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『逆転勇者の下剋上!~マイナスレベルから始まる最弱最強冒険譚~』  作者: たくわん。


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第56話『遺物を守れ!』


前回のあらすじ


古代の神殿で四体のゴーレムを倒し、逆転者の力を増幅する遺物を手に入れたアキラたち。だが、影の組織が神殿に突入してきた!遺物を奪われないために、一行は神殿からの脱出を開始する!


-----


「うわああああ!後ろから来てるぞ!」


俺は遺物を抱えたまま、神殿の通路を全力で走っていた。


背後からは影の組織の追跡者たちの足音が響いている。神殿の石畳を踏みしめる音が、どんどん近づいてくる。


「アキラ!前方に魔物の気配!」


リーナの警告が飛んでくる。


「マジで!?前も後ろも敵かよ!」


俺が叫んだ瞬間、通路の前方から巨大な影が躍り出た。


体長三メートルはある、灰色の巨大な狼だ。目が赤く光り、牙からは毒々しい紫色の液体が滴っている。


「シャドウウルフ!Bランクの魔物だぞ!」


ガルドが大剣を構える。


「はあ!?なんでこんなところにBランクの魔物が!」


「神殿の守護者が倒されたから、外から魔物が入り込んできたんだ!」


セレスティアが冷静に分析する。


シャドウウルフが低く唸り、俺たちに飛びかかってきた。


「くそっ!」


俺は咄嗟に遺物を左手に持ち替え、右手で木剣を抜いた。


「セイッ!」


振り下ろした木剣がシャドウウルフの頭部に直撃する。


**バキィィィン!**


木剣が粉々に砕け散った。


「また折れたああああ!」


「折れたじゃなくて粉々よ!」


リーナのツッコミが容赦ない。


だが、シャドウウルフは吹き飛んで壁に激突し、そのまま動かなくなった。


『シャドウウルフ(Bランク上位)を撃破しました』

『レベルが5下がりました:レベル679→674』


「よっしゃ!レベル下がった!」


「喜ぶな!」


リーナの雷魔法が俺の頭上を通過し、後方から迫っていた影の組織の追跡者を感電させた。


「アキラ!ボーッとしてないで走って!」


「お、おう!」


俺は新しい木剣を取り出しながら、再び走り出した。


エリンが俺の隣を走りながら、不安そうに言う。


「アキラさん……私たち、逃げ切れますか?」


「大丈夫大丈夫!なんとかなるって!」


根拠のない自信で答える俺。


「その根拠のない自信、どこから来るのよ……」


リーナが呆れた声を出す。


通路を曲がると、今度は複数の影が待ち構えていた。


「ケイブベアの群れだ!」


ガルドが警告する。


体長二メートルほどの、岩のような硬い皮膚を持つ熊型の魔物が五体。Dランクの魔物だが、群れで襲ってくると厄介だ。


「アキラ、ここは私たちに任せて!」


セレスティアが杖を構える。


「でも……」


「遺物を守るのが最優先よ!あなたは先に進んで!」


リーナが火の魔法陣を展開しながら言う。


「わかった!でも、無理すんなよ!」


俺はケイブベアの群れを横目に、通路を駆け抜けた。


背後から、リーナとセレスティアの魔法が炸裂する音が響く。


「ファイアボール!」


「氷結魔法――フリーズランス!」


ガルドの大剣が唸りを上げ、エリンの補助魔法が仲間たちの動きを強化する。


「みんな……頼むぞ!」


俺は遺物を胸に抱き、さらに奥へと進んだ。


-----


通路を進むと、広い空間に出た。


神殿の中庭のような場所で、天井が開いていて月明かりが差し込んでいる。


「ここなら……」


そう思った瞬間、中庭の中央から何かが動いた。


地面が盛り上がり、巨大な影が姿を現す。


「う、嘘だろ……」


それは、高さ五メートルはある巨大なゴーレムだった。さっき倒した四体のゴーレムよりもさらに大きく、全身が黒い岩石で覆われている。


「これって……まさか……」


ゴーレムの胸部に、赤く光る魔石が埋め込まれているのが見える。


その魔石には、見覚えのある紋章が刻まれていた。


影の組織のマークだ。


「影の組織が作ったゴーレムか!」


