第67話『レベル100代の恐怖』
前回のあらすじ
魔境の森でレベルを下げ続けるアキラ。レベル300から150まで下がり、かつての圧倒的な強さは失われつつあった。Cランク、Dランクのモンスターにも苦戦し始め、仲間に守られながら戦う日々。だが、アキラは決意する――マイナスレベルに到達するまで、戦い続けると――!
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朝日が、森を照らしていた。
「ふあああ……」
アキラが大きく欠伸をする。
「よく眠れた?」
リーナが朝食の準備をしながら尋ねる。
「まあまあ……」
アキラが起き上がる。
「今日も頑張らないとな」
「ええ」
リーナが微笑む。
「今のあなたのレベルは……確か150だったわね」
「ああ。全ステータス15万」
「普通のAランク冒険者より少し強いくらいね」
「うん……」
アキラが自分の手を見つめる。
「でも、もっと下げないと」
「そうね。レベル0まで、あと150……」
リーナが考え込む。
「今日中に、100くらいは下げたいところね」
「よし、じゃあ気合入れるか!」
アキラが立ち上がる。
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森の中。
「さて、次の敵は……」
ガサガサガサ……
茂みが揺れる。
現れたのは――ゴブリンの群れ。
十体以上いる。
「ゴブリンか……」
アキラが木剣を構える。
「楽勝だな」
だが――
「グシャアアア!」
ゴブリンたちが一斉に襲いかかってくる。
「おっと!」
アキラが木剣を振るう。
一体のゴブリンに命中――
「よし!」
だが、ゴブリンは倒れなかった。
「え?」
「グシャアア!」
ゴブリンが反撃してくる。
錆びた剣が、アキラの腕をかすめた。
「痛っ!」
「アキラ!」
エリンが回復魔法を放つ。
「ヒール!」
傷が癒える。
「ありがとう……って、え?」
アキラが困惑する。
「ゴブリンに……傷つけられた……?」
「当たり前でしょ」
リーナが呆れる。
「あなた、もうレベル150なのよ? ゴブリンだって、油断すれば傷つくわ」
「マジで……」
アキラが青ざめる。
「グシャアアア!」
さらにゴブリンたちが襲いかかる。
「うおっ!」
アキラが必死に木剣を振るう。
一体、また一体と倒していく――が。
「はあ……はあ……」
息が上がる。
「疲れた……」
「まだ半分も倒してないわよ」
リーナがため息をつく。
「ファイアボルト!」
炎がゴブリンたちを焼き払う。
「ギャアアア!」
残りのゴブリンが逃げ出した。
「ふう……」
アキラがその場に座り込む。
「ゴブリンで……こんなに疲れるなんて……」
ガルドが笑う。
「ガハハ! これが普通の冒険者の感覚だ!」
「普通の冒険者って……こんなに大変なのか……」
「ああ」
ガルドが頷く。
「お前はずっと、規格外の強さだったからな。でも、今は――」
彼が真剣な表情になる。
「普通の冒険者と同じだ。いや、これからもっと弱くなる」
「……わかってる」
アキラが立ち上がる。
「でも、やるしかない」
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それから、戦闘は続いた。
Dランクのモンスター――ケイブベア、オーク、大蛇――と戦う。
だが、どの戦闘も苦戦した。
木剣を何度も振らなければ倒せない。
避けきれずに攻撃を受ける。
エリンの回復魔法が、手放せなくなった。
「はあ……はあ……」
アキラが膝をつく。
「もう……限界……」
「アキラさん、大丈夫ですか!?」
エリンが駆け寄る。
「ああ……大丈夫……」
だが、体は正直だった。
全身が痛い。
疲労が、骨の髄まで染み渡っている。
「今日は……ここまでにしましょう」
セレスティアが提案する。
「アキラさん、かなり消耗していますわ」
「でも……」
「無理はダメよ」
リーナが肩を支える。
「あなたが倒れたら、元も子もないわ」
「……わかった」
アキラが観念する。
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夜。
焚き火の前で、アキラは包帯を巻かれていた。
「痛っ……」
「動かないで」
リーナが丁寧に包帯を巻く。
「あなた、今日だけで十箇所以上傷を受けてるのよ」
「そんなに……」
「ええ」
リーナがため息をつく。
「もうあなたは、圧倒的に強い冒険者じゃない。普通の……いえ、それ以下になりつつあるわ」
「レベルは……」
「100よ」
「レベル100……」
アキラが呟く。
「全ステータス10万……普通のBランク冒険者レベル……」
「そして、明日はもっと下がる」
リーナが真剣な目でアキラを見つめる。
「レベル50以下になったら……あなたは、もうCランク冒険者レベルよ」
「Cランク……」
「ゴブリンキングにすら、苦戦するわ」
その言葉に、アキラは黙り込んだ。
「怖い?」
リーナが優しく尋ねる。
「……うん」
アキラが正直に答える。
「弱くなるのが……怖い」
「そうよね」
リーナがアキラの手を握る。
「でも、私たちがいる」
「リーナ……」
「ガルドもエリンもセレスティアも、絶対にあなたを守る」
リーナが微笑む。
「だから、安心して弱くなりなさい」
「……ありがとう」
アキラが笑顔を見せた。
「よし……明日も頑張るぞ」
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翌日。
レベル100のアキラは、Eランクのモンスターと戦っていた。
ホブゴブリンの群れ。
「うおおお!」
木剣を振るう――が。
「硬っ!」
ホブゴブリンの装甲に弾かれる。
「グシャアア!」
反撃される。
「うわっ!」
アキラが後ろに飛び退く。
「くっ……」
もう一度、木剣を振るう。
今度は頭部に命中――
バキッ!
