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敗戦国の精鋭竜騎士 〜添えるは箱庭お嬢様〜  作者: 水無月 純/横澤 青葉
7/10

日本の兵士は結構ブラックだな。

「あと如月。」

「は、はい!」

「ここはお前の地方ではない。その方便を直せ」

「え!?」

「お前の返事は〝え〟なのか!?」

「すみません!わかりました!」

「よし。今日はこのまま荷物を整理し、施設の案内だ。」


そこから10分以内に自分の寮へ行き、荷物を整理し、元の場所へ戻ってくる。

だが集合場所から寮への距離が1km近くある。

そのため、遅い人は6分近くかかる。

足が遅い人にとっては最初から地獄だ。

急いで寮につき、数少ない荷物を整理し、戻った。

…そう言えば同室の人を確認してなかったな。

存外早く終わったらしく、集合場所にいたのは柚木と隊長しかいなかった。


「柚木、早すぎない?」

「私も足の速さには自信があってね。」

「すげ」


ここまで言いかけた途端、血の気が引いた。


「お前、名前は?」

「はい。霜槻です。」

「霜槻は上司の前のペチャクチャ話すんだな?」

「いえ!すみません!」

「…明日からやったら訓練場を走らせるからな」

「はい。わかりました。」

「よし。」


と言うと教官は歩いてどこかへ行った。

ここでゾロゾロと戻ってきた。

最後の人でも9分30秒と、皆が間に合った。


「よし、それでは案内を開始する。」


と、荷物を整理し終え、なおかつ1番早く戻ってきた鐘成隊長を先頭に隊列を組み、様々な施設へと歩いていった。

龍舎や食堂。トレーニングジムだったりまさに多種多様な施設があった。

その中にもドッグランならぬドラゴンランと、ドラゴンと一緒に訓練を出来る所もある。


ただ、塀の上には有刺鉄線だったり、出口付近には兵士が駐在していたりと、「逃がさない」という意志がひしひし伝わって来る。

そして、兵士にはかなりブラックだ。

「平和のために死ね」と言って訓練量を数倍にするなんてことはザラだ。


そこまで驚く事でもないが、過労自殺も複数いる。

そんな者は、「弱虫」だの、「お豆腐メンタル」として、後世まで語り継がれるらしい。

笑い話として。


ここまで来たら教官に反抗してボイコットでもしたら良いと思う。

それは最もしてはいけない行為だ。

教官はドラゴンより強い。

それこそ、集まったら冥王級や神級を討伐できるのではないかと言うレベルだ。

つまり、俺ら訓練兵が束になってかかっても一蹴できると言う事だ。

噂によれば、前にボイコットした一つの隊が、隊長含め全ての隊員が四肢のどれか一つをへし折られた状態で自宅へと送還されたらしい。


「これで案内を終了する!今日は寮に戻ってゆっくり休む事!以上!」


そしてゾロゾロと寮へと戻って行った。

そうして寮へと歩いていると、柚木が隣に並んで歩いていた。


「…なんでお前は俺の隣に?」

「え?何言ってるの?同室だよ?」

「は?」


寮に着くと同室を確認した。

そこには、霜槻、如月と2つの名前しか書いていなかった。

急いで隊長の部屋へと向かい、ノックをした。


「どうぞ。」

「すみません隊長。何故男女か混合の部屋になっているんでしょうか。」

「あー、それはな、寮でも男女間の仲を深め、訓練のペアが固定にならないようにだ。」

「だとしても男と女ですよ?何かあったら大変だと思うよな?」


と、横の柚木を見ると、顔を真っ赤にし、「あ、あんな事…」と恥ずかしがっていた。

oh…こいつは下ネタはそこそこ知っているんだな。


「まぁ、とりあえず上の命令だ。後、男女なのは合格の順番だから、お前らが1、2で合格したんだろう。」

「つまり俺が3で4が田辺だとすると俺と田辺になるんですか?」

「まぁ、そういう事だ。頑張れ。」


との言葉だけの励ましと応援が聞こえた。


「失礼します。」


と、扉をゆっくり閉めると、柚木を確認した。


「はわわわ…あんな事…」


といつまでも自分の世界に浸っていたので、頭を叩き、「そんな事しないから。」と言って部屋へと連れ帰る。


「俺は寮でも落ち着けないのか…」

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