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お仕立て セレモニードレス その3

誤字訂正していただきありがとうございました!


 ダッシュでサラの家まで行ったら運良く馬車で出掛ける所に間に合って、町まで乗せて貰うことになったんだけど…


「酔った…きもちわるー」

「気持ち悪いいうな。」

 サラの突っ込みが間髪入れず入る。

 ガタガタいう道を進むので、見事酔ってしまった。馬車の荷台の縁にタオルを乗せ、頭だけ少し出す。幌から空を見上げると、晴天よりは雲が多いけど、非常にいい天気。少し暑い。

 私は気分最悪だけどね!

「二三日前に雹みたいなものが降ったらしくてね。すぐ溶けたみたいなんだけど、それから道がガタガタなんだよ」

 サラの家に仕える若い使用人のお兄さんが馬車を操りながら説明してくれる。

「なんかさー、同時に農作物が村周辺で枯れてんでしょ?

また魔女なんじゃない?」

 脇で青い顔して私とは逆に荷台の縁にうつ伏せぎみにぐったりしてるサラが、顔を上げずに言う。

 私よりも酷そうなんですけど?

 ふと、お姉ちゃんの結婚式の時にサラから言われていた刺繍入りのハンカチを乞われていたのを思い出した。

 がさがさポケットを見ると、サラ用に刺繍をしたのが出てきた。氷の意匠…らしい。

 お姉ちゃんのと同じ刺繍。本見てに作っただけだけど。あとなんだっけ?健康増進?

「サラ、こんなときなんだけどハンカチ、はい」

「ん」

 ハンカチを開くと、涼しくなった。そのままサラの背中に掛けてやる。

「なにこれ…涼しい」

 サラが呟く。

「頼まれてたの、試しに作ったよ。」

「やー、これ気持ちいいわ。真夏に売れそう…涼しいー」

「そんな大袈裟だよ」

 ゆっくりと馬車が止まった。

 町ではないみたいだから、どうしたんだろうとサラの家に仕える若いお兄さんの方に視線を向ける。


 その先には、泡を吹いてる馬と止まった馬車が見えていた。

「村の人の馬車なんだよ。おーい、どうしたんだい?」

馬車の馬を介抱していた男の人が小走りに来た。

「良かった!馬が倒れちまって…病人を町に運んでたところなんだ。悪いが、頼めないか?

大人と赤ちゃんなんだ」

「サラお嬢さん、良いですよね?」

「良いよー、困ったときはお互い様だし」

 サラが体を起こして答える。お、さっきよりも顔色良さそう。

「ありがたい!おーい、別な馬車に乗せてもらえるってよ!」

 馬を介抱していた男の人が馬車に戻って声をかけ、荷台にいた人を下ろす。

「あ、あれ?赤ちゃんのお母さん?」

 そこにいたのは血の気の引いたような真っ青な顔をした、先日セレモニードレスをオーダーしてくれた、赤ちゃんのお母さんだったのだ。

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