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『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』  作者: たくわん。


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第64話『伝説の龍との決戦』



前回のあらすじ


Aランク昇格試験に見事合格したアキラ! 筆記試験はギリギリだったが、実技試験は圧倒的な強さで満点を獲得。仲間たちと祝賀会を開き、次なる目標――第四の試練へと意識を向ける。そして翌日、クロウが現れた――!


-----


朝日が王都を照らす中、アキラたちは宿屋の前に集まっていた。


「よく来たな」


低い声が響く。


振り返ると、黒いコートを纏ったクロウが立っていた。


「クロウ!」


アキラが駆け寄る。


「第四の試練の場所……教えてくれるのか?」


「ああ」


クロウが頷く。


「お前は三つの試練をクリアし、三つの証を得た。次は第四の証――背中の紋章だ」


「背中の……」


「エンシェントドラゴンを倒せ。それが第四の試練だ」


その言葉に、全員が息を呑む。


「エンシェントドラゴン……」


ガルドが呟く。


「伝説の龍か……」


「場所は、南の火山『焔獄山』。ドラゴンは頂上の火口に棲んでいる」


クロウが地図を広げようとしたとき――


「待て」


彼が手を止める。


「時間がない。ゼクスが動き出している」


「ゼクスが……!」


アキラの顔が強張る。


「ああ。奴は、お前がマイナスレベルに到達する前に、力を奪おうとしている」


クロウがアキラの肩に手を置く。


「急げ。今すぐドラゴンを倒し、第四の証を得るんだ」


「でも、南の火山まで……何日もかかる……」


「任せろ」


クロウが手を掲げる。


「転移魔法で送ってやる」


「え、マジで!?」


「準備はいいか?」


「ちょ、ちょっと待って!」


リーナが慌てる。


「心の準備が……」


だが、クロウの手から光が放たれた。


「行け。お前たちなら、勝てる」


「うわああああ!」


視界が真っ白に染まる。


次の瞬間――


-----


灼熱の風が、頬を焼いた。


「あっつ!」


アキラが思わず叫ぶ。


目の前には、赤黒い岩肌の火山がそびえ立っていた。溶岩が流れ、火山灰が舞い、空気が揺らめいている。


「ここが……焔獄山……」


リーナが汗を拭う。


「暑すぎる……」


「ガハハ! これは過酷だな!」


ガルドも額の汗を拭う。


「大丈夫ですか、皆さん……」


エリンが心配そうに尋ねる。


「私、冷却の魔法をかけますね」


「頼む……」


セレスティアも杖を掲げる。


「私もお手伝いしますわ」


二人の魔法使いが、冷却魔法を展開する。ひんやりとした空気が、五人を包み込んだ。


「ふう……これで少しはマシだ」


アキラが息をつく。


「さて……頂上まで、登るか」


「ええ」


リーナが頷く。


「エンシェントドラゴン……伝説の龍を倒すのよ」


「おう!」


五人が、火山の斜面を登り始めた。


-----


灼熱の地獄だった。


溶岩が流れ、火山弾が飛び交い、足元の岩は熱で焼けている。


「うわっ、熱っ!」


アキラが飛び跳ねる。


「靴底が溶けそう……」


「文句言ってないで、進むわよ」


リーナが先を行く。


その時――


ゴゴゴゴゴ……


地面が揺れた。


「な、何!?」


溶岩の中から、巨大な影が現れる。


全身が赤く燃える、マグマゴーレムだった。


「マグマゴーレム!」


ガルドが大剣を抜く。


「Bランクの魔物だ!」


ゴーレムが巨大な拳を振り下ろす。


「うおっ!」


アキラが横に跳ぶ。


拳が地面を叩き、溶岩が飛び散った。


「やべえ!」


「アイスランス!」


リーナが氷の槍を放つ。


ゴーレムの腕に突き刺さり――


ジュウウウウ……


水蒸気が上がる。


「効いてる!」


「よし!」


アキラが木剣を抜いて突っ込む。


「せいやっ!」


木剣がゴーレムの胴体に叩き込まれ――


バキッ!


「あっ」


木剣が折れた。


だが、ゴーレムの胴体に亀裂が入る。


「もう一発!」


新しい木剣を抜き、再び叩き込む。


ズガァンッ!


