お仕立て モンゴメリーカラーのジャケット 2
それから何度か会話をしようと試みたものの、リトは私たちを避けてしまい、ついには帰宅せずに騎士団の寄宿舎に入り浸るようになってしまった。
「はぁーーー」
「何盛大なため息ついてるのよ?」
脇でヴォルフラムがフォックステールにあてがうレースを選びながら私に声をかける。
「いや、弟が話をしてくれなくて…」
「え?なに、弟反抗期?」
「違います!うちの弟はまだ素直です!
素直すぎて、人の話を聞いて10歳で戦争の従軍手伝いするって…」
私は全く話せていないリトを思うと、ちょっとだけ鼻の奥がツーンとした。
はい、話もできなくてとっても悲しいのよ。
「ああ、もしかしてあれ?」
ヴォルフラムが窓のそとに指を向ける。そこには、青と赤で鮮やかにたなびく旗が見えた。旗の上の部分には何やら金属で吊るしてあり、その金属から下に木の棒も伸びている。
ここは二階だから、下のほうから旗を道で掲げているのだろう。ゆらゆら動きながら窓枠から旗は消えていった。
「なんだか最近旗持った人がいるなって思ってたけど…」
「戦争は騎士達がするんだけどら民間人も付いていって、道楽みたいなことしてる奴らもいるのよ。
戦争だから、騎士も傭兵も出るし、お金も落とすから、そこで商売するのがいるの。娼婦に、料理屋、仕立て屋に武器職人。
あんたの弟もそっちに着いてくって話じゃない?だったら戦いの最前じゃなくて後ろのほうだから物見遊山で行っても平気なんじゃないかしら?」
ヴォルフラムの言葉に私は耳を疑った。
「そ、そんなもんなの?」
「たまに大きい技使うけど、一発放っておしまいで魔女離脱、みたいらしいから、騎士団と傭兵は被害うけるけど、付いてく民間人は逃げるときに怪我したって話ぐらいしか聞かないけど?」
ヴォルフラムの話は深刻さの欠片もない。
本当にそんなもんなのかな?頭の中で何かピースが合わない気がして、私は考えがまとまらなかった。




