第68話『レベル0到達・マイナスレベル突入』
前回のあらすじ
レベル150から50まで一気に低下したアキラ。もはやスライムにすら苦戦する状態に。普通のDランク冒険者と同等の実力となり、完全に仲間に守られながらの戦いを強いられる。そんな中、ユイが再び現れ、協力を申し出た。そしてついに、レベル0への最後の戦いが始まる――!
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## 本編
朝日が昇る。
野営地で、アキラは目を覚ました。
「ん……」
体が重い。
全身が痛む。
「起きた?」
リーナが声をかける。
「ああ……」
アキラがゆっくりと起き上がる。
「今日で……レベル0を目指すんだったな」
「ええ」
リーナが頷く。
「今のあなたはレベル50。あと50下げれば、レベル0よ」
「そして……その先は……」
「マイナスレベル」
ユイが口を挟む。
「全てが逆転する世界よ」
「全てが逆転……」
アキラが呟く。
「攻撃を受けると回復する。回復魔法を受けるとダメージを受ける。弱く殴ると大ダメージ。強く殴ると回復……」
「そうよ」
ユイが微笑む。
「私も最初は混乱したわ。でも、慣れれば大丈夫」
「慣れるのか……」
アキラが不安そうに呟く。
「大丈夫よ」
リーナが励ます。
「私たちがサポートするから」
「……ありがとう」
アキラが立ち上がる。
「よし、行こう!」
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森の中。
「さて……」
アキラが木剣を構える。
レベル50。全ステータス5万。
普通のDランク冒険者と同等の実力。
「今日は、F・Eランクのモンスターを大量に倒す」
リーナが作戦を説明する。
「一体あたりのレベル減少は少ないけど、数で稼ぐわ」
「わかった」
アキラが頷く。
その時――
ガサガサガサ……
茂みから、ゴブリンの群れが現れた。
二十体以上。
「よし、来た!」
アキラが突っ込む――
だが、リーナが止める。
「待って」
「え?」
「あなた一人じゃ無理よ。みんなで戦うの」
「……わかった」
アキラが頷く。
六人が、ゴブリンの群れに立ち向かう。
「ファイアボルト!」
リーナの炎が、ゴブリンたちを焼く。
「アイスランス!」
セレスティアの氷が、ゴブリンを貫く。
「はあっ!」
ガルドの大剣が、ゴブリンを斬り裂く。
アキラも木剣を振るう。
「せいやっ!」
ゴブリンに命中――
だが、一撃では倒れない。
「もう一回!」
さらに叩き込む。
ようやく、ゴブリンが倒れた。
「はあ……はあ……」
息が上がる。
「アキラさん、大丈夫ですか?」
エリンが心配そうに尋ねる。
「あ、ああ……大丈夫……」
「無理しないでね」
ユイが微笑む。
「私が援護するわ」
ユイが手を掲げる。
黒い霧のような力が、ゴブリンたちを包み込む。
「ギャアアア!」
ゴブリンたちが苦しみ出す。
「マイナスレベルの力……」
アキラが呟く。
「すごい……」
「でも、これはあなたも使えるようになるのよ」
ユイが言う。
「マイナスレベルに到達すれば」
「……ああ」
アキラが頷く。
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それから、戦闘は続いた。
ゴブリン、ワイルドウルフ、スライム、ホブゴブリン――
F・E・Dランクのモンスターを、次々と倒していく。
だが、アキラの実力では、ほとんど仲間任せだった。
「くそっ……」
アキラが悔しそうに拳を握る。
「俺……何もできてない……」
「気にしないで」
リーナが言う。
「あなたは、レベルを下げることに集中すればいいの」
「でも……」
「いいから」
リーナが微笑む。
「これも作戦のうちよ」
「……ありがとう」
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昼過ぎ。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「20まで下がったわ」
「20……」
アキラが呟く。
「全ステータス2万……もう、Fランク冒険者レベルか……」
「ええ」
リーナが頷く。
「あと20よ。頑張りましょう」
「おう!」
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午後。
戦闘は続いた。
だが、レベル20のアキラは、もはや戦力にならなかった。
「うおおお!」
木剣を振るう――が。
スライムに当たっても、ほとんどダメージが入らない。
「プルプル!」
スライムが反撃してくる。
「うわっ!」
アキラが吹き飛ばされる。
「アキラ!」
ガルドが助ける。
「もう戦うな。下がってろ」
「で、でも……」
「いいから!」
ガルドの強い口調に、アキラは黙った。
アキラは、戦闘の後方で見守るしかなかった。
「くそっ……」
拳を握りしめる。
「俺……こんなに弱いのか……」
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夕方。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「5よ」
「5……」
アキラが呆然とする。
「全ステータス5千……これって……」
「もう、冒険者じゃないわね」
リーナがため息をつく。
「普通の人より少し強い程度よ」
「普通の人……」
アキラが項垂れる。
「あと5……」
「ええ。あと5レベル下げれば、レベル0よ」
リーナが真剣な目で言う。
「そして、その先――マイナスレベルに突入する」
「……わかった」
アキラが立ち上がる。
「最後の戦いだ。行こう」
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最後の戦場。
森の奥に、スライムの巣があった。
大量のスライムが、うごめいている。
「あれを……全部倒すのか?」
アキラが呆然とする。
「ええ」
リーナが頷く。
「スライムは一体あたりレベル1減少。五体倒せば、レベル0よ」
「わかった……」
アキラが木剣を構える。
だが、その手は震えていた。
「大丈夫?」
ユイが優しく尋ねる。
「あ、ああ……大丈夫……」
「なら、行きましょう」
六人が、スライムの巣に突入する。
「ファイアボルト!」
リーナの炎が、スライムたちを焼く。
「プルプル!」
「プルプル!」
スライムたちが反撃してくる。
ガルドが大剣で斬り裂く。
セレスティアが氷で凍らせる。
エリンが光で浄化する。
ユイが黒い霧で包み込む。
そして――
アキラも、必死に木剣を振るう。
「せいやっ!」
スライムに命中。
スライムが倒れる。
「よし、一体……」
さらに振るう。
もう一体。
「はあ……はあ……」
息が上がる。
「あと……三体……」
木剣を構え直す。
三体目――
「せいやっ!」
倒れる。
四体目――
「うおおお!」
倒れる。
そして――
五体目。
「これで……最後……」
アキラが木剣を振り上げる。
全身の力を込めて、振り下ろす――
ドゴッ!