ゴーレムが崩れ落ちた。


「やった!」


だが、喜ぶ間もなく――


ゴゴゴゴゴ……


さらに三体のマグマゴーレムが現れた。


「嘘でしょ!?」


リーナが叫ぶ。


「まだ出るのか!」


ガルドが構える。


「みんな、頑張りましょう!」


エリンが回復魔法の準備をする。


「私も全力で!」


セレスティアが氷魔法を展開する。


激しい戦闘が始まった。


-----


三十分後。


「はあ……はあ……」


アキラたちは、息を切らしていた。


周囲には、崩れ落ちたゴーレムの残骸が転がっている。


「何とか……倒した……」


「木剣、何本使ったの……」


リーナが呆れる。


「えっと……」


アキラが数える。


「十本くらい……?」


「十本も!?」


「仕方ないだろ! あいつら硬いんだもん!」


「まあ、勝てたからいいけど……」


リーナがため息をつく。


「さ、先に進みましょう」


エリンが促す。


五人が再び登り始める。


-----


そして――


頂上に辿り着いた。


「ここが……」


巨大な火口が、目の前に広がっていた。


溶岩が煮えたぎり、熱気が立ち上る。その中央には、巨大な岩の塊があった。


いや――


岩ではない。


「あれは……」


ガルドが息を呑む。


「龍だ……」


巨大な龍が、眠るように横たわっていた。


全長五十メートルはあろうかという巨体。鱗は赤銅色に輝き、背中には巨大な翼が畳まれている。頭部には鋭い角が生え、口からは微かに炎が漏れていた。


「エンシェントドラゴン……」


セレスティアが震える声で呟く。


「伝説の龍……本当にいたのね……」


アキラは、その圧倒的な存在感に圧倒されていた。


「でかい……」


「どうする、アキラ?」


リーナが尋ねる。


「戦うのか?」


「……ああ」


アキラが木剣を抜く。


「これが第四の試練なんだ。やるしかない」


「わかったわ」


リーナが杖を構える。


「じゃあ、全力で行くわよ」


「ガハハ! 龍退治とはな! 冒険者冥利に尽きる!」


ガルドが大剣を構える。


「頑張りましょう!」


エリンが杖を掲げる。


「私も全力で!」


セレスティアも構える。


アキラが深呼吸する。


「よし……行くぞ!」


彼が叫んだ瞬間――


ドラゴンの目が、ゆっくりと開いた。


黄金色の瞳が、アキラたちを捉える。


「グルルルル……」


低い唸り声が、空気を震わせる。


「起きた……!」


ドラゴンが巨体を起こす。


ドゴォンッ!


地面が揺れる。


「人間か……」


ドラゴンが口を開いた。


人間の言葉を話している。


「久しぶりだな……何百年ぶりか……」


「喋った!?」


アキラが驚く。


「お前たちは、何の用だ?」


ドラゴンの声が、重く響く。


「俺は……」


アキラが一歩前に出る。


「第四の試練を受けに来た! あんたを倒す!」


「ほう……」


ドラゴンが笑う。


「面白い。ならば――」


巨大な翼が広がる。


「来い、若き冒険者よ!」


ドラゴンが咆哮した。


ゴオオオオオオ!


その声が、火山全体を揺らす。


「うわああああ!」


アキラたちが構える。


「みんな、散開!」


リーナの指示で、五人が左右に散る。


ドラゴンが口を開く。


「焼き尽くしてやろう――ファイアブレス!」


巨大な火炎が放たれた。


「やべっ!」


アキラが横に飛ぶ。


火炎が地面を焼き、溶岩が飛び散る。


「アイスウォール!」


リーナとセレスティアが氷の壁を作り出す。


火炎が壁に当たり、水蒸気が爆発的に発生した。


「今だ!」


ガルドが突っ込む。


大剣を振るい、ドラゴンの足に斬りかかる。


ガキィンッ!


