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風蓮ノ絵師  作者: 放浪ノ語リ手
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始マリノ章

東の果てに小さな島国が存在していた。

幾度かの戦乱を経て、長い時をかけて、その国は一つにまとめられた。

しかし平和が訪れると同時に、数知れぬほどの人々が国を離れた。

間諜、盗人、暗殺者といった、闇に生きる者たち。

戦乱というもっとも深い闇が失せるのと共に、彼らも排除されたのだ。


しかし異国へと追放されてもなお、彼らはくじけなかった。


西へ、西へと幾代もの世代を重ねつつ、最後に古来からの近辺の住民すら寄り付かなかった、

深い森と険しい霊峰のそびえる地に根を下ろした。

ただ彼らには、風雨を凌ぐ家も、それを建てるための財産すら何一つ持っていなかった。

それで、彼らは何をしたか。


盗んだ。


たくましく誇り高き罪人であった先祖と同じように、

周りの国から技術を、物を、人材を。時に巧妙に、時に大胆に。


彼らは己が無力だと、長い放浪の末悟っていた。だから特定の敵を作らなかった。

異国の技術を、自分たちなりに発達させる腕を持っていた。だから盗んだ後、己の力で立ち上がった。


やがて彼らが自らの国を建てたとき、周りの国々からこう呼ばれた。


『極東より来たる忍びの国 風蓮国』と。

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