お仕立て パフスリーブのドレス その8
リトは陰鬱な気持ちで部屋にいた。
騎士団の捜索隊が組織されて、2日目。リゼの行方は杳として知れなかった。
危ないかもしれないから、護衛につける人を割けないから、と言う理由でリト自身も2日間も騎士団の部屋の一室をあてがわれて、過ごしていた。
ベットに膝を抱えて座り、顔をうつむく。日差しは暖かいが、気分は晴れることはなかった。
なんであのとき、後で会えると思い離れたのだろう。自分も追いかければ良かったのに。
そんなことばかりいつまでも考えていても仕方がないのに、頭の中にこびりついていた。
扉がノックされたので、ベットからのろのろ這い出し、扉を開けるとそこにはリムとファティマがいた。
「リト、少し外出しましょう。ファティマが付き添いしてくれるから、外出の許可が出たのよ」
リムは笑いながら話しかけてくれるが、目の下には黒いものが見える。心配して寝ていないのか。何時もきれいに手入れされていた長いうねりのある髪も明後日の方向に向いてるのがある。
「リム姉、寝癖」
なるべく平静を装って突っ込むが、声がかすれる。思い出せばろくに水も取っていない。
「まあ!ど、どこ?もうっ、今朝カイに髪梳かしてもらったのに…」
あわてて髪を押さえる姉を見て、ふともう一人の姉の髪飾りを思い出した。部屋で塞ぎ混んでても…
「行きます。部屋の中にいても、仕方ないし…もしかしたら少しでもリゼ姉の手がかりが見つかるかもしれないから」
「リト、リゼを探したいのは分かるが探すのは捜索隊に任せた方がいい。
この国の騎士団の話では、魔女が王都まで入り込んでるかもしれないと調査では出てるそうだ。
私が戦ったのも魔女の眷属だとか。魔女の力は不可思議すぎる、この上リトまで巻き込まれたら、危険だし私は困る」
「でも!」
心配だ、探したい。しかしそれをするには自分があまりにも非力なのは分かってる。声を荒げてから、リトは肩を落とした涙を堪えて、声を出せない。嗚咽を堪えるだけで精一杯だった。
顔に掛かる光の眩しさで目を開けた。
ここはどこだろう?
目を開けたリゼはぼんやりとしたままの頭で目を開ける。体を動かそうとして、ずいぶんと固いところに寝かされていることに気づいた。
ジャラン
腕には拘束するための鎖が繋がれていた。
サブタイトル間違えていたので直しました。




