第44話『本当の気持ち――心の試練完結』
前回のあらすじ
感情逆転が続く中、アキラと仲間たちの間に深い溝が生まれていく。リーナは「あなた、変わったわね」と言い、エリンは涙し、ガルドは失望の表情を見せた。だが、激しい戦闘の中で、アキラは言葉ではなく行動で本当の気持ちを示す。仲間を庇い、守る姿に、みんなは気づき始める。「あなたの行動は嘘をつかない」――信じてくれる仲間と共に、アキラは最後の試練の間へと足を踏み入れた。
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扉を開けると、そこは広大な空間だった。
「ここが……最後の部屋か」
天井は高く、壁には無数の古代文字が刻まれている。
「何か……神聖な雰囲気ね」
リーナが呟く。
「ああ。試練の最後にふさわしい場所だ」
ガルドが剣を構える。
部屋の中央には、一つの台座がある。
「あれは……」
俺たちは台座に近づいた。
その時――
ゴゴゴゴゴ……
部屋全体が揺れ始めた。
「来る!」
台座から、光が放たれる。
そして――
バァァン!
光の中から、一つの影が現れた。
「これは……」
俺は目を疑った。
そこに立っていたのは――
「俺……?」
もう一人の俺だった。
いや、正確には俺に似た存在。
だが、その目には光がない。
冷たく、無表情な俺。
「幻影……か」
ガルドが呟く。
幻影の俺が口を開いた。
「お前は、本当の気持ちを言えない」
「……」
「強がって、本音を隠している」
「それは……」
「弱音を吐けず、一人で抱え込んでいる」
幻影の言葉が、胸に刺さる。
「お前は――」
幻影が一歩近づく。
「感情を偽って生きている」
「違う……」
「それが、お前の心だ」
その瞬間――
バシュッ!
光が周囲を包んだ。
気がつくと、仲間たちの姿が見えなくなっていた。
「リーナ!? ガルドさん!? エリン!?」
「彼らは見えない。聞こえない」
幻影が言う。
「ここは、お前と俺だけの空間だ」
「くそ……」
「さあ、答えろ」
幻影が俺を見つめる。
「お前は、なぜ本当の気持ちを言わない?」
「……」
「なぜ、弱みを見せない?」
「それは……」
俺は言葉に詰まった。
その時――
脳裏に、過去の記憶が蘇った。
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**北の森での出来事(第34話)**
影の組織の罠にハマった。
死にかけた。
本当は、怖かった。
めちゃくちゃ怖かった。
でも――
「大丈夫、俺なら何とかなる」
そう強がっていた。
結局、リーナに泣きついた。
恥ずかしかった。
情けなかった。
でも――
安心した。
仲間がいてくれて、本当に良かった。
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**弱さの受容(第40話)**
第一の試練で、俺は認めた。
「俺は弱い」
「一人じゃ何もできない」
でも――
それでも、まだ怖かった。
弱みを見せるのが。
本音を言うのが。
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**今までの戦い**
いつも、強がっていた。
「大丈夫大丈夫!」
「任せとけ!」
「俺に任せろ!」
でも、本当は――
怖かった。
不安だった。
一人じゃ無理だった。
仲間に頼りたかった。
支えてほしかった。
でも、言えなかった。
なぜなら――
「弱みを見せたら、嫌われるんじゃないか」
「情けないと思われるんじゃないか」
「仲間の足を引っ張るんじゃないか」
そう思っていたから。
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記憶が途切れる。
「……そうだ」
俺は呟いた。
「俺は、怖かったんだ」
幻影が無言で見つめる。
「弱みを見せるのが、怖かった」
「……」
「本音を言うのが、怖かった」
涙が溢れてくる。
「嫌われるのが、怖かった」
「ならば――」
幻影が問う。
「お前は、このまま偽り続けるのか?」
「……いや」
俺は顔を上げた。
「もう、偽らない」
「何?」
「俺は……もう隠さない」
拳を握りしめる。
「俺の本当の気持ちを、全部言う」
「言えるのか?」
「言える」
俺は叫んだ。
「俺は――」
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その時――
バァァン!