木剣が折れる。
ホブゴブリンも倒れた。
「よし……一体……」
だが、まだ九体いる。
「グシャアアア!」
ホブゴブリンたちが一斉に襲いかかる。
「やべっ!」
アキラが必死に避ける――が。
避けきれない。
「ぐっ!」
腕に、剣が刺さる。
「アキラさん!」
エリンが回復魔法を放つ。
「ヒール!」
傷が癒える。
「ありがとう……」
だが、次の瞬間――
別のホブゴブリンの攻撃が、アキラの脇腹を抉った。
「ぐああっ!」
アキラが倒れる。
「アキラ!」
リーナが駆け寄る。
「ファイアボルト!」
炎がホブゴブリンたちを焼き払う。
ガルドも斬りかかる。
「はあっ!」
大剣が、ホブゴブリンたちを次々と斬り裂く。
「ギャアアアア!」
ホブゴブリンたちが倒れていく。
「アキラ、大丈夫か!?」
ガルドがアキラを抱え起こす。
「あ、ああ……」
アキラが苦しそうに答える。
「ヒール!」
エリンが必死に回復魔法をかける。
傷が癒えていく――が。
「はあ……はあ……」
アキラの呼吸は荒い。
「もう……限界だわ」
リーナが言う。
「今日はここまで。戻りましょう」
「で、でも……」
「いいから!」
リーナの強い口調に、アキラは黙った。
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野営地。
「レベルは……」
リーナが確認する。
「80まで下がったわ」
「80……」
アキラが呟く。
「全ステータス8万……これって……」
「普通のCランク冒険者と同じくらいね」
「Cランク……」
アキラが自分の手を見つめる。
震えている。
「俺……こんなに弱くなったのか……」
「ええ」
リーナが頷く。
「そして、これからもっと弱くなる」
「……」
アキラは黙り込んだ。
その時――
「アキラさん」
エリンが声をかける。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……大丈夫……」
だが、その顔は青ざめていた。
「無理しないでくださいね」
エリンが優しく微笑む。
「私たちが、守りますから」
「……ありがとう」
アキラが小さく笑った。
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翌日。
レベル80のアキラは、Fランクのモンスターと戦っていた。
スライムの群れ。
「よし……」
アキラが木剣を構える。
「スライムなら……」
だが――
「ん?」
木剣を振るっても、スライムがなかなか倒れない。
「え?」
「プルプル……」
スライムが体当たりしてくる。
「うわっ!」
アキラが吹き飛ばされる。
「痛っ……」
「アキラ!」
ガルドが駆け寄る。
「大丈夫か!?」
「あ、ああ……」
アキラが立ち上がる。
「スライムに……吹き飛ばされた……」
「当たり前だ」
ガルドが言う。
「お前、もうレベル80だぞ? スライムだって、侮れない」
「そんな……」
アキラが愕然とする。
「俺……こんなに弱いのか……」
その時――
「プルプル!」
さらに大量のスライムが現れた。
二十体以上。
「嘘だろ……」
アキラが青ざめる。
「逃げるぞ!」
ガルドがアキラを担ぎ上げる。
「え、逃げるの!?」
「当たり前だ! お前じゃ戦えない!」
「くっ……」
アキラが悔しそうに拳を握る。
五人は、スライムから逃げた。
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その夜。
「レベルは……50まで下がったわ」
リーナが報告する。
「50……」
アキラが呆然とする。
「全ステータス5万……これって……」
「普通のDランク冒険者と同じね」
「Dランク……」
アキラが項垂れる。
「俺……Dランク冒険者になっちゃった……」
「でも、これが必要なことよ」
リーナが言う。
「レベル0まで、あと50。もう少しよ」
「……ああ」
アキラが頷く。
その時――
「アキラ」
低い声が響いた。
全員が振り返る。
そこには、ユイが立っていた。
「ユイ!」
「久しぶりね」
ユイが微笑む。
「聞いたわ。あなた、レベルを下げてるんですって?」
「ああ」
アキラが頷く。
「マイナスレベルに到達するために」
「なら――」
ユイが一歩前に出る。
「私も協力させて」
「え?」
「私もマイナスレベルよ。あなたの力になれるはず」
ユイが手を差し出す。
アキラは、少し迷った後――
その手を握った。
「ありがとう、ユイ」
「どういたしまして」
ユイが笑う。
「一緒に、ゼクスを倒しましょう」
「ああ!」
こうして、ユイが仲間に加わった。
そして――
レベル0への、最後の戦いが始まる。
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## 次回予告
レベル50まで下がり、もはや普通の冒険者以下となったアキラ! ユイの協力を得て、ついにレベル0への最終段階へ! そして、マイナスレベル突入――全てが逆転する世界が、今始まる!
**次回、第68話『レベル0到達・マイナスレベル突入』お楽しみに!**
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## アキラの現在ステータス
- **レベル**: 50(-100)
- **全ステータス**: 50,000
- **ギルドランク**: Aランク
- **パーティランク**: Aランク
- **所持金**: 金貨197枚、銀貨35枚
- **木剣**: 7本(-10本)
- **仲間**: リーナ(Aランク)、ガルド(Aランク上位)、エリン(Bランク)、セレスティア(Bランク)、**ユイ(レベル-50)**




