小話 リムとカイ その2
リゼの捜索隊が組織された晩。
「ねぇ…どうしてまだ私の妹は見つからないの?
それに弟に会えないのもどうしてかしら?ねぇ、私の副団長さん?」
カイが住まう屋敷はツィトブルグの筋のように王宮まで延びている大通りの一つに店を構えた商家である。
結婚式が一度魔女の被害を受けたとはいえ、婚約をしているから、とリムと2人夜間は一つの部屋で仲睦まじく過ごしていると考えられていた。
そんな夜間の一室。
「もちろん頑張って探しているんだけど、まだ…」
「あら、私に口答えするの?いけない子」
確かに睦まじい。
ベットに座ったカイの上にリムは腰掛けている。リムの指カイの頬からなぞるように首元まで降りてきて、首に巻かれたベルト沿いに首をなぞる。
「ねえ、もう一度言うわね。
明日は私の弟に会わせて頂戴。警備が必要なら、きちんと付けて。
もちろん妹も早く助けて。
…あなたが何か隠しているのは知ってるけど、それは私に叱られる遊びをしたいから隠している訳じゃないわよね?」
ベルトの縁にリムは指を掛け引っ張る。
引っ張られカイはされるまま、リムの肩に顔をのせる。
「それとも、きちんと言いたくなるようにご褒美をあげないといけないのかしら?」
リムの声がカイの耳元で囁かれ、カイは体を震わせた。
「頑張ってるから、ご褒美欲しいです…。リゼのことも言いたいんだけど…あっ…まだ、今は団長からも口止めされてて…」
「……そう?それじゃあ仕方ないわね。今日はここまでね」
リムは残念そうに言うと、ベルトの近くに唇をつける。
ゆっくりと舐め上げ、顎の辺りをわざと歯を立てて甘噛みした。そして噛んだ場所に唇が触れる。
ちゅ、と音を立てて唇から音が漏れた。
「ご褒美は私の要望がすべて叶ってからよ。そうしたら副団長さんのお望み通り遊んであげる」
リムは笑顔で体を離し、カイの喉に巻いたベルトを外してしまう。何か言いたそうにするが、カイはリムを見つめるだけであった。
首輪が外されると、リムはサイドテーブルに備え付けられた引き出しに首輪をしまう。中には鎖のようなものも見えたが、そのまま鍵が掛けられた。
「それじゃあ、明日もお仕事頑張って、カイ。頑張って貰いたいから、今日は早く寝ましょう?」
爽やかに笑顔でそう言うと、早々にリムはベットに入ってしまう。あとから遠慮がちにカイが入り、リムに手を伸ばすが、ピシャリと手の甲を叩かれた。
これが彼らの日常の睦事の一部だった。
レーティングに引っ掛からないか心配ですが…