スライムが倒れた。
その瞬間――
アキラの体が、光に包まれた。
「うわっ!」
眩い光が、森全体を照らす。
「アキラ!」
リーナが叫ぶ。
光が消えると――
アキラは、その場に立っていた。
「あ……」
彼が呟く。
「俺……」
「レベルは……?」
リーナが確認する。
「0……」
「レベル0……」
アキラが自分の手を見つめる。
「全ステータス……0……」
力が、完全に失われていた。
「これが……レベル0……」
その時――
「プルプル!」
さらにスライムが現れた。
「やばっ!」
アキラが後ろに下がる。
「ファイアボルト!」
リーナがスライムを倒す。
「大丈夫?」
「あ、ああ……」
アキラが息をつく。
「でも……このままじゃダメだ」
「ええ」
リーナが頷く。
「マイナスレベルに突入しないと」
「どうすれば……」
「簡単よ」
ユイが言う。
「もう一体、倒せばいい」
「え?」
「レベル0の状態で経験値を得れば――マイナスレベルに突入するわ」
「そうか……」
アキラが木剣を構える。
その時――
「グシャアア!」
ゴブリンが現れた。
「よし……」
アキラが踏み込む。
だが、レベル0の体では――
「遅っ!」
動きが遅い。
「グシャアア!」
ゴブリンの剣が振り下ろされる。
「やべっ!」
避けきれない――
ガキィンッ!
ガルドの大剣が、ゴブリンの剣を受け止めた。
「アキラ、今だ!」
「おう!」
アキラが木剣を振るう。
ゴブリンに命中――
だが、ほとんどダメージが入らない。
「くっ……」
もう一度。
さらにもう一度。
何度も何度も叩き込んで――
ようやく、ゴブリンが倒れた。
その瞬間――
アキラの体が、再び光に包まれた。
だが、今度は違う。
黒い光だった。
「うわああああ!」
黒い光が、アキラを包み込む。
「アキラ!」
リーナが叫ぶ。
光が消えると――
アキラの体に、変化が起きていた。
右手と左手、そして両腕の紋章が、黒く光っている。
「これは……」
アキラが呟く。
「マイナスレベル……」
彼の目が、金色に輝いた。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「-1……」
「マイナス1……」
アキラが自分の手を見つめる。
「全ステータス……-1,000……」
「マイナスステータス……」
リーナが息を呑む。
「ついに……」
その時――
「プルプル!」
スライムが襲いかかってきた。
「うわっ!」
アキラの体にぶつかる――
だが。
「え?」
痛くない。
それどころか――
体が温かくなった。
「これは……」
アキラが気づく。
「攻撃を受けて……回復した……?」
「そうよ」
ユイが微笑む。
「それがマイナスレベルの力。全てが逆転するの」
「全てが……逆転……」
アキラが呆然とする。
「じゃあ……」
彼が木剣を構える。
スライムに向かって、優しく叩く。
ポンッ。
次の瞬間――
スライムが大爆発した。
「ええええ!?」
アキラが驚く。
「優しく叩いただけなのに!」
「それがマイナスレベルよ」
ユイが笑う。
「弱く攻撃すると、大ダメージ。強く攻撃すると、回復する」
「逆転してる……」
アキラが呟く。
「本当に……全てが逆転してる……」
リーナたちも、唖然としていた。
「これが……マイナスレベルの力……」
ガルドが呟く。
「規格外だな……」
「ええ……」
セレスティアも驚いている。
「これなら……」
エリンが微笑む。
「ゼクスにも勝てるかもしれません」
「ああ……」
アキラが拳を握る。
「これで……俺は……」
彼が空を見上げる。
「真の逆転者に……近づいた……」
黒い光が、アキラの体を包み続けていた。
新たな力が、目覚め始めていた。
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## 次回予告
ついにマイナスレベルに突入したアキラ! だが、その力は予想以上に混乱を招く! 前進すると後退、右に行くと左へ、回復魔法でダメージ――もう滅茶苦茶! マイナスレベルの大混乱が、今始まる!
**次回、第69話『マイナスレベルの大混乱』お楽しみに!**
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## アキラの現在ステータス
- **レベル**: -1(-51)※レベル50→0→-1
- **全ステータス**: -1,000
- **ギルドランク**: Aランク
- **パーティランク**: Aランク
- **所持金**: 金貨197枚、銀貨35枚
- **木剣**: 3本(-4本)
- **仲間**: リーナ(Aランク)、ガルド(Aランク上位)、エリン(Bランク)、セレスティア(Bランク)、ユイ(レベル-50)




