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68 1人2役のアリアとつながる世界


 曲が終わった。

 「姉様っ、素敵でした!」

 「そ、そう…良かったですね。」


 ああ、足がぁ…。


 「姉様?」

 「ごめんなさいね、フローレンス様…私は日頃の運動不足が祟って足がガクガクなんです。」


 「そうなんですか~、まあ確かに王都ってそんなに歩く事も走る事もしないですよねぇ。ダンスも男性のエスコートに任せるのが淑女だって言われますし。」

 そこは大人しくて安心した。


 「でも、姉様は姉様で安心しました、ふふ。」

 「私が私で?」

 「はい!私だけの姉様の魅力です。」

 「?」


 「漁夫の利を獲ったのはあなた様でしたか、フローレンス様。」

 アルバンが来た。


 「漁夫の利って」

 「ええ、アレクサンダー殿下の存在が大きくて今までは大人しくしていましたが、フェリクス様ぐらいならば遠慮なく。幼馴染ですものね。」

 「それは挑戦と捉えて良いだろうか、フローレン」

 「ちょっと待ってください。」


 さっき…。

 「フローレンス様、私に近づきにくい理由として殿下の存在が大きかったって事は…」

 「はい?ですから、婚約者を優先なさるでしょうし姉様の邪魔は出来ない、それ以上の意味はありませんわ。」


 「フローレンス様が殿下とお嬢様の関係についてご存知なのはこのぐらいでしょう?彼女は王都貴族のメインネームですら覚えたばかりでしょうし。」

 「お恥ずかしい事に、協定が結ばれる前まではラインマイヤーの事すら知らなかったんです。」

 そ、そうだよね、アルバンの言う通り。フローレンス様の言葉に深い意味は無かった。


 「うーん…姉様には悪いですけど、何となくお噂を聞いている感じだと殿下って姉様の事は二の次三の次のように思われていらっしゃるように感じました。そのくせに、初めてお会いして個人的に踊った時に…姉様と様々な方を比べる変な癖があるように感じましたわ。」

 変な癖…。


 「それはどんな風に?」

 フー様が少し不機嫌そうに聞く。


 「ん~…良い事も悪い事も仰っていましたけど、共通して姉様の実力の高さにつなげられていました。婚約破棄された理由がどこにあったのかは分かりませんでしたが、殿下にとっての姉様は…優秀であるが故に優先する必要は無い存在なんだなって感じました。私と真逆の考えをお持ちなんだなと思いました。」

 「ふむ…」


 「私は、ただ年上というだけで姉様の事を姉様と慕って呼んでいるわけではありませんわ。優しさや包容力、実力が備わってこその姉様ですもの。簡単に越えられる山を嶺、渡れる川を大河と呼ばないのと一緒です。自らの成長を促すためには、自分より高いレベルの存在を優先すべきなのです。そうでなければ甘んじてしまいます。でも、殿下はまた別の考えをお持ちなのでしょう。」

 フローレンス様が早口に言う。


 でもねフローレンス様、最初は、私のお世話をしてくださるお祖父様のお言いつけ通りに頑張ってきただけなんです。周りなんて関係ない。お祖父様が仰っていたように、両親や妹とまた暮らす事を目標に…。苦しくて、違う自分が出てきて、目標なんて忘れてしまう事もあったけど、シラフに戻って辛い時にまた頑張ろうと思えたのは自分のためだけ。そこに強弱も高低もない。


 そして家族とまた暮らせたら、人並の生活が出来るようになったら、他の令嬢と同じように異性を愛そうと思ったんです。その相手が殿下でした。それからの私は…殿下が好きだからこそもっと鍛えようと思ったんです。やはり、そこには強弱も高低もないのです。私は私、殿下のためにできる事は何でもしたかった。殿下に何が出来るかなんて関係ない、いつ何の仕事を任されてもお忙しい殿下に代わって差し上げられるようにならなければならない。その思いだけで。