光が弾け、周囲の景色が変わった。
仲間たちの姿が見える。
だが、動けないようだ。
時間が止まっているのか。
「リーナ……ガルドさん……エリン……」
俺は彼らを見つめた。
「みんな……聞いてくれ」
幻影が俺の前に立つ。
「言え。お前の本当の気持ちを」
「ああ」
俺は深呼吸した。
そして――
「俺は……本当は怖かった」
言葉が溢れ出す。
「北の森で死にかけた時、めちゃくちゃ怖かった」
「一人じゃ何もできないって、わかってる」
「強がって、カッコつけて……でも本当は……」
涙が止まらない。
「みんなに頼りたかった」
「支えてほしかった」
「一人にしないでほしかった」
「でも、弱みを見せたら……嫌われるんじゃないかって……」
「情けないと思われるんじゃないかって……」
「そう思って……本当の気持ちを隠してた……」
俺は膝をついた。
「俺は……弱い……」
「めちゃくちゃ弱い……」
「一人じゃ何もできない……」
「でも……」
顔を上げる。
「でも、みんながいるから頑張れる」
「リーナがいるから、笑える」
「ガルドさんがいるから、安心できる」
「エリンがいるから、優しくなれる」
「みんながいるから……俺は強くなれる」
涙を拭う。
「だから……」
「みんなのこと……」
大きく息を吸って――
「大好きだ!!」
叫んだ。
その瞬間――
バァァァン!
眩い光が部屋全体を包んだ。
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「アキラ!」
リーナの声が聞こえた。
「相棒!」
ガルドの声も。
「アキラさん!」
エリンの声も。
時間が動き出した。
みんなが俺に駆け寄ってくる。
「みんな……」
「アキラ、今の……全部聞こえたわよ」
リーナが涙目で笑う。
「え……」
「ああ。全部聞こえた」
ガルドが満足そうに笑う。
「私も聞こえました!」
エリンが泣きながら抱きつく。
「そんな……恥ずかしい……」
「何が恥ずかしいのよ」
リーナが近づく。
「やっと、素直になったわね」
「リーナ……」
「ふふ、やっと素直になったわね」
リーナが俺の頭を撫でる。
「バカ。あなたがどう思ってるか、もうわかってるわよ」
「……ありがとう」
「よく言った、相棒」
ガルドが背中を叩く。
「お前の本当の気持ちが聞けて、俺は嬉しいぞ」
「ガルドさん……」
「アキラさん!」
エリンが泣きながら言う。
「私も、アキラさんのこと大好きです!」
「エリン……ありがとう……」
俺も涙を流した。
「みんな……本当に、ありがとう……」
その時――
幻影が光り始めた。
「お前は、心を解放した」
幻影が微笑む。
「本当の気持ちを、言えた」
「……ああ」
「よくやった」
幻影が消えていく。
「お前は、心の試練を乗り越えた」
「ありがとう……もう一人の俺」
幻影が完全に消えた。
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すると――
バァァン!
部屋の中央の台座が光り始めた。
「これは……」
台座から、一つの紋章が浮かび上がる。
「逆転者の紋章……」
紋章が俺の手に飛んできた。
「うわっ!」
紋章が右手の甲に刻まれる。
第一の証の隣に、第二の証が現れた。
「これが……第二の証……」
「おめでとう、アキラ」
突然、クロウの声が響いた。
「クロウさん!」
部屋の奥から、クロウが現れた。
「よくぞ乗り越えた」
「クロウさん……」
「お前は、心の試練を完遂した」
クロウが近づく。
「本当の気持ちを言う勇気を持った」
「はい……」
「そして――」
クロウが俺の手を見る。
「第二の証を手に入れた」
「これで、二つ目ですね」
「ああ。残りは、一つだ」
「第三の試練……」
「その時が来れば、また会おう」
クロウが微笑む。
「それまで、仲間と共に成長しろ」
「はい!」
「では――」
クロウが手を上げる。
光が俺たちを包む。
「また会おう、逆転者よ」
クロウの声が遠ざかっていく。
そして――
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気がつくと、遺跡の外にいた。
「戻った……?」
「ええ。試練が終わったのね」
リーナが安堵の表情を浮かべる。
「長い戦いだったな」
ガルドが笑う。
「はい……でも、やり遂げました!」
エリンが嬉しそうだ。
「そういえば……」
俺はふと気づいた。
「感情逆転、治ってる!」
「え?」
「ほら、今『嬉しい』って思って、ちゃんと嬉しそうに言えた!」
「本当ね」
リーナが笑う。
「良かったじゃない」
「ああ!もう変な言葉出ないぞ!」
「それは良かったわ」
「よっしゃ!じゃあ言うぞ!」
俺は大きく息を吸って――
「リーナ、いつもありがとう!お前は最高の仲間だ!」
「え、ちょ、ちょっと……」
リーナが恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「ガルドさん、いつも頼りにしてます!ガルドさんがいてくれて本当に良かった!」
