第69話『マイナスレベルの大混乱』
前回のあらすじ
レベル50から0へ、そしてついにマイナスレベルへと突入したアキラ! 攻撃を受けると回復し、弱く攻撃すると大ダメージを与える――全てが逆転した力に、アキラ自身も戸惑う。そして今、マイナスレベルでの戦闘が本格的に始まる――!
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森の中。
アキラは、自分の体を見つめていた。
「マイナスレベル-1……」
右手、左手、両腕の紋章が、黒く輝いている。
「全ステータス-1,000……」
「どう? 体の調子は?」
リーナが心配そうに尋ねる。
「えっと……」
アキラが体を動かしてみる。
「何か……変な感じ……」
「変?」
「うん……体が軽いような、重いような……」
その時――
「プルプル!」
スライムが現れた。
「おっ、ちょうどいい!」
アキラが構える。
「試してみるか!」
彼がスライムに向かって歩き出す――
だが。
「あれ?」
前に進もうとしているのに――
後ろに進んでいる。
「ええええ!?」
アキラが驚く。
「なんで後ろに!?」
「それがマイナスレベルよ」
ユイが笑う。
「前進すると後退、後退すると前進するの」
「マジで!?」
アキラが慌てて後退しようとする――
すると、前に進んだ。
「うおっ!?」
スライムに接近してしまう。
「プルプル!」
スライムが体当たりしてくる。
アキラの体に当たる――
「あっ……」
だが、痛くない。
それどころか、体が温かくなる。
「気持ちいい……」
「攻撃を受けると回復するのよ」
リーナが呆れる。
「でも、逆に……」
エリンが杖を向ける。
「ヒール!」
回復魔法の光が、アキラを包む――
「ぐはっ!」
アキラが苦しみ出す。
「痛っ! 痛い痛い!」
「エリン、やめて!」
リーナが叫ぶ。
「あっ、ごめんなさい!」
エリンが魔法を止める。
「はあ……はあ……」
アキラが膝をつく。
「回復魔法が……ダメージになるのか……」
「そうよ」
ユイが頷く。
「だから、私もエリンの回復魔法は受けられないの」
「これは……厄介だな……」
アキラが立ち上がる。
「じゃあ、攻撃してみるか」
彼がスライムに向かって――後退する。
「あ、前に行きたいから後退するんだった」
後退すると、前進する。
スライムに接近。
「よし!」
木剣を構える。
「優しく……ポンッ」
軽く叩く。
次の瞬間――
ドゴォォォンッ!
スライムが大爆発した。
「うおっ!?」
アキラが吹き飛ばされる。
「すげえ威力……」
「マイナスレベルの攻撃力ね……」
リーナが呟く。
「弱く攻撃すると、大ダメージ……」
「じゃあ、強く攻撃したら……?」
アキラが次のスライムに向かう。
今度は、全力で木剣を振り下ろす。
「せいやあああ!」
ドゴッ!
スライムに命中――
だが。
「プルプル♪」
スライムが元気になった。
「ええええ!?」
アキラが驚愕する。
「回復した!?」
「そうよ」
ユイが笑う。
「強く攻撃すると、敵が回復するの」
「逆転してる……」
アキラが呆然とする。
「完全に逆転してる……」
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その後も、混乱は続いた。
「よし、右に避けるぞ!」
アキラが右に動こうとする――
左に動く。
「うわっ!」
敵の攻撃に当たってしまう。
だが、回復する。
「気持ちいい……じゃなくて!」
「ちゃんと逆に動きなさいよ!」
リーナがツッコむ。
「わかってるけど、難しいんだよ!」
「慣れるしかないわね……」
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さらに混乱は続く。
「ジャンプ!」
アキラが跳ぼうとする――
ズボッ。
地面にめり込んだ。
「ええええ!?」
「ジャンプすると地面にめり込むのよ」
ユイが説明する。
「じゃあ、どうすれば……」
「地面を見つめて」
「え?」
アキラが地面を見つめる――
すると、体が浮き上がった。
「うわああああ!」
空中に浮かぶアキラ。
「下見たら浮くんだ!」
「そうよ」
「じゃあ、上見たら……」
アキラが上を見る――
ドスンッ!
地面に落ちた。
「痛っ……」
「上を見ると落ちるのよ」
ユイが笑う。
「もう滅茶苦茶だ……」
アキラがぐったりする。
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しばらくして。
「何となく……わかってきた気がする……」
アキラが呟く。
「前に行きたい時は後退。右に行きたい時は左に動く。ジャンプしたい時は地面を見る……」
「そうそう」
ユイが頷く。
「慣れれば大丈夫よ」
「よし……」
アキラが構える。
その時――
ガサガサガサ……
茂みが揺れた。
現れたのは――ゴブリンキングの群れ。
五体いる。
「来た!」
アキラが後退する――つまり、前進する。
ゴブリンキングに接近。
「グシャアアア!」
ゴブリンキングが斧を振り下ろす。
アキラは――右に避けようとして、左に動く。
成功。
避けられた。
「よし!」
そして、優しく木剣でポンッと叩く。
ドゴォンッ!