 そうしている間に私は年増になってしまった。元々、人並の生活が出来るようになるまで、両親と一緒に家族生活を営めるようになるまでに時間を要してしまい、そのビハインドはあった。お祖父様とアルバンと中心としてリーゼルの人達は、私に実力や知恵をつけてくれたからそれに甘んじて精神的な成長が止まったまま2つの自分を持ちつつ上京した私に、殿下の婚約者だなんて荷が重すぎたんだ。


 私はこんなにも人並の生活を送るために周りの目を気にしてきたのに、殿下からしたら「可愛げがない」と一蹴されてしまうどうしようもない人間なんだ。

 やっぱり分かる人にはこの私が作り物で人間味の無い無機物だと分かってしまう。上京してからスクールに入るまでと同じ、どこでも周囲の人間が私をじ~っと見ているあの感じをいつの間にか忘れてしまったみたいだ。


 ずっと後ろ指を差されて嗤われている、あの感じ。

 周囲の人達が私の陰口を言って愉しんでいるような気分になる、あの感じ。


 私は不自然すぎる。

 前に出ちゃいけない。

 いつかもう1人の自分が出てきて取返しのつかない事をしてしまう。だから全て殿下やライター家のやった事にして功を立ててしまえば全てが上手くいくと甘えていた。


 相手の顔色を伺って、相手の利益がどの程度発生して相手がそれをどれだけ理解しているか考えながら振る舞わなきゃ。

 辛い。

 辛い。

 辛い。

 でも、もう「赤ちゃんを産むための道具」としての女性像はとっくの昔に排斥されている。プラスαで何かしなきゃいけない時代になってきた。だからお祖父様は私を鍛えてくださった。それなのに…。


 「シア、大丈夫か?」

 「えっ?あっ…ごめんなさい。」

 「姉様…何だかとてもお辛そうですわ。」

 …。


 「フローレンス様、私はどこもおかしくないですか?」

 「へっ?!ええ、もちろんですわ!姉様、リーゼルで頑張っていらしたじゃないですか。昔の姉様もかっこよかったですけど、今の姉様も余裕のある淑女オーラが出て素敵ですわ!」

 「そう…それなら良かった。」


 フー様とアルバンが何か目配せして、うなずいた。

 あの頃のどうしようもない私をフローレンス様よりずっと知っている人達だ…。

 あんなにお父様とお母様の所に戻りたかったのに、何度も何度も暴れて、傷つけて…醜かった私を痛い程知っているのに、その都度止めてくれた人達。両親にさえ恐れられたどうしようもない私を許してくれた人達。


 「シア…大丈夫だからな。」

 「でも私、ここ最近また」

 「お嬢様、大丈夫でございます、何も問題ありません。」

 良かった…。彼らが言うなら本当に、きっと、大丈夫なんだろう。


 「アルバン…私、ビアンカさんと殿下に対して」

 「大丈夫です、全て一時の悪い夢でございます。」

 恐怖に支配された目が私を突き刺すあの感じ。身体からあふれ出した死の予感が、私の気分を最高潮に持ち上げるあの感じ。


 皆、怯えよ。私にひれ伏せ。一時暗転してまた光が差した世界では自然と口角が上がり、私は役を脱ぎ捨てる。私1人の劇場には人権を持たないエキストラが点在して、私を目立たせる。

 でも私が主役となる結末ではいけない。私が主役でいる限り、私は目の前にいる人達さえも捨てなければならないのだから。両親の元へ戻るために、周りの社会を支える脇役として私は英才教育を受けてきた。これからも主役を輝かせるために努力し続けなければならない。