「お、おう……」
ガルドも照れている。
「エリン、お前は可愛くて優しくて最高だ!これからもよろしくな!」
「はい!こちらこそ!」
エリンが満面の笑みで答える。
「ふふふ、アキラ、調子乗ってるわね」
リーナがツッコむ。
「いいじゃん!今まで言えなかった分、全部言うんだ!」
「もう、しょうがないわね」
「よし、じゃあ帰ろう!」
「おー!」
俺たちは笑い合った。
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王都への帰り道。
「しかし、第二の試練も大変だったな」
ガルドが呟く。
「本当にね。感情逆転とか、予想外だったわ」
リーナが言う。
「でも、アキラさんは乗り越えました!」
エリンが嬉しそうだ。
「みんなのおかげだよ」
俺は笑った。
「みんなが信じてくれたから、俺は本当の気持ちを言えた」
「当たり前でしょ。私たち、仲間なんだから」
リーナが微笑む。
「ああ。仲間だ」
ガルドも頷く。
「これからも、一緒に頑張りましょう!」
エリンが拳を上げる。
「おう!」
俺たちは拳を突き合わせた。
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王都に着くと、ギルドで報告を行った。
「お疲れ様でした。南の遺跡の調査、ありがとうございました」
受付のお姉さんが笑顔で言う。
「報酬の金貨80枚です」
「ありがとうございます」
「それと、セレスティア様からも伝言がありました」
「セレスティアさんから?」
「はい。『試練を乗り越えられたこと、心より嬉しく思います』とのことです」
「そうですか……ありがとうございます」
「では、今日はゆっくりお休みください」
「はい」
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宿に戻り、俺は部屋で一人、紋章を見つめていた。
右手の甲に刻まれた、二つの紋章。
第一の証と、第二の証。
「あと一つ……」
第三の試練。
それを乗り越えれば、全ての試練が完了する。
「どんな試練なんだろうな……」
不安もある。
でも――
「みんながいるから、大丈夫だ」
俺は笑った。
「よし、明日からも頑張ろう!」
俺はベッドに倒れ込んだ。
疲れが一気に押し寄せてくる。
「おやすみ……」
俺はそのまま眠りについた。
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翌朝。
「おはよう、アキラ」
リーナが声をかけてきた。
「おう、おはよう!」
「よく眠れた?」
「ああ、ぐっすりだ」
「それは良かった」
「今日は何するんだ?」
「とりあえず、ゆっくり休みましょう。昨日は大変だったし」
「そうだな」
俺たちは朝食を食べ、のんびりと過ごした。
平和な一日。
こういう日も、悪くない。
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だが、この時の俺たちは、まだ知らなかった。
第三の試練が、すぐそこまで迫っていることを――
そして、影の組織の本格的な動きが、再び始まろうとしていることを――
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## 仲間のレベルアップ
【ガルドのレベルが上がりました】
【レベル92→94】
【リーナのレベルが上がりました】
【レベル59→61】
【エリンのレベルが上がりました】
【レベル22→24】
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## アキラの現在ステータス(第44話終了時点)
- **レベル**: 680
- **HP**: 680,000
- **MP**: 680,000
- **攻撃力**: 680,000
- **防御力**: 680,000
- **魔力**: 680,000
- **敏捷性**: 680,000
- **スキル**: 全スキルLvMAX
- **ギルドランク**: Bランク
- **所持金**: 金貨287枚、銀貨20枚(報酬80枚受領)
- **所持アイテム**:
- 謎の水晶(逆転者の証)
- セレスティアの祖父の日記(写し)
- 通信石
- 木剣×61本
- 制御の石板
- Bランクギルドカード
- 逆転者の紋章(第一の証)
- **逆転者の紋章(第二の証)**【NEW】
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## 次回予告
「第二の試練を乗り越え、平和な日々を過ごすアキラたち。だが、その平穏は突然破られる。王都に再び影の組織が現れ、街を襲撃!さらに、彼らの真の目的が明らかになる――『逆転者を捕らえ、力を奪う』。絶体絶命の危機の中、アキラは仲間と共に立ち向かう!次回、第45話『影の組織の襲撃――守るべきもの』――レベルを下げて、街を守れ!」




