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閑話休題 王都への旅3

 あのあとファティマは川まで来る間に結局三羽も兎を狩ってくれた。いつも素早く、風の音に紛れるように弓を射る。あまりの手際のよさに、ファティマの腕のよさをひしひしと感じた。


 血抜きを容易くするために、兎たちは生きていたがだらりとしたままファティマに連れていかれていた。

 川まで来ると血抜きをしてくるから、とファティマは私たちと離れて一人下流に下って行ってしまった。

 多分だけれども、私たちに見せまいとしてくれていたのかもしれない。兎を捌くところを。

「リゼ姉、ファティマが戻ってきてすぐに調理できるように、薪拾って火を起こしておいたらいいんじゃないかな」

「ん、たしかに。リトってほんと、気が利くよね~」

 私たちは辺りを二人で回りながら木を集める。

 石に打ち付けたり、手でしならせたりして、なるべく乾燥している枝を選びながら辺りを一巡した。

 たちまち私もリトも両手に抱えているのがやっとになるほどの木の枝を集めてしまった。

 川から少し離れた石砂利の辺りにお互いが集めた木を纏める。

 岩に当たる水音を立てながら、川の水が流れていく。澄んだ水はあとで汲んで沸かしてお茶でも入れようかしら。

 そんなことを集めた木の枝で焚き木を組みながら考えていると、ファティマが戻ってきた。

「ファティマ!?」

「え…何でびしょ濡れなの!?」

 みずも滴るいい女、じゃなくって!

 慌てて私は自分が羽織っていたマントを胸元で止めてたハトメに通したリボンをはずし、ファティマの肩に羽織らせる。

 ふわりとマントが肩に辺り、やがてじっとりと濡れてしまった。

 マントの間からは薄い生地の上着から肌の色が露になる。

 濡れたファティマの長いポニーテールは、まるで天鵞絨のように光を浴びて見えていた。

「血抜きをして最後に水で流そうとしたのですが、気を取り戻した兎に暴れられまして…」

 すまなそうに言うファティマの手には内臟を取り除かれた兎が一匹しかいなかった。

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