 「お嬢様、落ち着いてください。大丈夫でございます。」

 「姉様…お辛いでしょうに。」

 「シア、楽しい事を考えよう?」

 会話に応じた時、この劇場は消失し、世界とつながる。私に瞬時に役が割り当てられる。


 「そうですね、私ったら大げさに考えすぎていたみたいです。」

 私が微笑むと、3人は何度も首を縦に振った。


 「話している所悪いのだけれど。」

 そう…舞台に現れた1人…ナディン様のような華を輝かせるために。


 彼女は私の顔を見るなり眉間にしわを寄せた。

 「アリス、しゃきっとなさいな!殿下の事はローナと私でどうにかしておいたから問題無くてよ。」

 「は、はいぃっ!」

 怖いって…。

 「…ごめんなさいぃ。」

 なぜかフローレンス様も委縮する。


 「ベッティこわ~い」

 「アルバン、気色悪いぞ。もう止めておけ。」

 フー様の後ろにアルバンってすっぽり隠れるんだな。すぐに引きずり出されたけど。


 「医務室に連れて行ってくれたのは見ていた。」

 「ええ、恐縮ですわ。」

 そうだね、ナディン様に任せておけば安心だもの。


 ナディン様がフローレンス様に目を移した。相変わらず目つきが鋭くてびくっとなる。

 「フローレンス・ジゼラさん、だったかしら?」

 「は、はいっ!」


 「改めて自己紹介してよ。私はナディ」

 「ジゼラ辺境伯家長女、フローレンスと申します!」

 え?

 ナディン様、本日2度目のぽかーん。


 「フローレンス様、さっきの『してよ』というのは『(私が)しましてよ』の常体でございます。」

 ああ、ナディン様が自分に自己紹介「してよ」って仰ったんだって思ったのね。

 「えっ、ああ…ごめんなさい。」


 「良くてよ…いいえ、良いわ。私は高等部3年の生徒会長で、名前はナディン。ザウアー伯爵家長女

よ。」

 「はい、姉様の大親友でいらっしゃるんですよね!」

 「ぶふっ!」

 アルバン、なぜそこで噴き出すんですか。あとフローレンス様、どこ情報ですか。


 「お嬢様とナディン様が大親友なんて盛り過ぎですよ!友達ですらないのに!」

 アルバン、一言余計です。


 「ちょっと、そこまでは言っていなくてよ。私は『級友』と言ったまでで。」

 「あっ…『旧友』だと思っていました。」

 なぜ古典の意味でとったの?まあ…良いんだけど。


 「まあでも私が見た感じだと、割と相性は良いと思う。」

 「フー様って女心に鈍感ですよねぇ、そういう所ですよ?裏でお互い悔しい所があるけど今回は仲良くしていらっしゃるだけで。」

 「アルバン、それは盛り過ぎです。」

 そういう事言わないの。


 「でもナディン様はお嬢様に毒入りのケーキをくださったではありませんか。私がお嬢様の代わりに下剤入りのジュースを送りましたが。」

 何してるんですか。


 「違いますよっ、フローレンス様!」

 「ええ、アルバンが話を作ってるのよ。」

 作ってるというか、実際に送られた物は事故で異物混入してたんですが。

 ともかく悪意があって行われた事ではない…はず。ポジティブに生きましょうってリーゼルのメイドさん達が言っていたし、王都って怖い事がたくさんあるものだと教えられていたから、きっとよくある事なんだろう。ここ最近私が危ない目に遭っていなかっただけで。


