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人生転換  作者: 欠乏症
1/8

釧路 台知(くしろ だいち)の場合

ーある朝ー


「………………………………。」


…なんだコレ…。


人生転換

釧路(くしろ) 台知(だいち)の場合


はじめまして~。


俺は釧路(くしろ) 台知(だいち)18歳。

本当なら高校3年生…なんだけど~…えー、現在ヒキニートnowな状況。オタクではないぞ。


毎日毎日、母親から洗濯物や掃除。夕飯の準備まで頼まれている。(まぁ、高校に行ってない分断りづらいというか、母さん一人で今まで育ててきてくれた分を返したいというか…。)


うちは母子家庭で俺が産まれてすぐに父親は交通事故で死んだと母さんからは聞かされているけれど、正直、どーでもイイ。父親の事なんて全然知らないからか、何にも思わないんだよなー。


『ダイチー!!早く起きなさい!!』


あ、そーいえば弁当作らねーと!!


母さんの弁当を作るのは俺の役目。病院で夜遅くまで頑張っている母さんに美味しいものを食べてもらおうと、今、必死にいろんな種類の弁当を覚えている途中だ。


『今日は少し遅めに出てくからあんまり急がなくてもイイよ♪』


「ふゎあ…」と欠伸をしながら階段を降りてから台所に向かうと母さんが声をかけてきた。


『今日は遅番(おそばん)なんだ~。』


ニッコリとしたとても40後半とは思えない可愛らしい笑顔で上機嫌に話しかけてくる。


「あー、そうなの?んじゃ、少しはゆっくりできるね♪」


母さんに負けない笑顔でニッコリと返すともっと機嫌が良くなったらしく


『えへへ~♪そーだネ~♪(*^^*)』


とバックにお花が見えるほどの笑顔を見せてくれた。


         〔間〕



母さんの出勤時間に合わせて弁当を作り終えるといつものように朝の挨拶(①母さんが『ありがとー♪』と言いながらハグ②ほっぺにキス③もう一度ハグ)をして、玄関で『いってきます』と「いってらっしゃい」をかわす。


その後は、昨日やれなかった台所の掃除。


「…うしっ!やるか!!」


今になって昨日のうちにしとけばよかったと後悔するが、それはいつもの事。


料理に使う場所だからかいつも綺麗にしておかないと気になってしょうがない。シンクの汚れやオーブンに付いた油なんかも綺麗に拭き取る。


ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ


…なんか楽しくなってきたかも…。


ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ ゴシゴシ


…やべぇ、ハマるわー♪


あれ?ここの掃除こんなに楽しかったか?


…ま、いいか。


いつも以上にゴシゴシと擦ってから、一通り掃除を終らせると手に付いた油が目に入った。


「うげぇ、きったねぇ。」


台所にある石鹸で念入りに泡をたて始める。


ゴシゴシ ゴシゴシ ツルツル ゴシゴシ


結構、たったかな?と思い少しだけ力を抜くと


…ツルッ!!……あ。落ちた。


「ハァ…。何やってんだよ、俺。」


落ちた石鹸を取ろうとすると、何故か俺の足が無意識に動き………石鹸を踏んだ。




俺の意識はそこで途切れた。

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