ゴーレムが腕を振り上げ、俺に向かって振り下ろしてきた。


「うわああああ!」


俺は咄嗟に横に飛び退き、攻撃を回避する。


ゴーレムの拳が地面を叩き、石畳が砕け散った。


「やべえ……これ、さっきのゴーレムより強いぞ!」


ゴーレムが再び攻撃してくる。


俺は木剣を構え、正面から受け止めた。


**ガキィィィン!**


衝撃が腕に走る。


「うおおおお!」


力を込めて押し返すと、ゴーレムが数歩後退した。


「よっしゃ!押し返せた!」


だが、ゴーレムはすぐに体勢を立て直し、今度は両腕を同時に振り下ろしてきた。


「くそっ!」


俺は木剣で受け止めようとしたが――


**バキィィィン!**


木剣が粉々に砕け散った。


「またかよ!」


無防備になった俺に、ゴーレムの拳が直撃する。


「ぐあっ!」


吹き飛ばされ、中庭の端の壁に叩きつけられた。


「いってええええ……」


体がミシミシと悲鳴を上げる。


ゴーレムが再びこちらに向かってくる。


「やばい……このままじゃ……」


その時、背後から声が聞こえた。


「アキラ!」


振り返ると、リーナたちが追いついてきていた。


「みんな!」


「ケイブベアは倒したわ!って、なにあれ!?」


リーナが巨大なゴーレムを見て目を見開く。


「影の組織が作ったゴーレムみたいだ!」


「厄介ね……でも、みんなで戦えば何とかなるわ!」


セレスティアが杖を構える。


ガルドが大剣を振りかぶり、エリンが補助魔法の詠唱を始めた。


「よし!みんなで一気に攻めるぞ!」


俺は新しい木剣を取り出し、再び構える。


「リーナ、魔法で牽制!」


「わかったわ!ファイアランス!」


リーナの火の槍がゴーレムに突き刺さる。


「セレスティア、氷で動きを止めて!」


「氷結魔法――フリーズチェイン!」


セレスティアの氷の鎖がゴーレムの足を縛る。


「ガルド、俺と一緒に突っ込むぞ!」


「おう!」


俺とガルドは左右から同時にゴーレムに突進した。


「セイッ!」


俺の木剣がゴーレムの右腕に直撃する。


**バキィィィン!**


木剣が粉々に砕け散ったが、ゴーレムの右腕にヒビが入った。


「よし!効いてる!」


ガルドの大剣がゴーレムの左腕を斬りつけ、同じくヒビを入れる。


「エリン!追撃!」


「はい!光の魔法――シャインボルト!」


エリンの光の矢がゴーレムの胸部の魔石に直撃した。


魔石が激しく明滅する。


「今だ!みんな、一斉攻撃!」


俺たちは一斉にゴーレムに攻撃を叩き込んだ。


リーナの火魔法、セレスティアの氷魔法、ガルドの大剣、エリンの光魔法、そして俺の木剣――


「「「「「せええええい!」」」」」


全ての攻撃がゴーレムの魔石に集中する。


**ドガァァァン!**


魔石が砕け散り、ゴーレムが崩れ落ちた。


『シャドウゴーレム(Aランク)を撃破しました』

『レベルが10下がりました:レベル674→664』


「やった!倒したぞ!」


「レベルも下がったわね……」


リーナが疲れた様子で言う。


「って、Aランク!? 今のAランクだったの!?」


「影の組織が作った特別製だったみたいだな……」


ガルドが汗を拭う。


「でも、みんな無事でよかったです!」


エリンが安堵の表情を浮かべる。


だが、その時――


中庭の入口から、影の組織の追跡者たちが姿を現した。


黒いローブを纏った五人の男たち。


「遺物を渡してもらおうか」


先頭の男が低い声で言う。


「渡すわけないだろ!」


俺は遺物を抱えたまま、木剣を構える。


「フフフ……そうか。ならば、力ずくで奪うまでだ」


男たちが一斉に武器を構えた。


「みんな、戦闘態勢!」


俺たちは背中を合わせ、追跡者たちを迎え撃つ体勢を取った。


-----


「行くぞ!」


追跡者の一人が剣を振りかぶり、俺に斬りかかってきた。


「くそっ!」


俺は木剣で受け止める。


**ガキィィン!**


火花が散り、俺の木剣が軋む音を立てた。


「この力……Bランク冒険者並みか!」


追跡者が驚いた声を上げる。


「へへ、俺はBランクだからな!」


そう言いながら、俺は力を込めて押し返した。


追跡者が後退し、体勢を崩す。


