釧路 台知(くしろ だいち)の場合 その5
『これはお前の仕業か?』
振り向いた時に一番に目に入ってきたのは綺麗な空の色だった。
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「…………………え?…あっ!!いや、これはッ!ちがっ!!」
いきなりのイケメン登場で頭の回転が遅くなっちまった…。
俺の後ろから声をかけてきたのは言葉どーりのイケメンだった。
頭の上の方で結んである長い髪は蒼く空の色と同化してみえた。
前髪も長く伸ばしてはいるが、重たい感じはしない。
逆にさらさらと流れる髪は柔らかそうな雰囲気を纏っている。
左目を隠してはいるが、右目を見るだけでも顔が整っていると分かる。
男にしては白い肌で、蒼とは相反した紅い目をして
いて、元からなのか、見たこともない自分を警戒してなのかは知らないが、その紅い目は鋭く尖っていた。
『……これは、お前の仕業か?』
何も喋らなかった俺に焦れてか、もう一度質問をしてきた。
「え?あ、いや、違いますよ!!なんか…いきなりこんな事になったって言うか、なんと言うか…いや、そりゃ、ここに居たのが俺とこのオッサンだけだし?疑いたくなるのはわかるンすけど…それでも、違う…とぃぅか?…ゴニョゴニョ…」
少し、言い訳がましくなってしまったが、本当の事なのだから仕方ない。
全くもって見に覚えがない事はきちんと(?)否定しておかないと。
『…………そうか。』
「………………?…あの~…?」
『なんだ?』
「…どちら様で『ガルド様ッ!!!』…イラッ」
また俺の言葉を遮りやがった!!
俺がイケメンの名前聞きたかったのに!!
…?ちょっと待てよ。
さっき、〈ガルド〉っていった?
たしか〈ガルド〉って十王の中にいたような…?
『何故、十王の御一人がこのような所に居られるのですか!?』
やっぱり~♪(*≧∀≦*)やったね♪あってたね♪………ッじゃナイ!!!!!!
え?なんでこんなところに王様がいんの!?
オッサンが言うには王審判の途中だって…!!
え?
もしかして抜け出してきたの?
抜け出して来るほど大事な建物なの!?
え?どーする?
この建物を壊したのが俺って事になったらどーする!?
やばくね?
王様が見に来るくらいだからね?
よっぽどダヨ!?
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…!!!!!
「誰か助け…『全く、王審判を抜け出すだなんて、ナニをやってるんだい?ガルド。』……。」
………また、イケメンが来やがった!!
アハハ~。
この後の展開どーましょ♪(*≧∀≦*)
頑張りまーす!!