババアから声をかけられた

 ロイド

「ばあさん」

「ロイド、あんんたなにやってるんだい。まさか、こんな時に盗みをやっているのかい?早くここから逃げよしよ」

お母さんあんたも早く何ここで何やってるんだ早く逃げろ

 私は逃げないよ本を置いて逃げることなんかできないよ

 ばあさん屋上に登らせてくれないかひかどこから登っているのか見たいんだ

 それなら構わないよさっさと上に上がりな

 悪いなちょっと待っててくれ浮浪者はそういい部屋に入ると階段を駆け上って行った

 あんたたちもそこでボート突っ立ってないで部屋の中に入りなさい

 おばあさんに言われたので彼女たちは家の中に入った

 家の中は橋の下の浮浪者たちと同じで 外見よりもはるかに 整っていた床などは磨かれてむしろ清潔さを感じるほどだ

 黒いそして何より開くものはこの家の壁一面に並べられた本だった

 それは分厚い魔導書だったそれはおそらくは

ドアノはそのうちの一冊に目をとめた

 それは背表紙の刻印が削り取られ見えなかったしかしその背表紙に早朝に ドアの網覚えがあった

ちょっとあの本

 あーあー

 

ダビデの防御縁

 

 あれはどあんなが3年をかけて死ぬほど時間をかけて習得した魔法だったしかもその本は彼女は禁書庫に通って呼んだのだった

 あの本がここにあるのかここにあることが許されるのだろう


ドアンナの視線に気づき老婆が言った

 あの本が気になるのかい

 とアンナは頷いた

 私が書いたんであの本は

 何ですってではあなたはランメ様なのですか

 さようさ私はフランベさん

 なぜこのようなスラム街におられるんです

 私は財産を全て捨てて好み町に来たんだよ

 なぜですか

  それは簡単そう私はテンションのそばで死にたいからさ

 

死ぬ時は天使様のそばで死にたいんだよ

 アマンダはこういった人たちのことを考えたことがなかった。


その時ロイドと呼ばれた浮浪者は1階に降りてきた

 東川には日の出が回っている 一旦北からうっかりして進むぞ


どあんなたちは急いでお茶を出されたお茶を飲んに干すと家を出て再び走り出した


彼女たちは走ったはるか遠くに砲撃の残響を聞きながら彼女たちは暗い路地裏を走り続けた

 

路地はやがて広い通りに繋がった

俺が案内できるのはここまでだ


この道をまっすぐ行くと川に突き当たる服を左に曲がると大きな橋があるんだその橋は直接イーストゲートに続いている

分かったはどうもありがとう

ロイド様はどうするのですかあなたはどうするの

俺は戻るあのばあさん置いていけないからな あんた気をつけてな必ず生き残るよ

 

そうですかどうかご無事で どあんなは見覚えがあった

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