「硬っ!」


鱗が、大剣を弾いた。


「グハハハ! 我が鱗は鋼鉄より硬いぞ!」


ドラゴンが尾を振るう。


「うおっ!」


ガルドが吹き飛ばされる。


「ガルド!」


「ヒール!」


エリンが回復魔法を放つ。


「くっ……ありがとう、エリン」


ガルドが立ち上がる。


「物理攻撃は通じないみたいね……」


リーナが考える。


「なら、魔法で!」


「サンダーボルト!」


雷魔法が放たれる。


ドラゴンに直撃――


「グオオオ!」


ドラゴンが苦しむ。


「効いてる!」


「魔法なら効くのか!」


セレスティアも魔法を放つ。


「フロストノヴァ!」


氷の嵐がドラゴンを包む。


「グルルル……小賢しい……!」


ドラゴンが翼を羽ばたかせる。


ゴウッ!


強風が吹き荒れ、アキラたちが吹き飛ばされそうになる。


「くっ……」


アキラが踏ん張る。


「どうすりゃいいんだ……」


その時、ドラゴンの首元に、一箇所だけ鱗のない部分が見えた。


「あそこだ!」


アキラが叫ぶ。


「首元の鱗がないところ! あそこを狙う!」


「わかった!」


リーナとセレスティアが魔法を集中させる。


「二人同時に!」


「ファイアボルト!」


「アイスランス!」


炎と氷が、ドラゴンの首元に殺到する。


「ぐああああ!」


ドラゴンが悶える。


「今だ、アキラ!」


「おう!」


アキラが走り出す。


木剣を構え、全力で跳躍する。


「うおおおおお!」


ドラゴンの首元に向かって、木剣を叩き込む――


ズガァンッ!


「グオオオオオオ!」


ドラゴンが悲鳴を上げる。


バキッ!


木剣が折れる。


だが、確実にダメージは入った。


「もう一発!」


アキラが新しい木剣を抜く。


ガルドも突っ込む。


「俺も行く!」


大剣を首元に叩き込む。


ズガァッ!


「グガアアアアア!」


ドラゴンが倒れ込む。


ドゴォンッ!


地面が揺れる。


「やった……のか?」


アキラが息を切らす。


ドラゴンが、ゆっくりと顔を上げた。


「見事だ……若き冒険者よ……」


その声は、もう敵意を含んでいなかった。


「お前たちは……強い……認めよう……」


ドラゴンの体が、光に包まれ始める。


「我が力を……受け取れ……」


光がアキラに向かって流れ込む。


「うわっ!」


温かい光が、体を包む。


そして――


背中に、熱い感覚が走った。


「あっ……」


アキラが背中に手を回す。


そこには、新しい紋章が刻まれていた。


「第四の証……」


「背中の紋章だ……」


リーナが呟く。


ドラゴンの体が、光の粒子となって消えていく。


「さらば……若き逆転者よ……」


最後の言葉を残して、エンシェントドラゴンは消えた。


-----


静寂が、火口を支配した。


「終わった……」


アキラがその場に座り込む。


「やったのね……」


リーナも力尽きたように座る。


「ガハハ……疲れた……」


ガルドも大剣を地面に突き立てる。


「みんな、無事ですか……?」


エリンが回復魔法を展開する。


「ありがとう、エリン」


セレスティアも微笑む。


「私たち……伝説の龍を倒したんですのね……」


「ああ……」


アキラが立ち上がる。


背中の紋章が、微かに光を放っている。


「第四の証……手に入れた」


「残るは……」


リーナが呟く。


「第五の証だけね」


「ああ……」


アキラが拳を握る。


「ゼクスとの決戦……」


五人が、火口の縁に立つ。


眼下には、広大な大地が広がっていた。


「帰ろう」


アキラが言う。


「王都に戻って……最後の戦いに備えるんだ」


「ええ」


全員が頷いた。


だが、彼らはまだ知らない。


その王都が、今まさに――


影の組織に襲撃されていることを。


-----


## 次回予告


第四の試練をクリアしたアキラたち! だが、王都に戻ると、そこは影の組織の襲撃を受けていた! そして現れるゼクス――圧倒的な力の前に、アキラは為す術もなく――!?


**次回、第65話『ゼクス襲来・圧倒的敗北』お楽しみに!**


-----


#アキラの現在ステータス


- **レベル**: 400(-115)

- **全ステータス**: 400,000

- **ギルドランク**: Aランク

- **パーティランク**: Aランク

- **所持金**: 金貨197枚、銀貨35枚

- **木剣**: 57本(-30本)

- **仲間**: リーナ(Aランク)、ガルド(Aランク上位)、エリン(Bランク)、セレスティア(Bランク)

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