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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

妹が死にました

作者: どんC

 妹が死にました。

 妹が死にました。

 美しい妹が死にました。

 人々は妹の事を女神だ!! 妖精だ!! と褒め称えました。

 私の事は嫉妬に狂った醜い女と罵りました。

 私の婚約者と妹が恋に落ち。

 嫉妬に狂った私が妹を殺そうとしたと、国外追放になりました。

 私は罪人として人々から追われました。

 ゴトゴトと馬車が揺れ。

 人々は私に石を投げつけました。


 私は【魔の森】に置き去りにされました。

 私が妹を殺そうとしたと自白させる為に拷問にあいました。

 右目は潰され。手足の爪ははがされ。

 たった一つの自慢の髪はむしり取られ。

 歯も5・6本へし折られ。

 焼きごてを体中に押されました。

 妹と婚約者は苦しめるため……少しでも長く苦しめる為にそうしたのです。

 私はもう笑うしか無かった。

 婚約者に恋をしてずっと彼に釣り合う様に努力してきました。

 妹に恋をした婚約者……

 見ないふりをしたつけがこれです。

 はたから見たらさぞや悍ましい光景だったでしょう。

 拷問に合い化け物のようになった女が地面を這いずり笑っているのだから。

 這いずっていた先に小屋がありました。

 こんな森の中に住んでいるのは……


「キヒヒ……」


 魔女しかいません。


「哀れな子だ。妹に全てを奪われ。命まで奪われそうになるとは……」


 魔女は全てを知っていました。

 私はポロポロと涙をこぼす。

 そう……私は無実。

 妹と婚約者に嵌められただけの無力な女。

 魔女は私を迎え入れてくれました。

 全ての国民に拒絶された私を。

 私の傷が癒えると。

 魔女は私に薬草の事を教えてくれました。

 口は悪いけど、本当は優しい人です。

 魔女は森の中に薬草園を持っていました。

 私は魔女の弟子になり。薬草の事を学びました。


 私は魔女のお陰で帝国一の薬師になりました。

 都の薬屋に薬を下ろしていると。

 王の使いが現れ、城に連れていかれました。

 王子が呪いにかけられていたのです。

 私は王子の呪いを解きました。

 呪った相手に三倍返しで呪いを叩き付けました。

 王子の躰を蝕んでいた呪いの蛇は三十匹になり呪った相手に向かいました。

 私はついでに城の浄化もしました。


 私は森に帰りました。

 王子が度々訪ねてきます。

 魔女は魔女会の為に出かけています。

 私は黒いベールをかぶり王子の相談にのります。


「君の妹が死んだよ」


 王子が私に教えてくれました。


「私を呪った女は呪い返しにあって。腐れ死んだそうだよ」


 どうやら私は知らずに復讐を果たしていたようです。

 妹は帝国の王子に恋をして邪魔になった婚約者を殺し。

 帝国の王子に呪いをかけ。

 聖女として帝国に乗り込み王子を助け結婚するつもりだったようです。

 因みに婚約者を殺し王子に呪いをかけた犯人は私にするつもりだったようだ。

 何処まで私を貶めたら気が済むのでしょう。

 妹こそが災厄の魔女。

 妹が死んで皆正気に戻ったそうです。

 だから何だと言うのでしょう。

 王太子の婚約者に選ばれ死に物狂いで王妃教育に励んでいた女は、王太子と妹に嵌められ死にました。

 私の右目が元に戻ると言うのでしょうか?

 むしり取られた髪も歯も、もう二度と生えません。

 体中に押し当てられた焼きごての跡が寒い日には疼きます。

 こんな姿の私をあの国が受け入れてくれるわけがありません。

 腐っているのは妹だけでは無いのです。


「大叔母様が私を助けてくれたお礼にこれを君に渡すようにって」


「これは?」


「エリクサーだ。これを飲めば元の躰に戻れる」


「これは……本物。でも北の魔導士は偏屈で気に入った者しか渡さないのに」


「私の大叔母は森の魔女でね。北の魔導士に貸があったそうだ。エリクサーで貸を返してもらったんだと」


「お師匠様……ありがとうございます」




 帝国の南の森に魔女が住んでいる。

 たいそう美しい魔女で夫と一緒に暮らしているそうだ。

 二人の間に子供が三人いて仲良く暮らしている。


         ~ Fin ~



 *************************************

 2018/8/26 『小説家になろう』 どんC

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 ★ 主人公 17歳

   婚約者と妹に嵌められ。拷問され魔の森に捨てられる。

   森の魔女に助けられ。魔女の弟子になり帝国一の薬師になる。

   帝国の王子の呪いを解き。褒美にエリクサーを与えられ元に戻る。

   高貴な身分の男と結婚した。森で幸せに暮らしている。


 ★ 森の魔女 (年は乙女の秘密♥)

   森に住む魔女。王族。主人公を助ける。

   主人公の為に北の魔導士の所にエリクサーをもらいにいく。

   条件として五年間魔導士の代わりに北の王族の王子の子守をさせられる。


 ★ 主人公の婚約者 (20歳)

   主人公の妹に惚れて。主人公を罠に嵌め追放させる。

   邪魔になったので主人公の妹に殺される。

   魅了に掛かっていた訳ではなく。ただの屑。


 ★ 主人公の妹 (16歳)

   美人ではあるが。心は腐っている。

   姉の婚約者を取り。無実の姉を拷問にかけ追放する。

   帝国の王子に惚れて邪魔な婚約者を殺し。帝国の王子に呪いをかけ。

   帝国に聖女として乗り込み王子の呪いを解き結婚する予定であったが。

   姉の呪い返しにあい腐れ死んだ。天然パーマで姉のサラサラヘアーに嫉妬していた。


 ★ 帝国の王子 (22歳)

   呪いをかけられえらい目に遭う。

   主人公に助けられ、主人公に惚れる。

   帝国の第五王子なので割とゆるい。

   植物学者。森の魔女は大叔母。仲が良い。

   主人公と結婚する。













最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公が幸せになった。ほんと良かった。けど、王子様は王族としての仕事はどうしたんでしょ。通い妻ならぬ通い夫?魔女さんも王族なんだし、書類仕事や社交以外でがんばってるのかしら。 [気になる点…
[気になる点] 森の魔女さんの話も気になるなぁ [一言] 誤字報告です 高貴な身分の男と結婚したする。 ▶高貴な身分の男と結婚した。かな? そっかー、乙女の秘密かぁー(棒)
[良い点] 腐れ死ぬとは中々愉快な死因です(*´ω`*)
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