 「あははっ、そんなのすぐウソだって分かりますよ。ねえ、フェリクス様?」

 「ああ、そうだな。」

 良かった…。


 「ザッハトルテとやらの件だろう?シアに毒の類は効かないから入れても無意味だろうに。」

 「そうですよ、ナディン会長は聡明な方だと伺いますし、姉様に対して悪意があるならもっと別の手を打つはずですわ。」

 なぜかナディン様の目が一瞬泳いでいるように見えたけど、気のせいだろう。あと、この2人は私を何だと思ってるんだろう。


 「毒というのは、会長が良かれと思って選んだ物が姉様の苦手な物だったというだけでしょう?」

 「アリスの苦手な物ねぇ…そんなものあって?」

 ナディン様がフローレンス様に聞くと、彼女は嬉しそうにうなずいた。


 「姉様、苦味と香味の強い物が苦手なんですよ!」

 「…意外と子供舌なのね、アリス。」

 「うう…」

 「その可愛らしいギャップもまた姉様の魅力ですわ!」

 フローレンス様…。


 「つまり、口を開けば苦情・歩けば香水で大気汚染していらっしゃるナディン様はお嬢様にとって否定できない毒物でございますね。」

 「アルバン!」

 そういう事言わないの。


 「私はナディン様の事、そこまで悪く思っていませんから!」

 「少しは否定しなさいよ、あなた!」

 …少しは当たっていると思うのですが。


 その時、授業終了を告げる鐘が鳴った。

 「え~…本日の授業はここまでとする。解散!」

 先生、面倒になったんですね。



 ~ ~ ☆☆☆☆☆ ~ ~



 この後ホームルームがあるフローレンス様とお別れし、私達は体育館を出た。

 何だかよく分からないまま授業が終わり、放課後となってしまったのでもうそんな時間だという実感が無い。


 「今日の授業は以上ですわ。これから放課後で解散となりますが、何か確認なさりたい事などはありますか?」

 ナディン様がフー様に聞くと、彼はしばらく考えた後、うなずいた。


 「明日の予定を聞いても良いだろうか?」

 「分かりましたわ。明日は、1限目から4限目までこの学校で過ごしていただきます。1・2限目は体育の授業で多種目連携の長距離走ですわ。私が朝8時から校門の所でお待ちしておりますのでその場で馬車を降りてください。3・4限目は全校集会ですわ。フェリクス様のご講話と交流会ですわね。」

 3・4限目か…件のアレは。


 「…3・4限目の変更はご存知か?」

 「変更…言語の事ですか?」

 「ああ、私は本当にハンナヴァルト語でしゃべって良いのだな?」

 「ええ、そのように聞いております。」

 フー様は納得した様子でうなずいた。


 「ローナ殿もそれで良いだろうか。」

 「ええ、僕はどうこう言いませんよ。」

 柱の陰からローナ様が現われた。


 「クリストフ殿は弟を可愛がっているからな、アレクサンダー殿をいじめていると思われたら」

 「フェリクス王子とアレクなら、彼はあなたを選びますよ。下手すれば自分がカルロッタ姫と引き離されるかもしれないから、ね。」

 「ローナ!」

 なぜかナディン様がこのタイミングでローナ様に詰め寄る。今までの事を怒っている感じじゃなくて、発言そのものを咎めているみたいだ。


 「へっ?クリストフ殿下とカルロッタ様が引き離されるなんて無いでしょうに。」

 ローナ様の仰ることもよく分からない。私がそう言うと、フー様は困ったように優しいトーンで仰った。

 「…シア、大丈夫だ。アルバンがいてくれるからな。」


 「まあ僕自身アレクが痛い目を見れば良いと少し思っている部分はありますから。」

 「…ふむ。」

 フー様が目を細める。


 「あのねローナ、あなたが面白がる事じゃなくてよ。これはちょっとした嫌がらせでもあるのだけれど、アリスに代わってベティーナがどれだけやれるかを見る試練でもあるの。」

 「えっ、ベティーナちゃんにも?!」

 そこで過剰反応するって事は…やっぱりベッティに何かあると彼にとって不都合なのだろうか。


 「アリスちゃん、それで良いの?」

 「…ベッティならきっと乗り越えられます。」

 「えっ、本気で言ってる?!アリスちゃん、それは良くないよ。」


 「ローナ、ここはベティーナにも非はあってよ。だから受けるべきだわ。」

 「ナディン、お口チャック。アリスちゃん、本当に良いの?」

 ローナ様は…何をなさりたいんだろう。本気でベッティのために仰ってるの?それとも、何らかの目的のためにベッティを庇うフリをしているの?


