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第3話《宇宙艇の探索》

夏休みの課題に追われる日々……

 延々と荒野を歩き続けるクラスメイト達と薫。



 ここは一体どこなのだろう。そして、自分たちが乗っていた宇宙艇はどこへ行ってしまったのか。

 不思議に思ったユウトはクラスメイト達と共にあちこち走り回り、ついに見つけた。荒野が一直線に大きく削られ、その先に何かが燃えているのを。


(直感でわかるぞ。あれだ!まだ燃えている、俺達が乗っていた宇宙艇に違いねぇ!)


「おい、皆のところに戻るぞ。薫ちゃんにこの事を早く知らせねぇと!」

「「おう、急ごう!」」


 彼らは急いでクラスメイト達の元へ戻り、そこで見た光景を事細かに説明した。

 それを聞き、ユウト達が発見したのは墜落した宇宙艇であると確信した薫は、生徒達を連れてその場所へ赴くことにした。


 そして今に至るのである。



「ここ、一体どこなんだろうな。暑くも寒くもないし、俺達が呼吸できてるってことは酸素が存在しているってことだから、地球か、地球によく似た惑星なはずなんだけどな。どう思う、華音?」


 皆を案内するため先頭を歩いているユウトは、左斜め後ろを歩いている華音に話しかける。


「そうね、あんたの言う通りだわ。でも、地球を出発して地球で墜落するなんて有り得ないから、ここは地球によく似た惑星、ってことになるわね」

「そうなんだよな〜」


 今度はきちんと答えられた。華音は小さくガッツポーズをとる。


 すると、ユウトの右斜め後ろを歩いている健吾も会話に加わってきた。


「もしここが地球なら、宇宙艇が墜落した時点で人工衛星が発見するだろうし、すぐに救護のヘリなり車なり来ているはずだ。俺達がここで目覚めてから1時間以上経つのになんの動きも見られないってことは、ここは地球じゃねぇよ」


 健吾は、図体はデカいが脳筋ではない。ちなみに、彼の二学期定期試験の成績は、学年五位である。

 国内屈指の名門校の中の更なるトップ。つまり、世界に誇れる秀才だ。



「さあ、みんなもう少しだ。あそこで何かが燃えてるのが見えるだろ?」


 ユウトが指さす方向を目で辿ると、確かにそこでは何かが燃えている。しかし、遠目で見ただけではそれが宇宙艇であると全く認識出来ない。それほどまでに木っ端微塵であった。あちらこちらに残骸のみが転がっている。

 自分たちが歩いている周辺にも、ちらほらと宇宙艇の残骸の一部が出現し出した。それにつれて、大きな岩も出現し出す。


 更に歩き続けること五分、遂に到着した。大小さまざまな岩に囲まれた、完全な岩場である。


 辺り一面に広がる残骸、残骸、残骸……


 火は既に消えかけているが、鼻腔に突き刺さるような異臭は未だ残っている。


(これは酷いですね。艦長さんも搭乗員のみなさんも、とても生きてはいないでしょう。でも、もしかすると奇跡が起きているかも知れません。彼らを探さなくては)


 そう考えた薫は、


「みなさーん!集合して下さい!これから艦長さんや搭乗員の皆さんを探します。しかし、そんなことはしたくないと、恐いと思う人もいるのではないかと思います。そのような人がいたら、素直に手を上げてください。もちろんこれは自主活動ですから、やりたい人だけやればいいのですよ」


 そう言って生徒達を見渡す。しかし手が上がる様子は微塵もない。彼らの顔は青ざめているが、皆決死の表情で薫を見つめている。


「……分かりました。それではみんなで手分けして、探し出しましょう!」



 一時間ほど経っても、結局彼らを見つけることは出来なかった。おそらく墜落時の爆発で肉体が燃え尽き、灰になってしまったのだろう。


「皆で黙祷を捧げましょう。自らを犠牲にして私達を死から救ってくれた、命の恩人達です」


 薫は一人クラスメイト達の前に立ち、手を合わせて目を(つむ)る。


 ひとり、ふたりと生徒達も手を合わせて目を閉じ始めた。


 二分がたった頃だろうか、皆一斉に目を開く。顔を上げた彼らの表情からは、艦長、そして乗組員達への感謝の念が見て取れる。


 後ろを振り返り、薫は皆に呼びかける。 


「さて、皆。荷物は宇宙艇に積んであったから燃えてしまったわね。持ってるのはスマホくらいかしら?……はい、みんな持ってますね。電波は繋がってはいませんか?......やはりいませんね。では、これからどうするか決めていきましょ……え?あ、あぁ……」


 突如、薫の顔が驚愕に歪む。その目には何が映っているのか。


 バッと振り向くクラスメイト達。彼らの視線の先には……


 化け物がいた。

読んでいただきありがとうございます。


そろそろ戦闘シーンを書こうかな。

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