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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界転生・転移の文芸・SF・その他関係

登場人物の動きを言葉で表現するのが苦手なので、能力値や特技の数値であらわしてみようと思って書いてみた

作者: よぎそーと

「いたいた……」

【隠密 レベル34】で身を隠している彼は、草木の中でそう呟く。

 その目の先には、4匹のゴブリン。

 ザコと言えばザコな人型の怪物だ。

 それを【探知 レベル35】で先に見つける事ができた。

 これで先手をとる事ができる。



(便利だよな)

 弓を構えながら思う。

 転生してきたこの異世界では、自分の能力を数値で把握出来る。

 それを元に様々な人生設計をしていける。

 自分に出来ることの幅も分かる。

 おかげで、こなせる仕事とそうでない事をより分ける事ができる。

 今回やってきたゴブリン退治は、そんな自分の能力を踏まえて受けたものだ。



 早速、強化小弓を手にとり、矢をつがえていく。

 そこそこ距離は離れてるが、骨や金属で張力を強化してる小弓ならば問題ない。

 確実に矢は届く。

 あとは命中させられるかどうか。



 幸い、弓の腕前は【弓 レベル32】まで上げている。

 よほどの事がなければ外す事はない。

 特に障害がなければ、百発百中の命中率をほこる。

 そんな彼はゴブリン達から見えない位置から矢を放っていく。



 最初の1匹は念のために【狙撃】を行っていく。

 正確な狙いをつけて確実に当てるためだ。

 この行動をとる事で、数秒ごとに命中率が上がっていく。

 そんな事しなくても問題の無い命中率ではあるが、念には念を入れていく。

 どこでどんな問題が発生するか分からないのだから。



 幸い、この一撃はねらい通りにゴブリンの心臓を突き刺した。

 引き絞った強化小弓は、勢いよく矢を飛ばし、ゴブリンの体を貫通していく。

 狙われたゴブリンは即死だった。



 それを見て他のゴブリンが慌てる前に、2発目、3発目の矢が瞬時に飛んでいく。

 間断なく放たれる矢は、次々とゴブリンに当たっていく。

 狙いを付けるのをあえて捨てた【速射】がゴブリンを襲う。

 普通なら矢継ぎ早に放つ矢などそうそう当たるものではない。

 実際、1発ごとにマイナスの修正がついていく。

 だが、もともとのレベルが高いので、矢は次々にあたる。

 それも急所に。



 多少狙いがそれる事もあるが、それは放たれる矢の数で補っていく。

 たとえ急所に当たらずとも、体のあちこちに矢が当たる。

 そのうちの一つが急所に当たる。

 狙われたゴブリン達は悲鳴をあげる事も出来ずに絶命していくしかない。



 4匹のゴブリンを倒した男は、とどめをさしていく。

 万が一息を吹き返したら面倒になるからだ。

 手を抜かず、しっかりと死体に刃を突き刺していく。



 ついでに矢も回収していく。

 壊れてないものは再利用する。

 矢の数は限りがあるのだ。

 手数を増やすためにも、使えるものは使っていく。



 そうして何匹かのゴブリンを倒したところで、更に先へと進んでいく。

 出歩いている数人で行動してるゴブリン。

 これらはおそらく巡回警備の類いだろう。

 これまでの経験と【怪物知識 レベル26】からそう推測出来る。

 同時に、拠点となる住処の場所もおおよそ推測していく。

 巡回が動いていた地点からそう遠くは無く、それでいて住むのに適した場所。

 巡回が残した足跡から、おおよその方向は察しがつく。



 その推測をもとに進み、予想通りの場所にいたゴブリンを見つける。

 数は20匹。

 平均的なゴブリン集団の規模だ。

 巡回していた連中を始末したので、増援がくる可能性は低い。

 ここにいる連中がゴブリンの総数だろう。



 そんなゴブリンが、森の中の開けた所に住み着いていた。

 枯れ木を組み合わせ、蔦で結った小屋のようなものを組んでいる。

 バカと言われるゴブリンだが、この程度の智慧と工作は行う。

 そもそも、本当にバカというわけではない。

 つたないながらも集団行動が出来て作戦も立てるのだ。

 先の先まで考えることはないが、目先の問題に対処するだけの思考はある。

 本当の考え無しというわけではない。



 また、小柄で人間に比べれば体力が劣るのだが。

 それでも非力では無い。

 人間の子供程度の体力しかないのは確かだが、それなりの脅威なのは変わらない。

 数が集まれば充分戦力になる。

 何匹かが手足に絡み付けば動きを遮られる。

 そうなればほぼ無防備になり、袋だたきになる。

 油断した者達がこうしてなぶり殺しにされるのは珍しい事ではない。



 なので、決して油断しない。

 自分の出来る範囲で全力を尽くす。

 勝てる方法を見つけていく。

 有利な条件を出来るだけ積み上げていく。



 相手はまだ20匹も残ってるのだ。

 油断など出来るわけもない。

 まして今回は、一人でやってきてるのだから。

 最善を尽くしてもまだ安心は出来ない。



