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首斬り魔王少女  作者: 有寄之蟻
・本章・
13/17

秘密の通路とその終着点で

地下への階段は、しばらくして終わりました。


前方には壁や床自体がぼんやりと発光している細い通路がありました。


端まで行くと、カユラの言っていた通り、行き止まりになっています。


ミツリは、しばし黙って壁を見つめました。


そして徐に壁を叩きだします。


両手の手のひらで、壁の端をパンパン叩き、それを右から左、上から下へと続けます。


しかし、何かが起こる訳でもありません。


ミツリは一瞬考えて、次に左の壁にも同じ事をしました。


範囲は正面の壁と同じ幅です。


こちらも何も起こらなかったので、右の壁へ。


ミツリが右手を叩きつけた途端、彼女の視界がぐるりと回転したような気がしました。


ミツリはハッとして壁から身を離します。


そしてすぐに異変に気がつきました。


ミツリが叩いたのは右側の壁でした。


しかし、その壁の両側に壁があり、行き止まりに正面から向いている姿勢になっていたのです。


振り返ると、細い通路と行き止まりが見えます。


降りてきたはずの階段は消えていました。


ミツリは嬉しくなって、思わず微笑みました。


それは、彼女がこの世界に召喚されてから、初めての笑顔でした。


新たに現れた通路を進み、行き止まりに辿り着きます。


そして、ミツリは迷う事なく、壁を叩き始めました。


今度は、左の壁を叩いた瞬間、また視界がぐるりと回りました。


後ろを向くと、また通路。


そんな調子でミツリは道を進み、最後に視界が回転した時、彼女は広い部屋にいました。


そこは、壁や床や天井中に不可思議な模様の溝がはしり、その全てが、部屋の中心にある円形の溝に繋がっています。


ミツリは少しの間その円を見つめましたが、ゆっくりとそれに近づいていきました。


ミツリが円の中心に立った瞬間、円から光が立ち上がり、彼女の視界が金色に染まりました。





光の柱が立った部屋の中心から外に向かって、不可思議な模様の溝に金色の光が流れていきます。


それは城の地下から魔王城を巡り、やがて魔界全土へと満ちていきました。





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