「今だ!」


俺は木剣を振り下ろし、追跡者の剣を叩き落とした。


**バキィィン!**


木剣が粉々に砕け散る。


「ま た か よ !」


「もう何本目よ!」


リーナのツッコミが背後から飛んでくる。


「知らねえよ!数えてねえよ!」


俺は新しい木剣を取り出しながら、次の追跡者に向かっていった。


リーナは火の魔法で二人の追跡者を牽制し、ガルドは大剣で一人を圧倒している。


セレスティアは氷の魔法で追跡者の動きを封じ、エリンは補助魔法でみんなをサポートしていた。


「くそ……こいつら、思ったより強い!」


追跡者の一人が舌打ちする。


「撤退だ!遺物は後日必ず奪う!」


追跡者たちは煙玉を投げ、煙幕の中に消えていった。


「逃げた……」


俺は肩で息をしながら、木剣を下ろした。


「アキラ、大丈夫?」


エリンが心配そうに駆け寄ってくる。


「ああ、大丈夫だ。みんなは?」


「私たちも無事よ」


リーナが頷く。


「でも、遺物を狙って何度も襲ってくるわね……」


セレスティアが遺物を見つめながら言う。


「ああ。だから、早くこの神殿から脱出しないと」


ガルドが周囲を警戒しながら言った。


「よし、行こうぜ!」


俺たちは再び走り出した。


-----


神殿の出口に向かって走る途中、またしても魔物が現れた。


「今度はワイバーン!」


天井の穴から、翼を広げた巨大な竜が降りてきた。


体長四メートルほどの、緑色の鱗を持つワイバーンだ。


「Bランク上位の魔物だぞ!」


ガルドが叫ぶ。


「マジかよ!今日何体目だよ!」


「文句言ってる暇があったら戦って!」


リーナが魔法陣を展開する。


ワイバーンが口から炎のブレスを吐いてきた。


「うわああああ!」


俺たちは咄嗟に散開し、炎を回避する。


「セレスティア、氷の壁!」


「わかったわ!アイスウォール!」


セレスティアが氷の壁を作り、次の炎のブレスを防ぐ。


「ガルド、俺が引きつけるから、その隙に翼を狙ってくれ!」


「わかった!」


俺はワイバーンの前に飛び出し、木剣を振り回した。


「おい!こっちだ!」


ワイバーンが俺に注目し、爪を振り下ろしてきた。


「よし、来た!」


俺は爪を木剣で受け止める。


**バキィィン!**


木剣が粉々に砕け散ったが、その隙にガルドがワイバーンの右翼に大剣を叩き込んだ。


「せいっ!」


**ズバァッ!**


ワイバーンの翼が裂け、ワイバーンが悲鳴を上げる。


「よっしゃ!もう一発!」


俺は新しい木剣を取り出し、ワイバーンの頭部に振り下ろした。


**バキィィン!**


木剣が粉々に砕け散り、ワイバーンが地面に叩きつけられる。


「リーナ、トドメ!」


「任せて!ファイアストーム!」


リーナの巨大な炎の渦がワイバーンを包み込んだ。


ワイバーンは断末魔の叫びを上げ、そのまま動かなくなった。


『ワイバーン(Bランク上位)を撃破しました』

『レベルが5下がりました:レベル664→659』


「やった!レベルまた下がった!」


「だから喜ぶな!」


リーナのツッコミが容赦ない。


「でも、これで出口まであと少しだな!」


俺は遺物を抱え直し、走り出した。


-----


ついに、神殿の出口が見えてきた。


「やった!出口だ!」


だが、出口の前に一人の人影が立っていた。


黒いローブを纏った、長身の男だ。


「よくここまで来たな、逆転者」


男が低い声で言う。


「誰だ、お前は!」


「私の名はレイヴン。影の組織の幹部の一人だ」


レイヴンがローブを脱ぎ捨てると、筋骨隆々とした体が現れた。


腰には二本の剣を差している。


「幹部だと……」


ガルドが警戒する。


「遺物を渡せ。そうすれば、命だけは助けてやろう」


「断る!」


俺は木剣を構える。


「そうか……ならば、力ずくで奪うまでだ」


レイヴンが両手の剣を抜き、構えた。


「みんな、気をつけろ!こいつ、強いぞ!」


俺たちは戦闘態勢を取った。


レイヴンが一瞬で間合いを詰め、剣を振るってきた。


「速っ!」


俺は咄嗟に木剣で受け止める。


**ガキィィィン!**


凄まじい衝撃が腕に走り、俺は後ろに吹き飛ばされた。


