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お仕立て バックの補修 4

 リムが紅茶を用意していると、制服姿のカイが帰宅してきた。

「お帰りなさい、カイ。もしかして、早馬で知らせたことについて?」

「ああ、義妹のリゼが倒れたって聞いてね。南方の奴ら、自分達の方に魔女の攻撃が来ないくせに、魔女絡みのことにはやたらと首を突っ込んでくるからね。

 うちの管轄、って突っぱねているんだけど、枢機卿まで引っ張り出そうとしてくるから、クルトの父さんの公爵出して引っ込めてきたけど、ちょっとさすがに今回は一筋縄では行かなそうだ。…俺に水ちょうだい」

 リムは紅茶をカップに注ぎ、脇に置くと、水差しとコップを取りカイに差し出す。喉が乾いていたのか、カイは並々と水をコップに注ぎ飲み干した。

 二回繰り返すと、水差しと細かい細工がされたコップを小さなテーブルに置く。置かれた場所ではテーブル掛けを白だけではなくモザイクに照らされた。

 リムは近づき、手の甲に照らされた光を当てる。手の甲が白、青に彩られた。

「…私たちの結婚式を攻撃したり、住んでいた村の回りで農作物が枯れたり、リゼが誘拐されたり…魔女は私たちになにか悪意でもあるのかしら」

「魔女は騎士団を、この国を嫌ってるからね。昔からだ。

 騎士団に攻撃をし、国民の安寧を害する存在、それが魔女だ」

 カイは言い切ると、リムの腰に手を回し、引き寄せる。リムはカイの肩の辺りに頭をつけた。

「魔女は、本当にそれだけで動いているのかしら…嫌な予感しかないの」

「嫌な予感?」

「ええ。リゼがどこかに行ってしまいそうな…」



 ベットの上でコロコロしていたら、扉がノックされた。返事をすると、お姉ちゃんと紅茶と水差し、コップ、それとお茶菓子をお盆に持ったカイさんが入ってきた。

「リゼ、具合どうかしら?カイも心配して戻ってきてくれたの」

「急に倒れたって聞いたからね。大丈夫かい?」

 2人の顔を見てありがたいと思いつつも、制服姿のカイさんを見て、あの牢屋を思い出してしまい少し嫌な気分になった。なるべく顔に出さないように気を付ける。

「お姉ちゃんもカイさんもありがとう。少し眠れそうだから、もう少し休みます」

「眠れるなら寝た方が良いわね。何かあったら呼んでちょうだい」

 お姉ちゃんは頭を撫でてくれたあと、水差しとコップをサイドボードに置いてくれた。

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