 「ローナ殿、シアは被害者で、ベティーナ殿は加害者だ。先に手を出したのは向こうなのだから、この程度で彼女を庇う必要は無い。」

 「お言葉ですがフェリクス王子、アレクの事が無ければ2人は仲良し姉妹だったんですよ?」


 「しかし」

 「殿下に恥をかかせるのはアルバンの気が済むように。ベッティを前に出して無理難題を吹っ掛けるのは、彼女が殿下の隣でしっかり支えられるように、です。私の妹はお2人が仰る程弱くありません。」


 アルバン以外が私をびっくりしたような目で見る。

 「アリス、あなた…」


 「ベッティは…確かに誰よりも不真面目に見えます。でも、それはフー様やナディン様の努力がベッティの努力に比べて表れやすいだけであって、私の妹は妹なりに自分の持てる力を積み重ねている努力家です。地頭は皆さんに劣るでしょう、でも誰よりも劣等感と闘って血の滲むような努力をしているのに表に一切出さない所があの子の良い所なんです。」

 「シア…」

 ベッティは…自由奔放で迷惑被る事もあるけど、そこは尊敬している。


 「この学園の通う事すらあの子にとっては困難な事の連続で、不登校にもなります。普通の子ならふて腐れて退学するでしょう。でも、あの子は必死にしがみついてきたんです。あの子は…親にすら勉強しているのを見せないから遊んでいる所ばかり目に付くのでしょうが、私だけにはちゃんと勉強している姿を見せてくれます。」


 「あのベティーナが…」

 「はい。努力して伸びてもそう目立たないと分かった上で、しっかり努力出来る芯の強い子なんです。私はベッティならきっと…翻訳は無理でも上手く立ち回ると信じています。」


 「ふーん…何か色々な事が起こってるね。」

 ローナ様が愉快そうに笑う。


 「アリスちゃんは、本当にベティーナちゃんの事が憎くないの?」

 「思う所はありますが、殿下のニーズに私が応えられなかった事、ベッティとの相性の方が良かった事を考えるに、落ち着くべき場所に落ち着いたというだけでしょう。」


 「…なるほど、ね。もしかして僕が言った事、気にしてる?」

 「そうかもしれませんね、私…ローナ様のような考え方はした事が無かったのでまた考え直す事があったかもしれないです。」

 彼はおかしそうに笑った。


 「何をアリスに吹き込んで?」

 「ナディンには関係ないよ~。」

 「…まあ良いわ。」

 ナディン様は私達に向き直った。


 「フェリクス様、他に確認なさりたい事は?」

 「…ローナ殿は。」

 うん?


 「僕は?」

 「…女性に対する理想があまりにも低く、人間に対する理想があまりに高い気がするのだが、それはなぜだ?」

 はい?

 「あ、あの、フェリクス様、一体何を…」

 ナディン様、本日3度目のぽかーん。


 「クリストフ殿が言っていた、『2日女性と話さなかったら死ぬ男』は貴殿の事だろう?」

 「フー様、いきなり何の話でございますか。色恋の話はあとでやってくださいませね。」

 アルバンが笑うけど、フー様は至って真面目な顔だ。


 「アルバン、よく考えてみてくれ。普通、ご婦人と会ったらまず人間として見てフィルターをかけ、それを通ったご婦人の中から女性として見るだろう?」

 「いえ、私はその2つの視点が別ですね。例えばナディン様…シルエットが綺麗ですし肌と髪もよく手入れされていて割と高く評価できますが、人間としては言わずもがなクソだと思います。」

 「アルバン!」

 そういう事言わないの。


 「ならばフー様からしてナディン様の評価は一貫してクソなのでございますね?『明日も朝からクソと会うのか~、嫌だな~憂鬱だな~』と思いながらwww申し訳ございませっww下品な代物のような存在がいると思いっwながらw」

 アルバン、今回はローナ様もいらっしゃるからさすがにまずいですよ!