ゴブリンキングが吹き飛ぶ。
「やった!」
だが、次の瞬間――
別のゴブリンキングの攻撃が当たった。
「あっ……」
体が温かくなる。
「回復した……」
「いい感じじゃない!」
リーナが笑う。
「攻撃を受けて回復、弱く攻撃して大ダメージ!」
「ああ!」
アキラが次々とゴブリンキングを倒していく。
ポンッ、ポンッ、ポンッ――
軽く叩くだけで、次々と爆発していく。
「すげえ……」
ガルドが呆然とする。
「これが……マイナスレベルの力か……」
「ええ……」
セレスティアも驚いている。
「規格外ですわ……」
五体のゴブリンキングが、あっという間に倒れた。
「やった!」
アキラがガッツポーズする――
だが、その時。
「あれ……?」
彼が自分の体を見る。
「レベルが……上がった……?」
「確認するわ」
リーナがアキラのステータスを見る。
「レベル-6よ」
「-6……ゴブリンキング五体で……-5上がったのか」
「そうね」
リーナが頷く。
「マイナスレベルでは、経験値を得るとレベルが下がる――つまり、マイナスが増える」
「なるほど……」
アキラが理解する。
「じゃあ、もっと敵を倒せば……」
「どんどんマイナスが増えていくわ」
「よし!」
アキラが拳を握る。
「レベル-999を目指す!」
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それから、戦闘は続いた。
ゴブリン、ホブゴブリン、オーク、ケイブベア――
様々なモンスターと戦う。
だが、マイナスレベルのアキラにとって――
もはや、どのモンスターも脅威ではなかった。
「ポンッ」
軽く叩くだけで、モンスターが爆発する。
「ポンッ」
また爆発。
「ポンッ」
さらに爆発。
「楽しい……!」
アキラが笑顔で戦う。
「攻撃を受けると回復するし、弱く攻撃すると大ダメージだし!」
「楽しそうね……」
リーナが呆れる。
だが、その顔は笑っていた。
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だが、問題も発生した。
「あれ……服が……」
アキラが自分の服を見る。
ボロボロになっている。
「どうしたの?」
「何か……服がボロくなってる……」
「ああ、それね」
ユイが説明する。
「マイナスレベルでは、防具を着ると防御力が下がるの」
「え?」
「裸の方が、防御力が高いのよ」
「ええええ!?」
アキラが驚愕する。
「じゃあ、服を脱いだ方がいいのか!?」
「理論上はそうね」
「でも、流石に裸は……」
リーナが顔を赤くする。
「ダメよ!」
「わかってるって!」
アキラが慌てる。
「でも、防御力が……」
「気にしないで」
ユイが言う。
「どうせ攻撃を受けると回復するんだから、防御力なんて関係ないわ」
「あ、そっか」
アキラが納得する。
「なら、服はこのままでいいか」
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夕方。
「今日の成果は……」
リーナが確認する。
「レベル-100まで上がったわ」
「-100!」
アキラが驚く。
「そんなに上がったのか!」
「ええ」
リーナが頷く。
「マイナスレベルでは、経験値の入りが逆転するから……レベルが下がる――つまりマイナスが増えるのが速いのよ」
「なるほど……」
アキラが理解する。
「じゃあ、-999まで……あと899……」
「まだまだあるわね」
「でも、いけそうな気がする!」
アキラが拳を握る。
「このペースなら……」
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その夜。
焚き火の前で、アキラは考えていた。
「マイナスレベル……」
攻撃が回復になり、回復が攻撃になる。
強さが弱さになり、弱さが強さになる。
前進が後退になり、後退が前進になる。
全てが逆転している。
「これが……俺の本当の力……」
彼が空を見上げる。
星が、静かに瞬いていた。
「ゼクス……」
アキラが呟く。
「待ってろよ……」
拳を握りしめる。
「俺は……もっと強くなる……」
黒い光が、アキラの体を包み続けていた。
逆転者の力が、少しずつ目覚めていく。
そして――
最終決戦の時が、近づいていた。
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翌日。
「よし、今日も頑張るぞ!」
アキラが気合を入れる。
「目指せ、レベル-500!」
「無茶言わないで……」
リーナが呆れる。
だが、その顔は笑っていた。
六人の冒険者が、森の奥へと進んでいく。
モンスターたちが、次々と現れる。
だが――
「ポンッ」
アキラが軽く叩くだけで、爆発していく。
「ポンッ」
また爆発。
「ポンッ」
さらに爆発。
「楽しい……!」
アキラが笑顔で戦う。
レベルは、どんどん下がっていく――いや、マイナスが増えていく。
-100、-150、-200、-250――
「すごいペースね……」
リーナが呟く。
「このままいけば……」
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夕方。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「-500よ」
「-500!」
アキラが喜ぶ。
「やった! 半分まで来た!」
「ええ」
リーナが微笑む。
「あと499で、-999よ」
「よし……」
アキラが拳を握る。
「明日、一気に-999まで上げる!」
「無茶言わないで……」
リーナが呆れる。
だが――
「でも、できそうな気がするわ」
彼女も笑った。
「あなたなら」
「ああ!」
アキラが笑顔で答える。
「絶対に、-999まで到達する!」
「そして……」
ガルドが言う。
「ゼクスを倒すんだな」
「ああ!」
全員が頷いた。
最終決戦が、近づいていた。
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## 次回予告
レベル-500まで到達したアキラ! そしてついに、レベル-999への最終段階へ! 第五の証――胸の紋章が覚醒し、真の逆転者へ! ゼクスとの最終決戦が、今始まる――!
**次回、第70話『最終決戦・真の逆転者』(最終回)お楽しみに!**
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## アキラの現在ステータス
- **レベル**: -500(-499)
- **全ステータス**: -500,000
- **ギルドランク**: Aランク
- **パーティランク**: Aランク
- **所持金**: 金貨197枚、銀貨35枚
- **木剣**: 3本(変動なし)※マイナスレベルでは木剣がほぼ折れない
- **仲間**: リーナ(Aランク)、ガルド(Aランク上位)、エリン(Bランク)、セレスティア(Bランク)、ユイ(レベル-50)




