第70話『最終決戦・真の逆転者』(最終回)
前回のあらすじ
マイナスレベル-500まで到達したアキラ! 全てが逆転した力を使いこなし、モンスターたちを次々と倒していく。そしてついに、最終段階へ――レベル-999を目指し、ゼクスとの決戦が迫る!
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朝日が昇る。
最後の朝だった。
「よし……」
アキラが立ち上がる。
レベル-500。全ステータス-500,000。
「今日で……-999まで到達する」
「ええ」
リーナが頷く。
「あと499よ」
「行こう」
六人が、森の最深部へと向かった。
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森の最深部。
そこには、大量のモンスターが棲んでいた。
オーガ、ワイバーン、ドラゴン――
Aランク、Sランクのモンスターたちが、うごめいている。
「これを……全部倒すのか」
ガルドが呟く。
「ああ」
アキラが頷く。
「全部倒して、-999まで到達する」
「わかった」
全員が武器を構える。
「行くぞ!」
アキラが後退する――つまり、前進する。
モンスターの群れに突っ込む。
「グオオオオ!」
オーガが拳を振り下ろす。
アキラの体に当たる――
だが。
「気持ちいい……」
体が回復する。
「よし!」
アキラが優しくポンッと叩く。
ドゴォォンッ!
オーガが大爆発した。
「次!」
ワイバーンが火炎を吐く。
アキラに直撃――
「温かい……」
回復する。
「ポンッ」
軽く叩く。
ワイバーンも爆発。
「どんどん行くぞ!」
リーナたちも戦う。
「ファイアボルト!」
「アイスランス!」
「はあっ!」
魔法と剣が、モンスターたちを薙ぎ払っていく。
ユイも黒い霧を放つ。
「マイナスレベルの力――」
霧がモンスターたちを包み込む。
「ギャアアアア!」
モンスターたちが苦しむ。
「みんな、すごい……」
エリンが回復魔法を――
「あ、ダメだった」
アキラには回復魔法が使えない。
「ごめんなさい、アキラさん……」
「大丈夫!」
アキラが笑う。
「攻撃を受ければ回復するから!」
「それもそうですね……」
エリンが苦笑する。
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戦闘は続いた。
一時間、二時間、三時間――
モンスターたちが次々と倒れていく。
「はあ……はあ……」
リーナたちは疲れ果てていた。
だが、アキラは――
「まだまだ行けるぞ!」
元気いっぱいだった。
攻撃を受けるたびに回復するため、疲労が溜まらない。
「あなた……元気すぎるわよ……」
リーナが呆れる。
「ガハハ……流石だな、アキラ……」
ガルドも笑う。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「-800よ」
「-800!」
アキラが喜ぶ。
「あと199!」
「もう少しね……」
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さらに戦闘は続いた。
だが、その時――
「よく頑張ったな、逆転者」
低い声が響いた。
全員が振り返る。
そこには――
ゼクスが立っていた。
「ゼクス……!」
アキラが叫ぶ。
「ようやく、マイナスレベルに到達したか」
ゼクスが不敵に笑う。
「だが、まだ-999ではないな」
「くっ……」
アキラが構える。
「いいだろう」
ゼクスが手を掲げる。
「お前を-999まで連れて行ってやる」
次の瞬間――
世界が、止まった。
「また……時間停止……!」
アキラの体が動かない。
リーナも、ガルドも、全員の動きが止まっている。
ゼクスだけが、動いていた。
「さあ、逆転者」
ゼクスがアキラに近づく。
「お前の力を――」
彼がアキラの胸に手を伸ばす。
「奪わせてもらう」
その瞬間――
アキラの胸が、光り始めた。
「な……!」
ゼクスが驚く。
「これは……」
第五の証――胸の紋章が、出現した。
黒い光が、アキラの体を包み込む。
そして――
時間が動き出した。
「うおおおおお!」
アキラが叫ぶ。
黒い光が爆発し、ゼクスを吹き飛ばした。
「ぐっ……!」
ゼクスが地面に叩きつけられる。
「何だ……この力……!」
アキラの体が、変化していく。
右手、左手、両腕、背中、そして胸――
五つの紋章が、全て黒く輝いている。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「-999……!」
「レベル-999……」
アキラが自分の手を見つめる。
「全ステータス-999,000……」
真の逆転者へと、覚醒した。
「これが……俺の本当の力……」
アキラの目が、金色に輝く。
「ゼクス……」
彼がゼクスを見つめる。
「お前を……倒す」
「ふん……」
ゼクスが立ち上がる。
「面白い。ならば――」
彼が構える。
「本気で行くぞ」
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最終決戦が、始まった。
「時間停止!」
ゼクスが叫ぶ。
世界が止まる――
だが。
「無駄だ」
アキラが動いた。
「え……!」
ゼクスが驚愕する。
「時間停止が……効かない……!」
「マイナスレベル-999では――」
アキラが笑う。
「全てが逆転する。時間停止も、逆転して――時間加速になる」
