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敗戦国の精鋭竜騎士 〜添えるは箱庭お嬢様〜  作者: 水無月 純/横澤 青葉
6/10

びっくりさせて悪かったな

そうして、遂に横浜駐屯地へ到着した。

俺達は最後の方だったらしく、到着して間もなく集合がかかった。


「第73隊隊長の鐘成かねなりだ。乗っているのはこのティアマト。水龍の上位種だな。」


その時、歓声が起きた。

ここにいる大体の人は通常種なので、上位種などあまり見れないのだ。


「じゃあ一番左のお前から自己紹介とドラゴンの名前な。」


と、淡々と進んで行き、望南(おれ)の番になった。


「霜槻望南。ドラゴンはイフリートの幼獣。」


どっと笑いが起きた。

確かに、幼獣を連れてくるのは流石に頭がおかしい様にしか思えない。だが─


「後もう少しで成獣化するんで。よろしく。」

「成獣化させてから来いよ!」


こうなったら見せてやるしかない。


「イフリート!」


とわざと呼ぶと、


「俺はニーズホッグだっつの!」


と、言葉に反して以外に従ってくれるイフリートは、真上に紅い炎を吹いた。

こんなチビからあんな炎で出たと驚いていた。


「あー…うん。びっくりさせて悪かったな。」


と爽快感たっぷりに言うと、隊長がゴホンと咳払いをし、


「次。」


と告げたので柚木になった。


「うちは如月柚木です!使っているのはサラマンダーです!」


と、自己紹介すると、上から火竜が降りてきた。

隊長は頷くと、次の人に自己紹介を進めた。

そして、最後の1人が自己紹介を終えると、


「以上私を含む第73隊10名。敬礼!」


と大声で言うと、国民なら皆知っている敬礼をした。


「以上、73隊集結の儀を終わります。これより、教官の指示に従って行動する事。」


と、隊長が言い終えると、一番右に並んだ。

そうすると、教官がどこからともなく現れ、


「俺はここの教官の城田しろただ。よろしく。ドラゴンは使役していない。」


なんで使役していないのにドラゴンばっかのこの隊に来たんだ?

そう考えている途中で自分よりやや右側にいるいかにもチャラい男が急に笑いだし、


「ドラゴンさえ使役出来ねぇ奴の訓練なんて受けたかねーよ!帰れ!」


と教官に唾を吐いた。

だが、物凄い速度で鐘成隊長がチャラ男を抑え、強引に頭を地面に付け、


「すみませんでした!この件は私に免じて許して下さい!お願いします!」


と大声で叫び何度も何度も土下座を繰り返していた。


「鐘成。止せ。」


だが、教官が辞めさせ、


「おい。そこのお前。名前はなんだ。」

「あ?田辺たなべだよ。」

「よしでは田辺。ドラゴンを呼べ。私と1発やってみるか。これで俺がお前に負けたら俺の地位と全給料をお前にやる。」

「いいんだな?」


田辺はドラゴンを呼び出した。


「地龍!」


実はまともな名前が付いているのはサラマンダーだけで、他の龍にはついていないのだ。

上位種は全て付いているのだが。


「よし。では始めようか。」


隊長が「始め!」と声が響いた刹那。勝負は決まった。


教官が田辺に近付き、そのまま顎にフックを決めた。

ただこれだけなのだが、速度と威力が桁違いだった。

一瞬で近付き、寸止めなのにも関わらず風圧だけで田辺を吹き飛ばすフック。

一つ一つが洗練された動きで、一切無駄がなかった。

勿論吹き飛ばされた田辺は気絶していた。


「お前らも頑張ればこうなれる。私の訓練に付いてこれればな。」


今日は皆が絶対に教官には逆らうまいと固く誓った日だった

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