 そんな転生者はちょっとした準備をしてから攻撃を開始する。

 まずは強化小弓による遠距離攻撃。

 これでゴブリンの頭数を減らしていく。



 森の中の開けた場所。

 そこにたてられた簡素な小屋もどき。

 それ以外に身を隠す場所は無い。

 おかげで、ほとんど全てのゴブリンの姿が丸見えだ。

 それら矢で射貫いていく。



 先ほどと同じ最初の一匹は狙撃で確実に。

 それ以外は速射で可能な限り多く攻撃する。

 一撃で仕留められない者も出てくるが、これは仕方がない。

 今は数を少しでも減らす事を優先する。



 慌ててゴブリンは小屋の中に隠れようとする。

 それか、その場から逃げだして森の中に消えようとする。

 転生者は逃げようとする者を真っ先に片付けていく。

 生かしておくと後々面倒になりかねない。

 生き残りというのは何かとしぶといものだ。

 そういった者が成長していくと、強力な存在になる事がある。

 そうなる可能性を出来るだけ排除せねばならない。



 幸い、森の中に逃げようとした者は全部倒すことが出来た。

 上手く急所貫いたのか、その場に倒れていく。

 出来ればとどめを刺しに行きたいが、今はその余裕がない。

 まだ小屋の中に逃げ込んだゴブリンがいる。



 それらをいぶりだす為に、転生者は火矢をつがえる。

 鏃に油をしみこませた布きれを巻いて、【魔術 レベル5】で着火する。

 殺傷力があるほど強力な火ではないが、ライターがわりとしては充分だ。

 矢は火をまとっていく。

 その矢に、油をつめた小袋を点けて放つ。

 弓から放たれた矢は、狙い通りに粗末な小屋にあたった。

 油にも引火し、盛大に燃えていく。



 慌ててそこから出てきたゴブリンに速射で矢を放っていく。

 小さな小屋の中にいたゴブリン6匹は、例外なく射貫かれていった。



 あとは倒れ伏したゴブリンにとどめを刺していく。

 射貫かれてまともに動けなくなったゴブリン達は簡単に仕留める事ができた。

 中には根性を見せて思ったよりも遠くに逃げていた者もいた。

 だが、傷が深いのか動きは鈍い。

 すぐに追いついて【刀剣 レベル22】の能力で突き刺していく。

 手にした短刀は【急所狙い】の効果もあり、的確にゴブリンの弱点を貫いていった。



 死んだゴブリンはその場で姿が消えていく。

 後には、魔力の結晶が残る。

 怪物の心臓にあたるものだ。

 霊魂の結晶とも言われている。

 それを回収していく。

 これが報酬になるからだ。



 ゴブリンの始末が終わると、燃えてる小屋の始末にかかる。

 とはいっても、森の中の開けた場所だ。

 燃え広がる危険は少ない。

 せいぜい、燃えてる小屋もどきの周囲に溝をほれば良い。

 また、小屋を崩してその上に土をかければほぼ問題なく終わる。

 念のために様子をみて、完全に火が消えたかを確かめていく。



 安全を確かめたところで、更に奥地へと向かっていく。

 ゴブリンがやってきた場所へと。

 より大きなゴブリンの集団がいるかもしれないからだ。



 1匹見つけたら30匹は控えてると言われてるのがゴブリンだ。

 一つの集団の後ろに、より大きな本隊が存在する可能性は充分にある。

 実際、これまでそうした事例は何度かあった。



 それを見つけて倒せば、より多くの報酬になる。

 単独で相手にするのは危険だが、成功すれば報酬を独り占め出来る。

 そもそも30匹程度のゴブリンではろくな報酬にならない。

 魔力結晶を売り払っても、せいぜい3万円程度だ。

 できればもう少し稼ぎたい。



 幸い、この世界に生まれてきてからレベルをかなり上げてきた。

 今では単独でもそれなりの行動が出来るようになってる。

 その能力を信じて、今は稼ぎを増やす事にする。



 それに、確かめておかねばならない事もある。

 今回倒したゴブリンが全てなのかを。



 1匹見つけたら30匹が背後に控えてるといわれるほど多いのがゴブリンだ。

 今回倒した30匹の後ろに、より大きな集団が控えてる可能性もある。

 それが襲ってきたら、町がひとたまりもない。

 念のために確かめておきたかった。



 何より、目撃情報を持ち帰れば報奨金も出る。

 稼ぎの為にも、少しばかり頑張っておこうと思った。



【探知 レベル35】でゴブリンの足跡を見つけていく。

【隠密 レベル34】で姿を隠しながら踏み跡をたどっていく。

 その先に何も無ければと思いながら。



 それから一週間。

 男はゴブリン200匹分の魔力結晶を手にして町に帰還した。

 そのついでに、ゴブリンの集団がいた事を探索者ギルドと現地の領主に報告。

 情報提供料と報奨金を手に入れることになった。

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面白かったなら、評価点を入れてくれると、ありがたい


あと、異世界転生・異世界転移のランキングはこちら

知らない人もいるかも知れないので↓


https://yomou.syosetu.com/rank/isekaitop/

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