 「アルバンの方こそ下品でよ!」

 「アルバン…ナディン様は下品な代物じゃありませんよ。」

 「私にとってのナディン様は下剤(を盛る人)なので、属性は排せつ物と同義でございます。」

 「アルバン!」

 あなただって下剤を盛ったんでしょうが。


 「はぁっ…もう、信じられないのだけど!」

 「ナディン、ヒステリー起こさないの。はーい、落ち着こ?」

 「…抑えているじゃない!ローナに言われなくても分かっていてよ!」

 すごい大声…アルバン、やりすぎです。


 「あ…」

 さすがにナディン様も気づかれたみたいだ。ハッとしてフー様の方を見る。

 「ふむ…結局、単純にこれはこの国とファイアストンにおける信仰の形の違いなのだろうか。」

 ナディン様の大声を間近で聞いたにも関わらず、フー様は一切動じない。


 「あっ、そうかもしれませんね。女の人は神様みたいな存在だから、どうせ近くにいるなら性格の良い神様が良いですもんね。」

 とりあえずアルバンの事で負い目があるので、ナディン様の事についてもフォローしておく。

 「そうだな。」

 フー様がうなずく。


 「…アルバンの口の悪さは既知の事だが、私はアルバンが言うようにナディン殿をそう性格が悪い人間だとは思っていないぞ。」

 「左様ですか?お気遣いいただきありがとうございます。」

 「私の母を柔和にした性格だと思う。」

 なるほど。まあナディン様も統治者向きの性格ではある。


 「あと、アルバンは…以前に私とフローレンス殿に対し同様の事を言って、全身を燃やされたりワイバーンに国境付近まで投げられたりしていたから、ナディン殿が1番寛容だと思う。ローナ殿も自分が言われたらかなり憤るはずだ、ただ大声を出しただけで済ませた事はナディン殿の美徳だと評価すべきだ。」

 まあ…そうだね。

 「な、なるほど…」


 「アルバンあなた、馬鹿なの?」

 「よく生きてるな~って、まずそれだよね。」

 「精霊使いと翼竜使いのコンボはいけませんねぇ。制服を2着ダメにして大旦那様に減給されました。」

 まるで泥遊びで服を汚したかのような気軽さで死にかけてる。


 「お聞きになりたい事は以上で良いですか?」

 「そうだな。」


 「では、門までお見送り致します。既に馬車は用意してありますので、アリス・アルバンと共にお帰りください。」

 「分かった。今日はご苦労だった。」

 「いえ、こちらこそお疲れ様ですわ。」



【後れ毛アリっス! 役員(フローレンスも一応?)】


・支援者/アルバン

…全て受け入れた上で次の行動に助力する事も制限する事も可能である


□□□□□□実力という壁□□□□□□


・理解者/フェリクス

…大部分を受け入れた上で肯定する。否定する事は出来るが強く出る事は不可能


□□□□□□ここまで被害甚大ラインなので自己責任でね□□□□□□


・支持者/フローレンス

…一部を受け入れた上で自らの好意を軸として肯定する。完全には理解できずとも、寄り添いたいという気持ちは支援者・理解者に並ぶ。


□□□□□□感情移入しちゃうんだよねぇ…□□□□□□


・意見者/ナディン

…表面上しか見えていないので相手に左右されず動く事が可能。でもとりあえず何とかしようとは試みている


 アルバン以外は第2章で頑張り始めたメンツなので、第1章ではダンジョンのキャストが3人の代わりを務めていたつもり…ですが、長くなりました。基本的にアリーシアが病んでしまった時には、アリーシア・この4柱(アルバン以外シフト制)・その他の3構成で進めたいです。


 つまり、偶然にもアリーシアの望みと人間界側の利害が一致していて平穏を保っていたのに、婚約破棄で前者が通らなくなってしまった。そこでほぼ代わりのいない支援者たるアルバンが自分の欲望に忠実になって暴走を始める日常の一部始終を描いたものである…という状況です。

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― 新着の感想 ―
アルバンがナディンに下剤入りジュースを贈ったのは話を盛っているのですか?本当に盛ったのですか?
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