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テンプレ・・・?
「あそこにある玉座が見えますか?」
カユラが指差すと、いつの間にか、少し先の暗闇に黒い玉座が浮かび上がっていました。
ミツリは首肯します。
「では、玉座の後ろにお立ちになって下さい。そうすると階段が現れますので、それを下まで降りていって下さい。下り終わると通路がありまして、真っ直ぐ行くと行き止まりにあたります。そこからは自分の力で道を探して下さい。宜しいですね?」
ミツリはカユラをじっと見つめました。
その黒い瞳には、不安が満ち満ちています。
しかし、彼女は一回、しっかりと頷きました。
カユラは、またにっこりと笑いました。
「そのハンカチはお貸し致します。またお会いした時にでもお返し下さい。貴女が戻って来られるのを楽しみにお待ちしていますよ。ーーーーでは、いってらっしゃいませ」
カユラの声に背中を押されて、ミツリは玉座へと歩いていきました。
その背に立つと、音もなく玉座が前に滑り、狭い階段が姿を現します。
ミツリは一度深呼吸をすると、確かな足取りで、一歩一歩、階段を下り始めました。