お仕立て 舞踏会ドレス 終
「で、できた…」
商会に詰めること、えーっと、10日は優に越えたわよね。
やっと公爵夫人の舞踏会のドレスが出来ました!
袖と裾の縁のところに公爵家の紋を入れたり、ドロンワークと言う刺繍方法をヴォルフラムに教えてもらってなんとかできた、渾身の作品。
「お疲れ様。リゼのお陰で想定よりも早く出来上がったわよ」
「でしょうね!わたし毎日毎日、商会に詰めてましたから!」
ヴォルフラムのおしゃべりを聞きながら仕事をするのは、なんと言うか気疲れしました…一人でやったりお姉ちゃんと黙々やった方がどれだけ楽だったか。
「そんなカリカリしないの。まあ、ちゃんとお給金も出すけど、他にも良いものつけてあげるから。
楽しみにしていてちょうだい」
文句の一つ二つ、続けて出そうだった私の耳が思わず反応する。
お給金…さすが王都、めちゃくちゃ高い。それに付け加えて良いものもくれるって、これはなに?期待していいの?
「じゃあこないだのモスキン…」
先日騎士団長で、かの公爵様と一緒に見た、薄い布地を思い出す。
持ち上げると摘まんでいる感覚はあるものの、重さは微塵も感じなかった。
普通に考えると装飾として使うものだとは思うのだけど、暑がりな彼女になにか作れないか…
「あれでネグリジェ作ったら結構ハレンチよ?あとあれ高すぎ、却下」
手をヒラヒラさせながらヴォルフラムが軽く言うので、思わず声が大きく出た。
「えー!高いならなおさらほしい!
あとネグリジェ作りません!私の事助けてくれた、旅に出てる友達になにかできないかって思っただけよ」