「うわああああ!」


「アキラ!」


リーナが魔法でレイヴンを牽制する。


「ファイアボール!」


だが、レイヴンは剣で火の玉を真っ二つに切り裂いた。


「なっ……魔法を剣で切った!?」


「フフフ……私はAランク冒険者だった男だ。この程度の魔法、効かんよ」


「元Aランク!?」


ガルドが驚愕の声を上げる。


「ガルド、一緒に行くぞ!」


「ああ!」


俺とガルドは左右からレイヴンに突進した。


「せいっ!」


「とりゃああ!」


だが、レイヴンは俺たちの攻撃を軽々と受け流し、カウンターで蹴りを叩き込んできた。


「ぐあっ!」


「うおっ!」


俺とガルドは同時に吹き飛ばされ、地面に転がった。


「強い……」


「こりゃあ、厄介だぜ……」


ガルドが歯を食いしばる。


セレスティアとエリンが魔法で支援するが、レイヴンには全く効いていない。


「くそ……どうすれば……」


その時、俺の腕の逆転者の紋章が光り始めた。


「これは……」


遺物も同時に光り出す。


「遺物と紋章が共鳴している……!?」


セレスティアが驚く。


光が俺の体を包み込み、力が溢れてくるのを感じた。


「これは……遺物の力か!」


俺は木剣を握り締め、レイヴンに向かって走り出した。


「行くぞおおおお!」


「フン、無駄だ!」


レイヴンが剣を振るうが、俺は今度はそれを見切った。


「見えた!」


俺は剣を避けながら懐に潜り込み、木剣を振り上げた。


「せいやああああ!」


**ドゴォォン!**


木剣がレイヴンの胸部に直撃する。


**バキィィィン!**


木剣が粉々に砕け散ったが、レイヴンは大きく後退した。


「ぐっ……馬鹿な……」


レイヴンが驚愕の表情を浮かべる。


「みんな、今だ!総攻撃!」


俺の号令で、リーナ、セレスティア、ガルド、エリンが一斉に攻撃を放った。


「「「「せええええい!」」」」


全ての攻撃がレイヴンに集中する。


**ドガァァァン!**


爆発が起こり、レイヴンは膝をついた。


「くそ……撤退だ……」


レイヴンは煙玉を投げ、その場から消えた。


「逃げた……」


俺は肩で息をしながら、その場に座り込んだ。


遺物の光が消え、紋章の光も収まる。


「アキラ、大丈夫!?」


エリンが駆け寄ってくる。


「ああ、大丈夫だ……でも、疲れた……」


「当然よ。元Aランクと戦ったんだから」


リーナが呆れた様子で言う。


「でも、遺物は守れたな」


ガルドが笑う。


「ああ。これで、セレスティアのおじいさんの依頼も達成だ」


俺は遺物を見つめる。


セレスティアが複雑な表情で俺たちを見ていた。


「……ありがとう。みんな」


「おう!任せとけって!」


俺は親指を立てて笑った。


-----


神殿を出て、森の中を歩きながら、俺たちは宿屋のある町を目指していた。


「それにしても、今日は魔物と影の組織と、両方相手にして大変だったな」


「本当ね……もうクタクタよ」


リーナが疲れた様子で言う。


「でも、みんな無事でよかったです!」


エリンが明るく笑う。


「ああ。これからも、みんなで頑張ろうな!」


俺はそう言って、仲間たちと笑い合った。


セレスティアだけが、少し離れた場所で複雑な表情を浮かべていた。


その表情に、俺はまだ気づいていなかった……。


-----


次回予告


遺物を守り切ったアキラたち。だが、セレスティアの様子がおかしい。一体、彼女は何を隠しているのか?そして、影の組織の次なる手は……?


**第57話『セレスティアの秘密』お楽しみに!**


-----


## アキラの現在ステータス(第56話終了時点)


- **レベル**: 659

- **全ステータス**: 659,000

- **ギルドランク**: Bランク

- **所持金**: 金貨237枚、銀貨20枚

- **木剣所持数**: 152本(4本使用)

- **逆転者の紋章**: 三つ全て揃っている

- **新アイテム**: 逆転者の力を増幅する遺物



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