「なっ……!」
「ポンッ」
アキラが軽く触れる。
次の瞬間――
ゼクスの体が吹き飛んだ。
「ぐああああ!」
壁に激突する。
「馬鹿な……この俺が……!」
ゼクスが信じられないという顔をする。
「お前の力は……強すぎる……」
「ああ」
アキラが頷く。
「でも、これが俺の本当の力だ」
彼が拳を握る。
「全力で――手加減する」
「全力で……手加減……?」
ゼクスが困惑する。
アキラが、ゆっくりと近づく。
そして――
優しく、ポンッと触れた。
次の瞬間――
ゼクスの体が、光に包まれた。
「ぐああああああああ!」
ゼクスが叫ぶ。
「こんな……こんな力が……!」
光が消えると――
ゼクスは、地面に倒れていた。
「はあ……はあ……」
息も絶え絶えだ。
「俺の……負けだ……」
ゼクスが呟く。
「お前は……真の逆転者だ……」
「ゼクス……」
アキラが手を差し伸べる。
「もう、終わりにしよう」
「……ああ」
ゼクスが、その手を取った。
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戦いが終わった。
影の組織は壊滅し、ゼクスも力を失った。
「終わった……」
アキラが空を見上げる。
青い空が、どこまでも広がっていた。
「本当に……終わったのね……」
リーナが隣に立つ。
「ああ」
アキラが笑顔を見せる。
「長い戦いだった」
「ええ……」
リーナも微笑む。
「でも、あなたは勝った」
「みんなのおかげだよ」
アキラがリーナの手を握る。
「リーナ、ガルド、エリン、セレスティア、ユイ……みんながいたから、勝てた」
「……ありがとう」
リーナが涙を流す。
「こちらこそ、ありがとう」
二人が抱き合う。
「おいおい、俺たちも忘れるなよ」
ガルドが笑う。
「ガハハ!」
「おめでとうございます、アキラさん!」
エリンが駆け寄る。
「本当に、素晴らしいですわ」
セレスティアも微笑む。
「お疲れ様、アキラ」
ユイも笑顔だ。
「みんな……」
アキラが涙を流す。
「ありがとう……本当に、ありがとう……」
六人が、抱き合った。
長い戦いが、終わった。
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## エピローグ
それから数ヶ月後。
王都は、平和を取り戻していた。
「さて……」
アキラが伸びをする。
「次は、どんな冒険しようかな」
「まだ冒険するの?」
リーナが呆れる。
「当たり前だろ!」
アキラが笑う。
「俺、冒険者だし!」
「もう……」
リーナが苦笑する。
「でも、レベル-999のあなたが冒険したら……敵、一瞬で倒れちゃうわよ?」
「それもそうだな……」
アキラが考え込む。
「じゃあ、レベル上げるか」
「上げるの!?」
「ああ!」
アキラが笑う。
「また、レベル999を目指すんだ!」
「呆れた……」
リーナが笑う。
だが、その顔は嬉しそうだった。
「まあ、いいわ。付き合ってあげる」
「ありがとう、リーナ」
「どういたしまして」
二人が笑い合う。
「さて、行くか!」
「ええ!」
アキラたちは、新たな冒険へと旅立った。
青い空の下、彼らの笑い声が響く。
冒険は、まだまだ続く。
逆転勇者の物語は――
これからも、続いていく。
-----
完
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作者あとがき
『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』
全70話、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
レベルが下がるほど強くなる「逆転レベルシステム」という、ちょっと変わった設定の物語でしたが、楽しんでいただけたでしょうか?
アキラが最強のレベル999から始まり、徐々にレベルを下げていき、ついにはマイナスレベル-999の真の逆転者となるまでの物語――
その過程で出会った仲間たち、乗り越えた試練、そして最後の決戦。
全てが、アキラを成長させてくれました。
特に、マイナスレベルでの「全てが逆転する」というお笑い要素は、書いていてとても楽しかったです!
前進すると後退、攻撃を受けると回復、弱く攻撃すると大ダメージ――
こんな無茶苦茶な設定を、最後まで読んでくださった皆様に、心から感謝します。
そして――
アキラの冒険は、これからも続きます。
いつか、続編でお会いできることを願って。
本当に、ありがとうございました!
**~完~**
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## アキラの最終ステータス
- **レベル**: -999
- **全ステータス**: -999,000
- **ギルドランク**: Aランク(伝説の冒険者として記録)
- **パーティランク**: Aランク
- **所持金**: 金貨197枚、銀貨35枚
- **木剣**: 3本
- **仲間**: リーナ(Aランク)、ガルド(Aランク上位)、エリン(Bランク)、セレスティア(Bランク)、ユイ(レベル-50)
**『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』**
**【完結】**
**全70話**
**ご愛読、誠にありがとうございました!**




